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外観 Features tunami最終章 オヤイデ電気には、確固たる設計思想に基づいたケーブル創りの原則が存在します。そこでは妥協という2文字はいっさい許されません。つねに挑戦し続けることで、優れたパフォーマンスを追求するオヤイデ電気は、革新的なアイデアと、従来に例をみない斬新なコンセプトで製品を生み出してきました。こうした姿勢を継承しながら、私達は栄えある伝統を造り上げてきました。2005年、その斬新なコンセプトと圧倒的な音質で、センセーショナルを巻き起こしたTUNAMI。TUNAMIの登場は、それまであった電源ケーブルシーンに一石を投じました。さらに2006年、高まる期待感に呼応して、スピーカーコード・バージョンの「TUNAMI NIGO」が登場。そして4年の歳月を経て2009年、いよいよTUNAMIの最終章ともいうべきオーディオシグナルケーブル"TUNAMI TERZO"が登場します。"TUNAMI TERZO"の登場により、それぞれのTUNAMIに秘められたポテンシャルは、爆発的なパフォーマンスを発揮するのです。感性を活かすだけでもオーディオケーブルを造り上げることは可能かも知れません。しかし普遍的な製品を造ることはできません。特にオヤイデ製品においては経験以上に大切な要素が必要となります。それはオーディオ製品を開発することに全身全霊をかけたエンジニアの存在です。オーディオに情熱を注ぎ、いかなる妥協も潔しとしないエンジニアのスピリットから生み出されたモデル。それが"TUNAMI TERZO"です。 TUNAMIとまったく変わらないコンセプトを持ちながらも、オーディオケーブルとしてアップデートされた"TUNAMI TERZO"。基本的な素材、構造を変えることなく音声信号専用にプランニングしました。基本アーキテクチャーは、2芯パラレルレイアウト。エクステリアは上品でエレガントな仕上がりのパールホワイトを採用。しかし、"TUNAMI TERZO"は、そのシンプルで洗練されたエクステリアとは対照的に、随所に革新的なアイデアと、従来に例をみない斬新なコンセプトが盛り込まれています。信号伝送の要ともいえる導体はPCOCC-Aを採用しその導体径も1.25sqというかつてないほどの大容量を有します。一見無駄とも思えるこの導体径は導体抵抗の抑制し、信号ロスの軽減に大きく関与します。これも、TUNAMIの名を冠するにふさわしい意選択です。また導体構造は3層からなる反転同心撚り構造を採用。素線間の密度を高め均一に撚り込まれた素線は、ランダムな隙間を排除し、線間歪による音質の劣化を排除。シールドも同様にランダムな隙間を排除するために、横巻シールドを採用。その本数は、実に中心導体の3倍もの本数を使用されています。さらに、ノイズ対策についてはTUNAMIによって実証された独自の3レイヤーシールディングをさらに強化させた4レイヤー・シールディングを新たに採用。外来ノイズはもちろんのこと、内部発生ノイズ、更には振動によるスパークノイズまでも高い次元でシャットアウトします。 端末には革新的かつ独創性に溢れるアイディアが盛り込まれたXLRプラグ”FOCUS 1”とRCAプラグ”Genesis"から選択ができます 。”FOCUS 1”はスームズかつ強固なホールドを実現するワンタッチプッシュプル機能(実用新案)。イージーインストールを可能にするシャーシアース兼用ケーブルクランプ。精密機械加工の粋を凝らしたボールベアリング式ロック。さらに材質にについても十分に吟味され”FOCUS 1”のアイデンティティを引き立てます。真鍮製ボディはカメラと同じ硬質クロメートメッキ、リン青銅製コンタクトピンは高解像度を実現する銀+ロジウムメッキを採用。いずれの素材も、高度なCNC加工によりソリッドな部材から一つ一つ削りだされ抜群の精度を誇ります。"Genesis"は独自のロッキングシステムを有したオヤイデ電気オリジナルのRCAプラグです。"TUNAMI TERZO"の為にプランニングされたといっても過言ではない、オリジナリティ溢れる逸品です。本体後部に配置されたスクリュー式チャックは、キャップから独立することによって狭小な場所でも確実なホールディング作業を実現します。またチャック部分の操作には光学レンズをイメージ。本体のスクリュー部に高粘度グリースを塗布することによって、あたかもレンズを絞る感触を得ます。これは感覚的な喜びを得るだけでなく、本体とシェルのバイブレーションコントロールを目的としています。もちろん素材の選択にも余念がありません。真鍮製ボディはカメラと同じ硬質クロメートメッキ。リン青銅製コンタクトピンの採用。プレーティングに於いても、数十種類に及ぶメッキを徹底的にテストし、プラチナ+ロジウムのコンビネーションプレーティングを選定。いずれの素材も、高度なCNC加工によりソリッドな部材から一つ一つ削りだされ抜群の精度を誇ります。 PCOCC-A導体 千葉工業大学の大野教授によって考案されたOCC製法。これは鋳型を加熱し鋳造することにより、単結晶状の銅線を製造できると言う画期的な方法で、この製法を用いた銅線をいち早く製品化しPCOCC(単一方向性結晶無酸素銅線)として市場に送り出したのが古河電工でした。 PCOCCは高純度無酸素銅は不純物が極めて少なく、伝送ロスが発生しにくい素材ですが、更に単一結晶状の銅線とすると、信号方向を横切るような粒界がない性質を有します。 このPCOCCを更に進化させた形がμ導体。PCOCCを一定の条件で加熱・冷却し、組成をコントロールしながら再結晶させたμ導体。結晶構造が縦方向に形成された後、改めて外側から内側に向けて結晶が形成されます。その結果、結晶構造が「密」となり、より不純物の少ない銅線が出来ます。 そしてμ導体を製造する工程で、より高度な加熱・冷却の温度コントロール管理をし、導体の鏡面仕上げを行い、さらに進化させたのが「PCOCC-A」なのです。世界最高水準の精錬・伸銅・製線技術で作られる「PCOCC-A」。そこには、日本が誇るクラフトマンシップが集結されているのです。 TUNAMI TERZO RR "TUNAMI TERZO"の為にプランニングされたといっても過言ではない、オリジナリティ溢れる逸品です。本体後部に配置されたスクリュー式チャックは、キャップから独立することによって狭小な場所でも確実なホールディング作業を実現します。またチャック部分の操作には光学レンズをイメージ。本体のスクリュー部に高粘度グリースを塗布することによって、あたかもレンズを絞る感触を得ます。これは感覚的な喜びを得るだけでなく、本体とシェルのバイブレーションコントロールを目的としています。もちろん素材の選択にも余念がありません。真鍮製ボディはカメラと同じ硬質クロメートメッキ。リン青銅製コンタクトピンの採用。プレーティングに於いても、数十種類に及ぶメッキを徹底的にテストし、プラチナ+ロジウムのコンビネーションプレーティングを選定。いずれの素材も、高度なCNC加工によりソリッドな部材から一つ一つ削りだされ抜群の精度を誇ります。 絶縁体 シンプルだからこそ作りこまなければならない。これは、オヤイデ電気の哲学でもあり、クラフトマンシップでもあります。使用部材のそれぞれが個性を主張しながらも、見事なまでに調和を生み出し、TUNAMIを究極の製品に仕上げていくのです。 絶縁体の硬度を徹底研究し、外部、内部それぞれ硬度の異なる高分子ポリオレフィン素材を使用し、共振による音への影響を防ぎます。この高分子ポリオレフィンは従来のPVCに比べ、誘電率が約1/4という極めて低い特性を示します。絶縁体と導体の密着率にも細心の注意を払いました。通常の1.15倍のテンションをかけながら引き出し、絶縁体と導体を均一に密着させ、ランダムな隙間を排除し、線間歪による音質の劣化を排除しました。 4層シールド 1層目には必然的に発生する磁束の乱れによる電磁波を、コンパウンドに電磁波吸収体を混入することにより熱エネルギーに変換させます。ケーブル内に電気が流れると微弱振動が発生し、静電気を帯電している物質はその振動によりコロナ放電をします。そこで、2層目には半導体層(カーボン層)を設け、導体に影響を及ぼす事無く静電気の放出を促します。3層目には銅テープシールドを設け外来ノイズから導体をプロテクトします。さらに"TUNAMI TERZO"には4層目にスパイラルシールド用い、より一層シールド効果を高めると共に、バランス伝送を可能にしました。究極のノイズプロテクト、4レイヤーシールドの実力を、ご自身でどうぞお確かめください。 Spec ケーブル TUNAMI TERZO RCAプラグ Genesis 定価 TUNAMI TERZO RR 0.7m(ペア)20,000円(21,000円 税込) TUNAMI TERZO RR 1.0m(ペア) 22,400円(23,520円 税込) TUNAMI TERZO RR 1.3m(ペア) 25,000円(26,250円 税込) ※ケーブル延長0.5m増すごとに5,040円(税込) User s Comments Others 公式ホームページ: TUNAMI TERZO RR 価格.com - TUNAMI TERZO RR TUNAMI TERZO GENESIS Comments 名前 コメント
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第??回Rフィルイベント はじめに。 久々に!!新規入会の方がいらっしゃるので、イベントやります。 以前2回とも大きな笑いを誘った、バルシャレースが帰ってきました! スタート場所:ピサ広場 途中チェックポイント:マディラ 街の反対側の海上待機PC ゴール場所:ヒホン 集合日時:2009年9月23日(水祝)20 00 希望者はリスからピサまで艦隊で移動します。7:30出発予定です。 ルール簡易説明・質疑応答の後21:00予定でスタートします。 終了予定は23:30頃を予定しております 賞金総額250Mその他賞品にレイヴンジュストコールやトラ頭もあります! ルールなど。 店売りのバルシャを購入してください。船を一時預かることも可能です。希望される方は事前にゲーム内で連絡御願いします ※1.冒険用バルシャなどでも大丈夫です。 ※2.新規造船やPC売りは不可。 ※3.オプションスキル、専門スキルも不可。 ※4.途中の街で帆の縦・横の切り替えはOKです。作戦しだいで圧倒も惨敗もできます。 ※5.船を一時預かることも可能です。希望される方は事前にゲーム内で連絡御願いします 店売りの帆は購入し、利用可能。 ※1.作成したものやPC売りは不可。 ※2.今回は追加スパンカなどの特殊兵装は無し 全スキルの発動禁止 ※1.誤って操帆や警戒を発動してしまった場合は、スキルを切り完全に停止してから再スタートしてください。 ※2.NPCの奇襲にあった場合は、アイテムの停戦協定書および上納品は利用OK! ※3.その他状態異常になった場合は、回復アイテムの利用可。 途中チェックポイントがあります。 ※1.通過時にチェックポイントにいるキャラクターに何かしらのエモをしてください(通過認定をします) エモするキャラクターはパチョレックになります。 ゴール地点ヒホンでは、酒場に入り酒場主人にエモをしてください。 ゴールが同時でもエモした順番になります。 順位決定方法 上記のチェックポイントを通過した上で、ヒホンの酒場に入場した順番になります。 賞金・賞品 優勝:100M、2位:50M、3位:20M、4位:10M、5位:5M、下から4位:15M、ブービー(びり2):50M 賞品は優勝者から順に選択していただきます。 レイヴンジュストコール 漆黒の宝冠 虎頭の兜 黄銅製グリーヴ ガネーシャ紋章 ポルトガル紋章 装甲戦列艦☆2(強化舵つき) 黄金の両手
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唐書巻二百二十一上 列伝第一百四十六上 西域上 泥婆羅 党項 東女 高昌 吐谷渾 焉耆 亀茲 跋禄迦 疏勒 于闐 天竺 摩掲陀 罽賓 泥婆羅(ネパール)は、吐蕃の西にある楽陵川からすぐのところにある。国土は赤銅とヤクを多く産出した。国人の風俗は翦髪で、前髪が眉にまで達している。耳には穴を穿っていた。アーチ状になった竹筒で楕円形の枠をつくり、ゆるやかに肩に至るのがよいとされた。さじと箸がないので、国人は手づかみで食べた。その国の器はみな銅製である。その家屋の板囲いに模様を描いた。牛を使用した耕作方法を知らないため、田畑が少ない。それゆえ、国人は生業として商業に習熟している。一枚の布で体を覆い、一日に数回、沐浴する。博戯を重んじ、天文学と暦術に通じていた。天神を祀るのに石を刻んで像をつくり、この像に毎日、水を浴びせ、煮た羊肉をそなえて天神を祀る。銅を鋳造して貨幣をつくる。貨幣のおもてに人のかたちを描き、裏側に牛や馬のかたちを描いた。この国の君主は、真珠、瑠璃、車渠(貝殻)、珊瑚、琥珀を身につけ、纓絡(ネックレス)をたらし、耳には金鉤・玉の耳飾りをつけ、宝剣を腰に帯びて、獅子の足の格好をした四脚寝台に座り、香を焚いて花を堂にしいた。大臣は地べたに座って敷物をしかない。左右に武器を持った兵士数百が待っている。宮中には七重の楼閣があり、その屋根は銅製の瓦で覆われていた。柱と梁はみな様々な宝石で飾られており、宮殿の四隅には銅製の水槽が置かれていた。その下には黄金の龍がおり、龍の口からは激しく水が流れ出て槽の中に注ぎ込んでいた。 初め王の那陵提婆(ナーレンドラ・デーヴァ)の父親が、叔父によって殺されたため、提婆は吐蕃に亡命した。吐蕃が提婆を受け入れたので、提婆は吐蕃に臣従した。貞観中、太宗は李義表を天竺に派遣した。李義表が泥婆羅を通過したので、提婆はたいそう喜び、使者を案内して阿耆婆池(アジーヴァ)を一緒に見学した。池の広さは数十丈、その水はいつも沸騰していた。その水は、日照りの時も大雨の時も、涸れることも溢れることもなかったと伝えられている。池の中に物を投げ込むと、たちまち煙が生じ、その上に釜をかけると、すぐに煮あがってくる。 貞観二十一年(647)、泥婆羅の使者が入朝し、波稜(ホウレン草)、酢菜、渾提葱を献上した。永徽の時(650-656)、王の尸利那連陀羅がまた使いを派遣して入貢した。 党項(タングート)は漢代の西羌の別種で、魏晋の後、次第に甚だしく衰微した。北周が宕昌、鄧至を滅ぼしたので、党項は初めて強くなりはじめた。その地は昔の析支であり、東は松州、西は葉護(西突厥)、南は春桑・迷桑などの羌、北は吐谷渾に隣接していた。険しい山谷に居住し、その長さは三千里にわたる。姓のちがいによって部落をなし、その一つの姓がまたさらに分かれて小部落をなし、大きいものでは万騎、小さいものでは数千の兵力を持っており、互いに相手を服属させることができないでいる。そのため、細封氏、費聴氏、往利氏、頗超氏、野辞氏、房当氏、米禽氏、拓拔氏があり、拓拔氏が最強で、定住し、家屋があり、ヤクの尾、羊毛を織って家を覆い、一年に一度、その毛織物を交換した。党項は武を尊び、法令も賦役もない。人々の寿命は長く、多くのものが百歳を越えた。盗みを好み、互いに略奪しあった。彼らは、復讐することを最も重んじた。復讐をいまだに果たせていないものは、蓬のように髪をふり乱し垢まみれの顔で、裸足のまま過ごし、草を食べる。復讐を遂げた後に、ようやく普通の生活に戻る。男女は、皮衣と粗い繊維の衣服を着用し、毛織物をまとった。ヤク、ウシ、ウマ、ロバ、ヒツジを牧畜して食べ、耕作はしなかった。その地は寒く、五月に草が生え八月に霜がおりた。文字はなく、草木の様子をうかがって歳時を識別した。三年に一度、互いに集まり、牛と羊を殺して天を祀った。他国から麦を得て酒を醸造した。父親の妾、伯母・叔母、兄嫁、息子や弟の妻を妻としたが、ただ同姓の女性は娶らなかった。年老いて亡くなった場合、子孫達は泣かなかった。しかし、幼くして亡くなると、天柱と称して、家族は悲しんだ。 貞観三年(629)、南会州都督の鄭元疇は使者を派遣して降服するように説得したので、党項の酋長・細封歩頼が部落を挙げて降服した。太宗が璽を押した詔を下して彼らを慰撫したので、細封歩頼はこれより入朝し、太宗から与えられる宴や賜わりものは、他とは違って別格であった。太宗は細封歩頼の領地を軌州となし、細封歩頼に刺史を授与した。細封歩頼は、兵を率いて吐谷渾を討伐したいと請願した。その後、酋長達がことごとく内属したので、その地を州、奉州、厳州、遠州の四つの州となし、首領たちを刺史に任じた。拓赤辞というものがおり、初めは吐谷渾に臣従していた。谷津の慕容伏允が、赤辞を厚遇して通婚したので、諸々の羌族はすでに唐に帰順していたにもかかわらず、赤辞だけがひとり唐に帰順してこなかった。李靖が吐谷渾を討伐した時、赤辞は狼道峡に駐屯して唐軍に抵抗した。廓州刺史の久且洛生が、赤辞を説得して降伏させようとしたが、赤辞は「吐谷渾王は私のことを腹心として遇してくれている。他のものなど知らぬ。もし速やかにこの場から立ち去らないのなら、おまえを斬り殺して私の刀を穢すことになるぞ。」と言い返してきたので、久且洛生は怒り、軽騎兵を率いて粛遠山で赤辞を撃破し、数百級を斬首して雑畜六千を捕獲した。太宗は、この勝利によって、降服すれば生命の保障をしたので、赤辞の従子・思頭は、ひそかに唐に帰順し、その部下の拓拔細豆もまた降伏した。赤辞は宗族が離反してしまったので次第に自らも帰順することを望み、岷州都督の劉師立も帰順を勧誘したので、赤辞は思頭とともに唐に内属した。そこで、太宗はこの地を懿州・嵯州・麟州・可州など三十二の州となし、松州を都督府となして、赤辞を西戎州都督に抜擢し、李姓を賜わった。それ以後、党項からの朝貢が絶えることはなかった。これによって、黄河の源流にある積石山から東の地はすべて中国の領地となった。この後、吐蕃が次第に隆盛したので、拓抜は恐れて内地への移住を請願した。そこで初めて慶州に静辺などの州を設置して党項をここに住まわせた。この地が吐蕃の領土と化すと、この地に住んでいるものはみな吐蕃に従属する事となり、さらに弭薬(ミーニャク)と号するようになった。 また黒党項という部族もいた。黒党項は、赤水の西に住んでいた。その部族長は、敦善王と号し、吐谷渾の王・慕容伏が李靖の軍に敗北してこの地に逃走してきた時には、伏允は敦善王を頼ってきた。吐谷渾が唐に服従するようになると、敦善王もまた朝貢してきた。雪山に住んでいるものたちを破氏といった。 白蘭羌という部族がいた。吐蕃はこれを丁零と呼んでいた。白蘭羌は、その左の部族が党項に属し、右の部族は多弥と隣接していた。勝兵を一万人擁し、戦闘において勇敢に戦い、用兵を善くするところは、民族的に党項と同じであった。武徳六年(623)、使者が入朝した。翌年、高祖はこの地を維州と恭州の二州となした。貞観六年(632)、数十万とともに内属した。永徽年間(650-656)には、特浪の生羌の楼と大首領・凍就が部衆を率いて到来し、内属したので、その地を剣州となした。 龍朔年間(661-663)以後、白蘭、春桑、白狗羌が吐蕃の臣下となり、吐蕃に兵士を提供してその先鋒になった。白狗と東会州は隣接し、勝兵はわずかに千人であった。西北にいるもので天授年間(690-692)の間に内附したものは、戸数にして約二十万だった。唐は、その地を朝州・呉州・浮州・帰州などの十州となし、霊州と夏州の間に散居させた。至徳年間の末(757)、党項は吐蕃に誘われ、吐蕃の間諜となって辺境地帯を略奪した。しかし、彼らは急に後悔して来朝し、霊州の軍糧運送を援助したいと請願した。乾元年間(758-760)、安史の乱が原因で中国がしばしば乱れたので、党項は邠州と寧州に入寇した。粛宗は、郭子儀に詔して朔方・邠寧・鄜坊の三節度使の任務を統括させて、鄜州刺史の杜冕と邠州刺史の桑如珪に二部隊に分けて出撃させた。郭子儀が邠州・寧州に到着すると、党項は潰走した。 上元元年(760)、涇州・隴州の部落十万人が、鳳翔節度使の崔光遠のもとに来て降伏した。上元二年(761)、党項は渾・奴刺と連合して、宝鶏を襲撃し、吏民を殺害して財物を掠め取った。大散関(宝鶏の南)を焼き、鳳州に入寇して、刺史の蕭槐、節度使の李鼎がこれを追撃した。翌年、党項がまた梁州を攻撃したので、刺史の李勉は逃走した。このため党項は奉天まで進撃し、華原・同官を大いに略奪して去った。詔して、蔵希譲を李勉に代えて刺史とした。これによって、帰順・乾封・帰義・順化・和寧・和義・保善・寧定・羅雲・朝鳳のおよそ十州の部落が蔵希譲を訪れ、よしみを通じて節と印を乞うたので、詔してこれを認めた。 僕固懐恩が叛いた時(764)、懐恩は党項・渾・奴刺を誘って入寇した。僕固懐恩は数万の兵を率いて鳳翔と盩厔を略奪した。党項の大酋長の鄭廷と郝徳は同州に入寇したので、同州刺史の韋勝は逃走した。節度使の周智光は、鄭廷らを澄城で撃破した。一ヵ月後、鄭廷らがまた同州に入寇し、官庁および民間の家屋を焼き、馬蘭山に塞を築いた。郭子儀は軍勢を派遣してこれを襲撃し、退却して三堡を保った。それから、郭子儀は慕容休明を派遣して、鄭廷と郝徳を諭させて降伏させた。 郭子儀は、党項と吐谷渾の部落を塩州・慶州などの州に分散させて住まわせた。それらの地と吐蕃が非常に近く、互いに連合して脅威になりやすかったので、上表して、静辺州都督、夏州・楽容などの六つの府の党項を銀州の北、夏州の東に移動させ、寧朔州の吐谷渾を夏州の西に住まわせて、引き離して唐の脅威にならないよう防いだ。静辺州の大首領、左羽林大将軍の拓拔朝光ら五人の刺史を召して入朝させ、厚く賜わりものを与えて帰還させ、各々の部族を安んじさせた。これより以前、慶州には、破丑氏族が三部族、野利氏族が五部族、把利氏族が一部族おり、おのおの吐蕃と婚姻して互いに援助しあっていたので、吐蕃の賛普は、これらを王とした。このため辺境地帯が乱れること十年餘に及んだ。郭子儀は上表し、工部尚書の路嗣恭を朔方留後、将作少監の梁進用を押党項部落使とし、行慶州を設置させた。さらに郭子儀は「党項は、ひそかに吐蕃と結んで事変を起こそうとしております。ですから党項に使者を派遣し、これを招慰して謀叛の機会を取り除くべきです。また梁進用を慶州刺史に任命し、厳しく警邏させて、党項と吐蕃との交通路を遮断すべきです」と進言した。代宗は、郭子儀の意見をもっともであるとした。また、郭子儀は上表して、静辺、芳池、相興の三州に都督と長史を置き、永平、旭定、清寧、寧保、忠順、静塞、万吉などの七つの州に都督府をそれぞれ置くよう進言した。ここに至り、破丑、野利、把利の三部族と、思楽州の刺史・拓拔乞梅らは、みな入朝し、宜定州刺史の折磨布落、芳池州の野利部は、並びに綏州、延州に移された。 大暦の末、野利禿羅都と吐蕃が結んで叛き、他の部族にも謀叛をけしかけたが、他部族はこれに呼応しなかった。郭子儀が、野利禿羅都を撃って、禿羅都を斬ったので、野利景庭、野利剛は、部族数千人を率いて雞子川において帰順した。六州の部落というのは、野利越詩、野利龍児、野利厥律、児黄、野海、野塞などで、慶州に住んでいるものを東山部と号し、夏州のものを平夏部と号した。永泰年間(765-766)の後、党項は次第に石州に移動したが、その後、永安の将・阿史那思昧による税の取立てが際限なかったので、ついに耐え切れず、党項は河西に逃走した。 元和(806-820)の時、宥州を復置して党項を護ったが、大和年間の中頃になると党項は次第に強盛になり、しばしば国境地帯を略奪した。党項は、武器や防具が鈍くて粗末なので、唐兵の武器の精強さを恐れ、良馬を売っては鎧を買い、良い羊を売っては弓矢を購入した。そこで、党項を危険視した鄜坊道軍糧使の李石が上表し、商人が、軍旗、甲冑、種々の武器を持って党項の部落に入ることを禁止した。もし密告したものがいたら、その密告者に罪人の財産を没収し、褒美として与えた。開成年間(836-840)の末になると、党項部族はいよいよ盛んになり、富裕な商人が絹織物を持ち込み、党項からヒツジ・ウマを買い入れた。藩鎮の役人はそれに便乗して、ヒツジ・ウマを無理やり売らせて代価を与えない事があった。このため党項の部族民は怒り、互いに誘いあって反乱を起こし、霊州、塩州に攻め込んだので道が不通になった。武宗は侍御史を使招定に任じ、三印に分け、邠州、寧州、延州を崔彦曽に属させ、塩州、夏州、長澤を李鄂に属させ、霊武、麟州、勝州を鄭賀に属させて、みなに緋衣と銀魚の印を賜わったが、功を奏さなかった。 宣宗の大中四年(850)、党項が邠州と寧州を略奪したので、鳳翔節度使の李業、河東節度使の李拭に詔して節度している軍勢を併せて、これを討伐するよう命令し、宰相の白敏中を都統となした。宣宗が近苑に出向いたところ、あるものが一本の竹を屋外に植えていた。見ると、その竹は、わずか一尺の高さで、宣宗から百歩ばかり遠ざかっていた。宣宗は矢の命中の成否にことよせて言った。「党羌は、いまや追いつめられた敵だが、窮地に陥りながらも、なお年ごとに唐の辺境を荒らしている。いま私は約束しよう。もし竹まん中に命中することができれば、党項はまさに、おのずから滅びるであろう。命中しなければ、私は天下の兵を求めて党項を殲滅しよう。この賊に子孫を残させないぞ」と。近臣たちが注目するなか、宣宗がひとたび矢を放つと、竹が割れ、矢が貫通したので、近臣らは万歳と叫んだ。一ヶ月もたたないうちに羌は果たして破れ滅び、残党は南山に逃亡した。 初め天宝年間(742-756)の末に、平夏部の族長、拓跋思恭が戦功を上げたので、容州刺史、天柱軍使に抜擢した。拓跋思寂の子孫の拓跋思恭が、咸通年間(860-874)の末に、ひそかに宥州を占領して刺史を自称した。黄巣が長安に侵入したので、拓跋思恭は鄜州刺史の李孝昌とともに壇を築いて犠牲を供え、賊を討伐する事を誓った。僖宗はこれを賢明な行為とし、拓跋思恭を左武衛将軍、権知夏綏銀節度事に任命した。拓跋思恭が、王橋に留まった時に黄巣に打ち破られたが、鄭畋ら四人の節度使とともに盟約して渭橋に駐屯した。中和二年(882)詔して拓跋思恭を京城西面都統、検校司空、同中書門下平章事に任命した。にわかに拓跋思恭を昇進させて、四面都統、権知京兆尹となした。黄巣が平定されると、拓跋思恭に太子太傅を兼ねさせ、夏国公に封じて、李姓を賜わった。嗣襄王李熅の乱が勃発すると、拓跋思恭に詔を下して賊を討伐させたが、軍勢が出撃する前に、拓跋思恭は亡くなった。そこで、思恭の弟の思諫を代わりに定難節度使に任じ、もう一人の弟の思考を保大節度使鄜・坊・丹・翟などの州の観察使、ならびに検校司徒、同中書門下平章事に任命した。王行瑜が抜くと、拓跋思孝を北面招討使に任命し、拓跋思諫を東北面招討使に任じた。拓跋思孝もまた、この反乱によって鄜州を取り、ついに節度使となり、累進して侍中も兼ねたが、年老いたために弟の思敬を推薦して保大軍兵馬留後となし、にわかに節度使となした。 東女国は、蘇伐刺拏瞿咀羅(スヴァルナゴトラ)ともいい、羌族の別種である。西海(インド洋)にも、女の王を戴く国があるので、区別するために「東」をつける。東は吐蕃、党項、茂州(四川省)に接し、西は三波訶国に属し、北には于闐、東南は雅州の羅女蛮、白狼夷に属していた。この国の面積は、東西に九日、南北に二十日行程の広さであった。八十の城を有し、女を君主に戴いている。延川に住み、険しい土地が四方を取り囲んでいた。弱水が南に流れている。人々は革を縫いあわせて船を造った。戸数は四万戸で、勝兵は一万人であった。王のことを「賓就」といい、官のことを「高霸黎」といったが、これは宰相に相当した。外にいる役人は、男子をこれにあてた。およそ号令は女官が内廷から伝え、男の役人がこれを受け取って実行に移した。王の侍女は数百人おり、王は五日に一度、政務をとり行った。王が亡くなると、国人は金銭数万を王族に納め、王族の中から淑女二人を求めて、そのうちの年長者を大王とし、年少者を小王となした。大王が死ぬと、小王を後継ぎに立てた。あるいは、姑が死ぬと嫁がその後を継いだ。王位の簒奪はなかった。住まいはみな重屋で、王は九層、国人は六層であった。王は、青毛の綾のスカート、青色の袍を着用したが、服の袖は地面に引きずった。冬は子羊の皮衣を着用し、文錦で飾った。小さな髪をつくり、耳にはイヤリングをたらした。足には皮靴を履いた。皮靴とは履き物のことである。この国の習俗では、男子を軽んじた。身分の高い女性はみな男を従者として有していた。侍男は、被髪で、顔面を青く塗り、ただ戦争と耕作にのみ努めた。子供は母親の姓に従った。その地は寒く、麦をよく産し、羊馬を牧畜し、黄金を産出した。風俗はだいたい天竺と同じであった。十一月を年始とした。巫者は十月に山中に詣で、酒かすと麦を敷き、まじないを言って鳥の群れを呼ぶ。にわかにやって来る鳥があって、その姿は鶏のようである。その腹を割いて腹の中を見、腹の中に穀物があれば、その年は豊作であるが、そうでなければ災厄が訪れる。それで、この占いの名を鳥といった。三年間喪に服し、衣服を変えず、くしけずる事も沐浴もしなかった。貴人が亡くなると、その皮膚を剥ぎ取り、骨を甕の中に収め、金粉を塗って、墓に埋める。王を葬る際には、殉死するものは数十人に及んだ。 武徳年間(618-626)に、王の湯滂氏が初めて遺使して入貢した。高祖はこれに対して厚く報いたが、西突厥が略奪するので通じることができなくなった。貞観年間中、使者がまたやって来たので、太宗は璽制して使者を慰撫した。顕慶の初め、遣使して、高覇黎の文と王子の三盧を来朝させたので、高宗は彼らに右監門中郎将を授与した。王の歛臂が、大臣を遣わして官号が欲しいと請願したので、則天武后は歛臂を冊立して左玉鈐衛員外将軍を授与し、瑞錦の服を下賜した。天授と開元の間、王と王子が再び来朝したので、玄宗は詔して宰相とともに長安の曲江池で宴をし、王の曳夫を封じて、帰昌王、左金吾衛大将軍となした。後には男子を王となした。 貞元九年(793)、王の湯立悉は、白狗君、及び、哥隣君の董臥庭、浦租君の鄧吉知、南水君の薛尚悉曩、弱水君の董避和、悉董君の湯息賛、清遠君の蘇唐磨、咄覇君の董藐蓬とともに、みなで剣南節度使の韋皋のもとに赴き、唐への内附を希望した。その種族は、西山、弱水に散居し、自ら王を称していたけれども、けだし小さな部落ばかりであった。吐蕃に河西隴右を奪われた後、これらの部落は尽く吐蕃の下に従属した。その部落は数千戸であったが、県令を置き、年ごとに絲(絹と綿)を吐蕃に輸出した。しかし、ここに至り、天宝の時に天子から賜わった詔勅を取り出して、韋皋に献上した。韋皋は、東女の民人を維州、覇州などに住まわせ、牛や糧食を与え、なりわいを治めさせた。湯立悉らが入朝すると、官禄を賜わったが、それには差があった。ここにおいて松州の二万口も踵を接して内附してきた。湯立悉らは刺史を与えられ、みな代々官職を世襲したが、しかし、ひそかに吐蕃に内附したので、これを両面羌と称した。 高昌(トルファン)は長安の西四千余里の所にあり、国土の面積は東西八百里、南北五百里で、およそ二十一の城を有していた。首都の交河城は、漢の車師前王国の王庭があったところである。田地城は戊己校尉の治所である。勝兵は一万いた。土壌は肥沃で、麦、稲は、二毛作であった。高昌には白畳(綿花)という名前の草があった。人々は白畳の花を摘んで織り、布を作った。この国の風俗では、弁髪にし、髪の毛をうしろに垂らした。 高昌の王麴伯雅は、隋の時、皇帝の親族字文氏の娘を妻にした。宇文氏は華容公主と号した。唐の武徳の初め、麴伯雅が亡くなり、息子の文泰が即位し、遣使して伯雅の死を告げたので、高祖は使者に命じて弔問させた。五年後の武徳七年、高昌は、身長が六寸、体長が一尺余の犬を献上した。この犬は、馬の手綱を口にくわえて先導することができ、また燭台を口にくわえることもできた。犬は払菻が原産であると言われ、中国はこれによって初めて払菻狗を有する事になった。 太宗が即位すると、黒狐の皮衣を献上したので、太宗もそのお返しに、妻の宇文氏にかんざしを一つ下賜した。これに対し、宇文氏も太宗に玉盤を献上した。およそ西域諸国の動静は、高昌が、すぐにこれを唐に奏上した。貞観四年(630)、麹文泰が来朝したので、太宗は礼賜を甚だ篤く与えた。また文泰の妻の宇文氏が李王室の皇族になりたいと申し出たので、太宗は詔して宇文氏に姓を賜わり、常楽公主に封じた。 これよりしばらくして麴文泰と西突厥が通好した。西域諸国は朝貢する際に高昌を通過したが、これ以後、使者達はみな麴文泰によって朝貢路を遮られ、唐への献上品を奪い取られた。伊吾(ハミ)は、以前西突厥に臣従していたが、唐に内属したため麴文泰と西突厥の葉護は共謀して伊吾を攻撃した。太宗は詔を下して麴文泰の背信行為を訪問し、高昌の大臣冠軍・阿史那矩を召し寄せて相談しようとしたが、麴文泰は太宗の命令にそむき、阿史那矩を唐には派遣せず、代わりに長史の麴雍を派遣して謝罪した。初め、隋の大業年間の末、中国の多くの民が東突厥に亡命したが、東突厥の頡利可汗が敗北すると、高昌に亡命するものがあった。太宗は詔を下して、中国から高昌に逃亡したものを中国に護送するように命じたが、麴文泰は彼らを高昌に拘留して中国に帰さなかった。また麴文泰は西突厥の乙毘設とともに焉耆の三つの城を撃破し、焉耆の民を捕虜にしたので、焉耆王は太宗に高昌の所業を訴えた。 太宗は、虞部郎中の李道裕を派遣して麴文泰の行状を詰問させた。麴文泰がまた遣使して太宗に謝罪したので、太宗はその使者を引見し叱責して言った。「おまえのあるじ麴文泰は、数年来、朝貢をしてこない。麴文泰には臣下としての礼がない。勝手に官職を設け、中国の百僚を僭称し、まねている。正月には万国の使者達がことごとく来朝したが、麴文泰は来なかった。かつて唐の使節が高昌を訪れたが、麴文泰は唐使に向かって横柄に言った。〝鷹が天に舞えば雉は草むらに隠れる。猫が堂で遊べば鼠は穴の中に逃げて安んじる。おのおの、その適所を得て、どうして心を楽しませないことがあろうか?〟西域の使者達が入貢しようとすると、高昌は、ことごとくこれを拘束する。また麴文泰は薛延陀に遣使して、こう言ったそうだな。〝あなたはすでに自ら可汗になった。唐の天子と同等である。なんで唐の使節に拝謁する必要があろうか?〟朕は来年、軍隊をおこして、なんじの国を虜にする。帰って、なんじのあるじに言うがよい。よく自ら図れ、とな」と。この時、薛延陀の可汗が、唐軍のために教導をしたいと請願してきた。そこで民部尚書の唐倹が薛延陀に行き、可汗とかたく約した。 太宗はまた璽書を下して麴文泰に禍福を示し、入朝を促させたが、麴文泰はついに病気を理由に入朝しなかった。そこで太宗は、侯君集を拝して交河道大総管となし、左屯衛大将軍の薛萬均、薩孤の呉仁をその副官に任命し、契苾何力を葱山道副大総管となし、武術将軍の牛進達を行軍総管に任じて、突厥と契の騎兵数万騎を率いさせて、高昌を討伐させた。群臣は太宗を諫めた。「万里も行軍しては、兵士の志気を得るのは難しい。それに、天界の絶域を得たとしても、これを守りきることはできない」と言って群臣は太宗に諫言したが、太宗は聞き入れなかった。一方、麴文泰は近臣に言った。「昔、私が隋に入朝した時、秦隴の北にある城邑を見たが、荒れていた。隋の時代の比ではない。唐は、いま高昌を討とうとしているが、兵が多ければ兵糧は及ばない。もし唐軍の兵力が三万以下ならば、私はよくこれを制圧する事ができよう。砂漠を渡れば唐軍は疲労し、動きも鈍くなる。気楽に唐軍の疲弊を待ち、横になって敵の疲弊を収めればよいだけだ」と。しかし貞観十四年(640)、麴文泰は唐軍が磧口に達したという事を聞いたとたん、動悸がし、驚きふるえあがって、はかりごとも思い浮かばなくなった。麴文泰は病を発して死んでしまった。息子の麴智盛が即位した。 侯君集は田地城を襲撃し、契苾何力が先鋒部隊となって死に物狂いで戦った。その夜、流れ星が城中に墜ちた。翌日、田地城は陥落し、唐軍は七千余人を捕虜にした。中郎将の辛獠児が軽騎兵を率いて夜間に高昌の都に迫ったので、麴智盛は侯君集に手紙を送って言った。「天子に対して罪を犯したのは先王の文泰です。先王の咎は深く、罪は堆積しています。智盛は位を継いでまだ日が浅い。公よ、どうか私を赦してください」と。しかし、侯君集は答えていった。「よく過ちを悔いるものは、後ろ手に縛って軍門に下るべきだ」と。智盛は答えなかった。唐軍は出撃し、濠を埋め衝車を引き、投石器から飛ばされた石が飛ぶさまは雨のようであった。城内の人々は大いに震撼した。麴智盛は、大将の麴士義に都に留まって町を守護するよう命令した上で、自身は綰曹の麴徳俊とともに唐の軍門を訪れ、改めて天子に仕えたいと懇願した。君集は、麴智盛を降伏させようと考え説得したが、麴智盛の言葉遣いが傲慢だったので、薛万均が急に顔色を変えて立ち上がり、「先に城を奪い取るべきである。小僧と話しても話しにならん」と言って、指揮旗をふるって唐兵に進撃を命令したので、麴智盛は汗を流し地に伏し、「ただ、公の命令に従います」と言い、すぐに降伏した。侯君集は軍を分け、高昌をほぼ平定した。およそ、州の数は三、県の数は五、城は二十二、戸は八千、人口は三万、馬は四千であった。これより前、高昌の人々は童謡をうたっていた。「高昌の兵は霜や雪のようなもの。唐軍は日月のようだ。日月が照れば、霜と雪はほどなく自ら溶けて消滅する」と。麴文泰は戯れ歌を歌い始めたものを捕らえようとしたが、結局、捕まえる事はできなかった。 戦勝報告が長安に届けられると、太宗はたいそう喜び群臣を宴に招いて論功行賞を行った。高昌国の支配下にあった諸都市をゆるし、高昌の地に州県制を設置して、西昌州と号した。しかし、特進の魏徴は太宗を諌めて言った。「陛下が即位なされたとき、高昌は真っ先に朝謁しました。しかしその後、高昌は商胡を劫略し、貢献を遮ったために高昌王は誅殺を加えられました。麴文泰が亡くなり、罪も止まりました。高昌の民を慰撫し、その子を高昌の王に立て、罪を討伐して民を慰める。これが道であります。いま、高昌の地を利して、常時その地に千人の兵を駐屯させ、数年に一度、駐屯兵を変えるならば、辺境に派遣される兵士は、装備や旅費を自弁で用意せねばならず、親戚と離別しなければなりません。十年もたたぬうちに隴西(甘粛省)が空虚になりましょう。陛下は結局、高昌の一粒の穀物、一尺の絹も得ることなく、中国の軍事費の助けとすることもできないでしょう。これこそまさに、有用を捨て無用に力を費やすということです」と。しかし、太宗は魏徴の意見を採用しなかった。西昌州を西州と改め、さらに安西都護府を設置した。一年に千人の兵を徴発し、罪人を送って守備兵にあてたので、黄門侍郎の褚遂良は太宗を諌めていった。「昔は中華を優先して夷狄を後回しにし、徳化を広めるように務めて、遠方のことは争いませんでした。いま高昌は誅滅され、中国の威光は四方の夷狄を動かしました。皇帝の軍隊が初めて征伐してから、河西は労役に駆り出されて、急いで米を運び、まぐさを転送して出撃の準備を整えるので、十軒のうち九軒がそうした仕事に駆り出されて貧困になり、五年たってもいまだに回復しません。いままた年に駐屯兵を送るなら、荷物は万里を行き、辺防のために去るものは、そのための費用と衣装を自分で調達するために、自分の食べ物を売り、はたを売ってまで費用を調達しなければならず、旅の途上で死亡するものも多く、その数は計り知れません。罪人は、法を犯すことに始まり、なりわいを捨てることに終わり、行いに益がありません。派遣した兵士も逃亡し、役人が逮捕して、逮捕者は芋づる式に相次いで牽かれていきます。張掖や酒泉のように、敵襲を知らせる土煙があがり、烽火があがった時に、どうして、それより更に遠い高昌の一車両一兵卒を得て救援を得られましょうか。隴右、河西から微発するだけです。たとえば、中国内地の河西を自分の腹心であるとするならば、外地の高昌は他人の手足のようなものです。どうして中華を消耗させて役に立たない事につかえるのですか。むかし陛下は東突厥の頡利可汗や吐谷渾を平定なされましたが、みな、その故地に君主を推戴しました。罪を犯せばこれを誅し、降伏すればこれを存続させる。これが、多くの蛮族が陛下の御威光を畏れ、陛下の徳を慕う理由です。いま、高昌を治めるべきものを選んで推戴し、首領達を召し出して、ことごとく故国に帰還させ、長く中国の垣根と柱になすべきです。そうすれば中国に乱れはありません」と。褚遂良はこのように言って太宗を諦めたが、この書聞は太宗によって省みられることはなかった。 初め麴文泰は黄金をもって西突厥の欲谷設に篤く贈物をし、危急の際にはお互いに表裏をなして助け合おうと約束していた。そこで、欲谷設は葉護を可汗浮図城に駐屯させた。しかし、君集の軍勢が襲来すると欲谷設は恐れて援軍を出撃させず、ついに降伏した。そこで、太宗は可汗浮図城を庭州とした。焉耆は太宗に高昌に奪われた五つの城を返し、駐屯軍を留まらせて守ってほしいと要請した。 侯君集は石に刻んで功を記させ、長安に凱旋した。麴智盛ら高昌の君臣たちは捕虜として観徳殿に献上された。皇帝による礼をつくした酒宴がとり行われ、三日間宴が開かれた。高昌の豪傑たちを中国に移し、麴智盛に左武衛将軍、金城郡公、弟の麴智湛に右武衛中郎将、天山郡公を拝した。麴氏は、国を伝えること九世代、百三十四年にして滅亡した。 麴智湛は、麟徳年間中に左驍衛大将軍から西州刺史に任じられ、亡くなった。死後、涼州都督を贈られた。麴智湛には、麴昭という息子がいた。麴昭が勉強好きなので、珍しい書物があると、母親は息子のために箱の中からお金を持ち出し、「珍しい本があれば、どうして息子のためにお金を惜しもうか」と言って、書物をことごとく買い求めてやった。麴昭は司膳卿を歴任したが、文章が非常にうまかった。その弟の麴崇裕は武芸にすぐれていたので、永徽年間中に右武衛翊府中郎将に任じられ、交河郡王に封じられた。邑は三千戸に至り鎮軍大将軍で亡くなった。武后は麴崇裕の死を悼んで美しい錦で織った衣服を贈り、弔いのための賜わりものは甚だ篤かった。麴氏の封爵は、麴崇裕の死によって断絶した。 吐谷渾は甘松山の南、洮水の西にあり、南は白蘭を隔てること数千里である。城郭はあるが、国人はその中には住まず、水と草に従って移動する。テントに住み、肉食をする。その国の官職には、長史・司馬・将軍・王・公・僕射・尚書・郎中がある。おそらく中国王朝の官職の制度をまねて、このような行政組織をつくったのであろう。この国の人々は、文字を知っている。王は、椎髷(髪を後ろにたれ、ひとたばねにしたまげ)にして黒い帽子をかぶり、王の妻は錦の袍を着、織り上げたスカートをはき、黄金の花を首に飾った。この国の男性は、裾の長い服を着用し、絹の帽子か、羃羅(べきら)を頭にかぶった。女性は弁髪にし、うしろにたらして珠や貝殻を綴って髪を飾った。この国の婚礼では、裕福な家は盛大な結婚式を行って嫁を娶るが、貧者は婚礼を挙げられないので妻を盗んだ。父親が亡くなると母親以外の父の妻を娶り、兄が死ぬと兄嫁を妻とした。喪服には規定があり、葬礼が終わるとすぐに解除した。民に対して恒常的に課される税金はなく、不足があれば、富裕商人から税を集めとり、不足分が足りれば微税をやめた。およそ、殺人と馬泥棒は死罪になった。その他の罪は、商品を献上させて贖罪させた。その地は非常に寒く、麦、菽(マメ)、栗、蕪菁(カブラ)を産し、仔馬、ヤク、銅、鉄、丹砂を産出した。青海という湖がある。青海湖の周囲は、八、九百里であった。湖の中に山があり、湖が凍結するのを待って、その上に雌馬を放牧する。翌年、仔馬を産む。この仔馬は龍種であった。吐谷渾は、むかし波斯馬を得たが、これを青海のほとりで放牧しておいたところ、驄(青白色の馬)の仔馬を産んだ。この馬は、一日に千里を歩いた。それで、人々は「青海驄」と称した。西北には、流砂が数百里も続いており、夏には熱風が吹き、旅人を傷つけた。熱風が押し寄せてくると、老いた駱駝が首をひいていななき、鼻を砂中にうずめる。人はそれによって砂嵐の到来を察知し、絨毯で鼻と口をおおって、熱風の害から免れた。 隋の時、王の慕容伏允は歩薩鉢をしていた。かつて慕容伏允が中国の辺境地帯に入寇した時、煬帝は鉄を派遣して慕容伏允を撃破した。煬帝は西平に城壁を築き、また観王雄に命じて吐谷渾を破らせた。吐谷渾の王慕容伏允は数十騎を率いて泥嶺に逃亡したが、仙頭王は男女十余万を率いて隋の軍隊に降伏した。煬帝は、吐谷渾の地に郡県と鎮戍を設置した。それから、慕容伏允の長男で、人質として長安に滞在させておいた慕容順を、逃亡した慕容伏允の代わりに王として推戴した。そして吐谷渾の余衆を治めさせるために、にわかに慕容順を故国に帰還させた。一方、慕容伏允は党項に亡命し、客人として滞在していたが、隋末の乱の折、隋の混乱に乗じて故地を回復した。 唐の高祖李淵が受命したとき、慕容順は江都から長安に帰還した。このとき李軌が涼州に拠っていたが、高祖は慕容伏允と和睦を約し、慕容伏允が李軌を撃って唐のために戦ったならば、息子の慕容順を慕容伏允のもとに護送しようと約束した。慕容伏允は喜び、兵を率いて李軌と庫門で戦い、その後、両軍は退却した。それから遣使して慕容順を帰国させてくれるよう請願した。高祖は約束どおり慕容順を吐谷渾に使わした。慕容順が帰国すると、慕容伏允はこれを大寧王となした。 太宗の時、慕容伏允は使者を遣わして入朝させたが、その使者が帰還しないうちに吐谷渾は州に入寇した。太宗は使者を派遣して慕容伏允の非を責め、慕容伏允を召し出そうとしたが、慕容伏允は病を理由に行けないと言い訳した。その上、息子の尊王のために公主の降嫁を請願し、太宗の心を試した。太宗は慕容伏允の子尊王を召して自ら歓迎したが、尊王もまた病気を口実に入朝しなかったので、太宗は詔を下して、尊王への公主の降嫁を中止にした。太宗は、中郎将の康処真を派遣して慕容伏允の説得に向かわせた。また、慕容伏允が岷州を略奪したので、太宗は都督の李道彦を派遣して吐谷渾軍を撃破し、敗走させた。唐軍は名王二人を捕虜とし、首級七百を斬った。慕容伏允は、この後、毎年名王を派遣して入貢した。しかし、にわかに吐谷渾が涼州に入寇してきたので、鄯州刺史の李玄運は「吐谷渾は青海で放牧しています。軽装の兵で、これを襲って取り囲めば、すべてを捕獲できます」と上表した。そこで、太宗は、左驍衛大将軍の段志玄、左驍衛将軍の梁洛仁に命じて、契苾・党項の兵を率いて吐谷渾を征伐させた。しかし、三十里も行かないうちに、戦いたくなかった段志玄らは陣営を築いて駐屯したので、軍の到来に気づいた吐谷渾は、放牧していた馬を駆って逃走してしまった。副将の李君は、騎兵の精鋭部隊を率いてこれを追撃し、懸水のほとりで後方から襲撃して、吐谷渾の牛羊二万を捕獲して帰還した。 この時、慕容伏允は年老いて政務を取る事ができなかったので、大臣の天柱王が政治を掌握し、太宗の使者、鴻臚丞・趙徳楷を拘束した。太宗は使者を派遣して勅命を与えること十回に及んだが、吐谷渾からは改悛の言葉は返ってこなかった。貞観九年(635)、太宗は詔し、李靖を西海道行軍大総管に、侯君集を積石道、任城王の李道宗を鄯善道、李道彦を赤水道、李大亮を且末道、高甑生を塩澤道の各々行軍総管に任命し、突厥、契芯の兵を率いて吐谷渾を討伐させた。党項に内属する羌族と、洮州羌は、みな刺史を殺害して慕容伏允に帰順した。夏四月、李道宗が慕容伏允を庫山で撃破し、捕虜・斬首は四百に及んだ。慕容伏允は、砂漠に唐軍を誘き寄せようと謀り、野草を焼いたので、李靖の軍馬は食糧がなくなって多くが飢餓に苦しんだ。そのため対策を講じて李道宗は言った。「柏海は河源に近いので、昔からここに至ったものはいまだいない。慕容伏允は西に逃走したというが、その所在は今もって不明である。我が軍の馬は痩せ衰え、食糧も欠乏している。遠方に軍を進めることは難しい。鄯州に駐屯して、馬が元気になってから、再度、吐谷渾征伐を図った方がよい」と。しかし侯君集は、「それはいけない。かつて段志玄が鄯州に至った時、吐谷渾の兵は即座に城に拠った。吐谷渾の力はまだ健在であり、むしろ民衆は命令に従った。しかしいま吐谷渾は大敗し、斥候もいない。君臣も失われた。我らは吐谷渾の難に乗じ、吐谷渾討滅という志を全うすべきである。柏海は遠いが、将兵を鼓舞して到達すべきである」と。李靖は「よし」と言うと、唐軍を二分し、李靖が李大亮、薛万均とともに一軍を率いて北に赴き、その右から出、侯君集と李道宗が一軍を率いて南に赴いて、左から出ることになった。李靖の将、薩孤呉仁は、軽騎兵を率いて曼都山で戦い、名王を斬り殺して、斬首五百級を得た。諸将は、牛心堆、赤水源で戦い、敵将の南昌王の慕容孝を捕縛して、雑畜数万を捕獲した。侯君集と李道宗は、漢哭山に登り、烏海で戦って名王の梁屈葱を捕縛した。李靖は、天柱部落を赤海で破り、雑畜二十万を捕獲した。李大亮は、名王二十人を捕虜とし、雑畜五万を捕獲して、且末の西に軍を宿営した。慕容伏允は図倫磧に逃走し、于闐に逃亡しようと図ったが、薛万均は騎兵の精鋭を率いて逃げる慕容伏允を数百里にわたって追跡し、慕容伏允を打ち破った。唐軍の将兵は水が乏しくなったので、馬を刺して、その血を水の代わりに飲んだ。侯君集と李道宗は、空しく荒野二千里を進軍した。盛夏にもかかわらず霜が降り、水草は乏しく、兵士は氷をかゆ(食糧)として食べ、馬は雪をまぐさにして食べた。一ヶ月を経て星宿川に達し、柏梅の上に到達し、積石山を展望し、河源を観望できた。執失思力は、馬を馳せて、吐谷渾の輜重部隊を打ち破った。両軍は、大非川、破邏真谷で遭遇した。 慕容伏允の息子慕容順は隋に人質に出され、金紫光禄大夫に任命されていた。長男の順が人質として中国にいたので、慕容伏允は、慕容順の弟を太子にした。慕容順は帰国したが、弟に太子の位を奪われたために常に快々として楽しまなかった。慕容順は位を失ったので、功績を上げて皇帝と結びたいと希望していた。そこで、天柱王を斬り、国を挙げて唐に降伏した。慕容伏允は恐れ、千余騎を率いて磧(ゴビ砂漠)中を遁走した。しかし従う兵士達が慕容伏允を見限って次第に逃亡していったので、付き従う従者はわずか百騎だけとなり、慕容伏允の無聊は極まり、遂に自ら縊れて死んだ。国人達は慕容順を立てて吐谷渾王となし、臣を称して唐に帰順した。太宗は詔して、慕容順を西平郡王に封じ、趙胡呂烏甘豆可汗と号した。太宗は、吐谷渾がまだ十分に安定していない事を恐れ、李大亮に精鋭部隊を率いさせて、かの国に駐屯して守らせた。 慕容順が長い間、人質として中国に滞在していたために、国人達は慕容順になつかず、慕容順は臣下によって殺されてしまった。国人は、慕容順の息子、燕王の慕容諾曷鉢を擁立した。慕容諾曷鉢はまだ幼く、大臣達は権力闘争をした。太宗は侯君集に詔し、吐谷渾王のそばに付いて国を統治させたので、慕容諾曷鉢は、初めて太宗に向かって、唐の暦を分けて欲しいこと、子弟を唐に入侍させたいことを請願した。また、詔して慕容諾曷鉢を河源郡王に封じ、烏地也抜勒豆可汗とさせた。また、淮陽郡王の李道明を派遣し、節を持たせ詔書を下して、慕容諾曷鉢に鼓纛(太鼓と旗)を賜わった。慕容諾曷鉢は自ら入朝して感謝し、公主の降嫁を懇願して、馬牛羊を万匹献上した。慕容諾曷鉢が毎年入朝したので、太宗は宗室の女を弘化公主となして慕容諾曷鉢の妻とし、李道明と右武衛将軍の慕容宝に詔して、節を持って公主を吐谷渾まで送らせた。しかし吐谷渾では大臣の宣王が跋扈しており、反乱を謀って、公主を襲撃し、慕容諾曷鉢を掠め取って吐蕃に出奔しようと画策した。慕容諾曷鉢はこれを察知し、軽騎兵を率いて城に逃走した。威信王は兵を率いて慕容諾曷鉢を迎え、果毅都尉の席君買が兵を率いて威信王とともに、宣王を討伐し、兄弟三人を斬ったので、吐谷渾は大いに乱れた。太宗はまた、民部尚書の唐倹と中書舎人の馬周に詔し、節を持して吐谷渾人を慰撫した。 高宗が即位すると、公主が嫁いでいる縁故で慕容諾曷鉢は駙馬都尉を拝した。吐谷渾が名馬を献上したので、高宗が馬の種性をたずねたところ、使者はこたえて「吐谷渾で最良の馬です」と言った。高宗は「良馬は人々の惜しむものである」と言い、その馬を吐谷渾に返すよう詔を下した。弘化公主が表して入朝したいと請願したので、高宗は左驍衛将軍の鮮于匡済を派遣して公主を迎えに行かせた。十一月、慕容諾曷鉢が長安に到着したので、高宗は宗室の女、金城公主を、慕容諾曷鉢の長男の慕容蘇度摸末の妻とし、慕容蘇度摸末に左領軍衛大将軍を拝した。しかし、しばらくして慕容蘇度摸末が亡くなった。そこで弘化公主は、次男の右武衛大将軍・梁漢王・慕容闥盧摸末とともに来朝して、婚姻を請願した。高宗は、宗室の女金明公主を慕容闥盧摸末の妻とした。すでに吐谷渾と吐蕃は互いに攻めあい、高宗に上書して、お互いの善悪を訴えて唐に援軍を要請したが、高宗は双方に対して援軍派遣を許さなかった。吐谷渾の大臣・素和貴が吐蕃に亡命し、吐谷渾の内情を告げたので、吐蕃は出兵し、不意を衝いて吐谷渾の軍勢を黄河のほとりで打ち破った。慕容諾曷鉢は国を保ちきれず、弘化公主とともに数千帳を率いて涼州に逃走した。高宗は、左武衛大将軍の蘇定方を安集大使に任命して派遣し、両国の怨みを静めさせようとした。しかし吐蕃はついに吐谷渾の地を領有した。 慕容諾曷鉢は、唐の国内に移住したいと請願した。乾封初め(666年頃)、高宗は改めて慕容諾曷鉢を青海国王に封じた。高宗は、慕容諾曷鉢の率いる吐谷暉の部衆を涼州の南山に移住させたいと考えたが、群臣の議論は意見が一致せず、高宗も南山への移住は難しいと考えた。咸亨元年(670)、高宗は右威衛大将軍の薛仁貴を邏娑道行軍大総管、左衛員外大将軍の阿史那道真と、左衛将軍の郭待封を副将となし、五万の兵を統率して吐蕃を征伐させ、あわせて慕容諾曷鉢を吐谷渾の故地に帰らせようとした。しかし唐軍は大非川で敗北し、吐谷暉の地はすべて吐蕃に掌握される事となった。慕容諾曷鉢は、親近のもの数千帳とともに辛うじて逃れた。咸亨三年(672)、慕容諾曷鉢は浩亹水の南に移動した。慕容諾曷鉢は、吐蕃が強盛である事、自力では吐蕃に抵抗できない事、鄯州の土地が狭い事などが理由で、また霊州に移動した。高宗は慕容諾曷鉢のために安楽州を設置し、慕容諾曷鉢に刺史を拝して、安らかに、かつ楽しく暮らせるようにと願った。 慕容諾曷鉢が亡くなると息子の慕容忠が立ち、慕容忠が亡くなると子供の慕容宣超が立った。聖暦三年(663)、慕容宣超に左豹韜員外大将軍を拝し、かつての可汗号を襲名させた。吐谷渾の、慕容諾曷鉢が統率する以外の部族は、涼州、甘州、粛州、瓜州、沙州などの州に行って投降した。宰相の張錫と、右武衛大将軍の唐休璟が議論して、これらの吐谷渾人を秦州、隴州、豊州、霊州の間に移住させるようにと言った。この地から吐谷渾を離れさせることはできなかった。涼州都督の郭元振は、次のように言った。「吐谷渾が、秦州、隴州に近づけば、監牧と雑居してしまい問題である。彼らを豊州や霊州に置いても、また突厥の勢力に近くなり、それに取り込まれやすい。仮に、彼らを中華の地に住まわせても、その習性を変えることはできないだろう。かつて王孝傑は、河源軍から耽爾乙句貴を霊州に移住させたが、耽爾乙句貴は抜いて牧坊に侵入し、群馬を略奪して州県を痛めつけた。これすなわち、異民族を中国の地に移して利益のなかったことの証拠である。また、かつて吐谷渾の大臣・素和貴が謀反して去ったが、これは唐にとって損害ではなかった。ただ吐谷暉の数十の部落が失われただけであった。どうして、耽爾乙句貴の場合と比較しないのか。いま降伏している異民族は、無理やり服従させたのではない。みな吐蕃の弓矢や刃をかいくぐり、吐蕃を捨てて来朝した。その事情に従って、これを制するべきである。甘州、粛州、瓜州、沙州に降伏したものは、その場所に置き、投降したところに住まわせれば、彼らの気持ちも安心しやすい。数州を割けば、力はおのずから分散する。彼らの気持ちに順じて、その勢力を分散すれば、人民を乱すことはない。よく夷狄の心を掌握するものと言うべきである。毎年しずめとどめるための使者を派遣して、慕容宣超の兄弟と撫護すれば、互いに侵攻略奪する事もなく、なりわいがしっかり安定する。もし叛き去るものが仮にあったとしても、中国に損害はない」と。高宗は郭元振の意見を採用した。慕容宣超が亡くなると、息子の慕容曦皓が後を継いで立った。慕容曦皓が死ぬと、息子の慕容兆が立った。吐蕃がまた安楽州を奪い取ったので、吐谷渾の残りの部族は朔方と河東に移住した。吐谷渾の名称を訛って「退渾」とした。 貞元十四年(798)、朔方節度副使、左金吾衛大将軍の慕容復を長楽都督、青海国王となし、可汗号を襲名させた。慕容復が亡くなると、後を継承するものが途絶えた。吐谷渾は、西晋の永嘉年間(307-313)から国があったが、龍朔三年(663)に吐蕃によってその地を奪われるに至って、およそ三五〇年、ここに及んで、封じる後継者が断絶した。 焉耆(カラシャール)国は、長安の西七千餘里の所にあり、東西六百里、南北四百里であった。東は高昌、西は亀茲、南は尉犂、北は烏孫であった。水路を造って田に水を注いで灌漑した。その土地は、黍、葡萄をよく産し、魚と塩の利もあった。この国の風俗は、髪を切り落とし、毛織物を着た。戸数は四千、勝兵の数は二千で、常に西突厥に役属していた。この国の風俗は娯楽を好んだ。二月には三日間、野に出て祀った。四月十五日、林で遊んだ。七月七日には祖先を祀った。十月十五日には焉耆王が初めて出遊した。一年が終わると祀りも全て終わった。 太宗の貞観六年(632)、焉耆の王、龍突騎支が初めて遺使来朝した。隋末の乱以来、磧路が塞がったので、西域諸国の朝貢はみな高昌を経由した。龍突騎支は、大磧道(大砂漠の道)を開通して旅人のために交通の便をよくしたいと請願したので、太宗はこれを許した。高昌は怒り、焉耆の周辺を大々的に略奪した。西突厥の莫賀設は、咄陸・弩失畢と仲が悪く、焉耆に逃亡してきたので、咄陸と弩失畢もまた焉耆を攻めた。そこで、龍突騎支は遺使して太宗に状況を告げ、あわせて名馬を献上した。莫賀設の次男が咥利失可汗として即位すると、焉耆とはもともと仲が良かったので、頼りとなって支援した。貞観十二年(638)、処月・処密が高昌とともに焉耆の五つの城を攻め落とし、千五百人を略奪して家を焼いた。侯君集が高昌を討伐しようとし、焉耆に使者を派遣して、焉耆と連合して高昌討伐を行ないたいと言ったので、龍突騎支は喜び、兵を率いて唐軍を支援した。高昌が唐軍に敗北すると、高昌に捕えていた焉耆の捕虜と城を焉耆に返した。焉耆は改めて唐に使者を派遣して謝恩した。 西突厥の重臣屈利啜は、弟のために龍突騎支の娘を娶った。そのため、屈利啜と龍突騎支は互いに約束して持ちつ持たれつの関係となり、龍突騎支は朝貢しなくなった。そこで安西都護の郭孝恪は太宗に焉耆討伐を請願した。たまたま焉耆王の弟の頡鼻・栗婆準・葉護ら三人が来降したので、太宗は、郭孝恪を西州道総管に任命し、軍勢を率いて銀山道から出撃して栗婆準らを道案内として焉耆を攻めるよう命令した。もともと焉耆は都にした場所の周囲三十里が四面すべて大きな山に囲まれ、海水もその外をめぐっていたので、焉耆はこの自然の要害を頼んで恐れることがなかった。郭孝格は、焉耆に向かって倍速で進軍すると、海水を船で渡り、夜のうちに、城壁の物見垣に近づき、夜明け方、大騒音とともに城壁を登った。唐軍の太鼓と角笛が轟き渡り、兵士が攻撃をしかけたので焉耆の人々は混乱して敗北し、千余人の首級が斬られて、龍突騎支は捕らえられた。唐は、栗婆準に政務を取らせた。初め、太宗は近臣に語っていった。「郭孝恪は八月十一日に焉耆に行った。二旬(二十日)で焉耆に到着し、二十二日目に焉耆を落城させるであろう。まもなく焉耆からの使者がやって来よう」と太宗が近臣に推測を語っていたところ、にわかに焉耆からの飛脚が駆け込んできて、戦勝報告を届けた。龍突騎支と、その妻子は捕らえられて洛陽に護送された。太宗の詔があって、彼らの罪は赦された。 屈利啜は軍勢を派遣して焉耆を救おうとしたが、屈利啜が焉耆に着いた時には、郭孝恪が帰還してすでに三日たっていた。屈利啜は栗婆準を捕らえ、さらに吐屯を派遣して王の代行をさせた。焉耆は唐に遺使して、この状況を告げた。太宗が「焉耆は我々が降伏させた。なんじがどうして王になったのか」と言ったので、吐屯は恐れ、焉耆の王になることができなかった。焉耆は、唐の立てた栗婆準を再び推戴したが、従兄の薛婆阿那支は自ら王となって瞎干と号し、栗婆準を捕らえて亀茲に献上した。亀茲は栗婆準を殺害した。阿史那社尓が亀茲を攻撃すると薛婆阿那支は亀茲に逃走し、東の国境地帯に城壁を築いて唐軍に抵抗した。しかし、阿史那社尓に捕らえられた。阿史那社尓は薛婆阿那支の罪を数え上げると、斬り殺して示しをつけた。龍突騎支の弟婆伽利を王となし、焉耆の地を焉耆都督府となした。 婆伽利が亡くなると、国人は前王の龍突騎支を返して欲しいと請願したので、高宗はこれを許し、龍突騎支に左衛大将軍を拝して帰国させた。龍突騎支が死ぬと、龍嬾突が即位した。武后の長安年間、焉耆の国が小さく人口も少ないので、焉耆は、この国を通過する使者や客人をもてなす労力に耐えられなかった。そこで武后は四鎮経略使に詔し、私馬を無料で微発すること、無品官のものが焉耆で肉食することを禁止した。開元七年(719)、龍嬾突が亡くなり、焉吐払延が即位した。ここにおいて、十姓可汗は砕葉に住むことを請願した。安西節度使の湯嘉恵は上表し、焉耆に四鎮を備えさせようとした。そこで玄宗は、焉耆、亀茲、疏勒、于闐に詔して、西域の商人に課税させた。諸国はそれぞれ通行税を徴収した北道を経由していた商人に対しては輪台で税をとった。焉耆は天宝年間まで常に朝貢した。 亀茲(クチャ)は、丘茲とも、屈茲ともいう。東に長安をへだてること七千余里であった。焉耆より西南に徒歩で二百里の距離であり、小山を越え大河二つを経て、さらに徒歩七百余里行って亀茲に到着する。東西の幅は千里、南北は六百里であった。その土地は、麻、麦、秔稲、葡萄をよく産し、黄金も産出した。その国の風俗は、歌と音楽、横書きの書をよくし、仏教を尊んだ。子供が生まれると、木で首をしめつけた。その国の風俗は断髪で、首のところでそろえた。ただ君主だけは髪を切らなかった。王の姓は白氏で、伊邏盧城に住んでいた。北は阿羯田山に守られていた。この山はまた白山ともいった。常に火を有していた。王は錦の帽子を頭にかぶり、錦の袍と宝石をちりばめた帯を着用した。新年の初めに羊と馬と駱駝を七日間戦わせる儀式があった。その勝負を観戦して家畜の繁殖を占った。パミール高原以東の風俗は淫行を喜んだので、亀茲と于闐は娼館を置き、売り上げ金を税として政府に納めていた。 高祖が隋から禅譲された時、亀茲王の蘇伐勃駃(スワルナプスパ)は使者を派遣して入させた。蘇伐勃駃が死ぬと、息子の蘇伐畳(スワルナデーヴァ)が即位し、時健莫賀俟利発と号した。貞観四年(630)、蘇伐畳が馬を献上したので、太宗は璽書を賜い、慰撫して等級を加えた。この後、亀茲は西突厥に臣従した。郭孝恪が焉耆を討伐した時、亀茲は軍勢を派遣して焉耆を支援したので、これ以後、亀茲は朝貢しなくなった。 蘇伐畳が死ぬと、弟の訶黎布失畢(ハリプスパ)が即位した。貞観二十一年(647)、亀茲は二度、遣使朝貢したが、太宗は亀茲が焉耆の反乱を支援した事に怒り、亀茲討伐を議した。この夜、月が昴を食したので、太宗は詔していった。「月は陰の気であるから、これは刑罰を用いる兆しである。星は胡の運命を決める。胡(亀茲)の命運は、いままさに終わろうとしている」と。そこで太宗は阿史那社尓を崑丘道行軍大総管に任命し、契苾何力を副官となして、安西都護の郭孝恪、司農卿の楊弘礼、左武衛将軍の李海岸らを統率させて、鉄勒十三部族の兵十万を出動させて亀茲を討たせた。阿史那社尓は軍勢を五つに分け、亀茲の北方を略奪して、焉耆王の龍阿那支を捕らえたので、亀茲は非常に恐れ、酋長達はみな城を捨てて逃走した。阿史那社尓は磧石に至った。ここは亀茲の王城から三百里の場所であった。先に伊州刺史の韓威を派遣して、騎兵一千先鋒とした。右驍衛将軍の曹継叔がこれに次いだ。多褐に至り、亀茲王と遭遇し、亀茲の将軍の羯獵顛の兵五万と合戦した。韓威が偽って敗走した。亀茲王は、韓威の兵力が少ないのを見ると、指図旗で合図して軍を進め、韓威を追跡した。韓威は退却すると曹継叔と合流し、戻ってきて亀茲の軍勢と戦った。唐軍は亀茲軍を大破すると、逃げる亀茲兵を八十里も追撃した。亀茲王は城壁をめぐらして守ったが、阿史那社尓が城を取り囲もうとしたため、突騎を率いて西へ逃走した。亀茲城はついに陥落した。その後、郭孝恪が亀茲城に守備隊として残った。 沙州刺史の蘇海政、行軍長史の薛万備は、騎兵の精鋭を率いて亀茲王を追いつめること六百里に及んだ。亀茲王の計画は窮まり、撥換城を保とうとした。そこで阿史那社尓は撥換城を包囲した。一ヶ月が経過して亀茲王と将軍の羯獵顛は唐軍に捕らえられた。大臣の那利は夜間に逃亡すると、西突厥と亀茲の国人万余を率いて唐軍と戦った。この戦いで郭孝恪とその息子が戦死した。唐軍は混乱した。倉部郎中の崔義起は募兵して城中で戦い、曹継叔と韓威もこれを支援し、西突厥と亀茲の軍勢を撃破して、三千もの首級を斬った。那利は敗北したが、逃亡したり離散していた者たちを集めて次第に勢力を盛り返し、亀茲に戻って唐軍を襲撃した。しかし曹継叔はこれに乗じて八千もの首級を斬った。那利は逃走したが、その後、亀茲人によって捕らえられ、唐軍に献上された。阿史那社尓は、亀茲の五つの大城を破り、男女数万人を捕虜にした。そして、使者を派遣して小城七百余を諭して降伏させた。西域諸国は震撼し、西突厥と安国の両国は、降伏のしるしに唐軍に兵糧を献上した。阿史那社尓は、亀茲王の弟の葉護を推戴して亀茲の王となし、石に刻んで功績を記した。 戦勝報告が届けられると、太宗は喜び、群臣に向かって、ゆったりとして言った。「そもそも楽しみというものは幾つかの種類がある。朕はむかし、こう言った事がある。土の城や竹馬を得る事は童子の楽しみである。金翠羅を身に飾る事は婦人の楽しみである。その土地にあるものないものを交易することが商人の楽しみである。高官が高い秩を得る事は士大夫の楽しみである。戦って前に敵がいない事は将帥にとっての楽しみである。四海が安寧で統一されている事は、帝王にとっての楽しみである。だから朕はいま楽しいかな」と。そう言うと太宗は群臣にあまねく酒をすすめた。初め郭孝恪が焉耆を討伐した時、亀茲にいた仏教徒で、よく未来を予言できる人が嘆息して言った。「唐はついに西域を領有した。数年もたたないうちに、わが国もまた滅ぼされるであろう」と。阿史那社尓は、訶黎布失畢・那利・羯獵顛を捕らえて、太廟に献上した。太宗は捕虜達を紫微殿で受け取った。太宗が彼らを責めて言うと、亀茲の君臣はみな頭を地面に打ち付けて身を伏せた。太宗は詔して彼らの罪を赦し、捕虜の身から客人に扱いを改めて鴻臚寺に宿らせ、訶黎布失畢に左武衛中郎将を拝した。初めて亀茲の首都に安西都護を移動し、于闐、砕葉、疏勒を統させて四鎮と号した。 高宗はまた訶黎布失畢を封じて亀茲王となし、那利・羯獵顛とともに帰国させた。これからしばらくして亀茲王が来朝した。那利は、王の妻阿史那と密通したが、王はこれを禁じることができなかった。左右の近臣が王に向かって那利を殺すよう請願したので、これ以後、王は猜疑心を抱くようになった。王と那利の使者がそれぞれ遣使して高宗に状況を報告した。高宗は那利を召してこれを投獄し、王を護衛して亀茲に帰国させた。しかし羯獵顛は王の入国を拒み、使者を西突厥に派遣して阿史那賀魯に降伏した。王はあえて進まず怏々として死去した。高宗は左屯衛大将軍の楊冑に詔して兵を出動させ、羯獵顛を捕らえ、その部党を誅した。そして亀茲の地をもって亀茲都督府となした。さらに訶黎布失畢の息子素稽を王となして、右驍衛大将軍を授け、都督に任じた。この年、安西都護府を亀茲に移動させ、かつて安西都護府があった高昌を西州都督府となした。そして左驍衛大将軍・安西都護の麴智盛を都督に任じた。こうして西域諸国は平定した。高宗は使者を諸国に分散して派遣し、各国の風俗や物産を調査させ、許敬宗と史官に詔して『西域図誌』を撰文させた。 上元年間(674-676)、素稽が銀・頗羅(ガラス)・名馬を献上した。天授三年(692)、亀茲王の延田跌が来朝した。初め、儀風年間(676-679)、吐蕃が焉耆以西を攻撃したので四鎮はみな陥落した。長寿元年(692)、武威道総管の王孝傑が吐蕃を破って四鎮を回復したので、唐は安西都護府を亀茲に置き、三万の駐屯兵を置いて守備を固めた。ここに至り沙磧は荒廃し、民が資金と食糧を供給する事が甚だ苦しくなった。議者は安西の地を放棄するよう請願したが、武后はこれを認めなかった。安西都護には、政務の実績が中国と夷狄の双方において称賛されているものを選んで任命した。武后の時には田揚名、中宗の時には郭元振、開元の時には張孝嵩と杜暹が、各々安西都護を務めた。開元七年(719)、王の白莫苾が死去し、息子の多市が即位して孝節と改名した。開元十八年(730)、孝節は弟の孝義を派遣して来朝させた。 亀茲から六百余里、小さな沙漠を越えると、跋禄迦(バールカー)という小さな国があった。またの名を亟墨といった。漢代の姑墨(アクス)国である。国土は東西六百里、南北三百里であった。風俗と文字は亀茲と同じであったが、言語は少し異なった。目の細かい毛織物を産出した。西に三百里進んで石磧を越えると、凌山(ハン・テングリ)に至る。これはパミールの北の高原である。水は東に流れ、春・夏も山谷には雪が積もっていた。西北に五百里行くと素葉水(スーヤーブ)城に至る。近隣諸国の比国(ソグド)商人が商売のために来て雑居していた。素葉水以西の数十城は、みな君長を立て、西突厥に従属していた。素葉水城より羯霜那国(キシュ)に至る国は、毛織物、皮ごろも、皮や厚地の毛布を着用し、絹布で額を縛っていた。素葉水城の西に四百里進むと千泉に至る。その地はおよそ二百里四方で、南は雪山に面し、三方向には平地が広がっていた。泉や池が多いので千泉と命名した。西突厥の可汗が毎年千泉に避暑にやって来た。そこには鹿の群れが鈴や金属の環を付けられており、人によくなついていた。西におよそ百里進むと呾邏私(タラス)城があり、ここにも近隣諸国の比国(ソグド)商人が雑居していた。小さな城があり、三百余戸あった。この地の人々は、もともとは中国に住んでいたが、突厥に略奪されてきて、この地に住んでいた。彼らはいまでも中国語を話した。西南に二百余里行くと、白水(アクス)城に至る。平原湿潤で、地味は肥えていた。南に五十里進むと笯赤建(ヌージカンド)国があった。国土の広さは千里で肥沃だったので、作物がよく稔り、葡萄をたくさん産した。また二百里行くと石国であった。 疏勒(カシュガル)は佉沙とも言った。国の周囲は五千里で、長安から九千里余離れていた。砂漠が多く土壌は少なかった。疏勒の風俗は詭詐を尊び、子供が生まれると頭を両側から固定して扁平にした。この国の人々は刺青をし、瞳は青色であった。王の姓は裴氏で「阿摩」と自称し、迦師城に住んでいた。西突厥可汗は、娘を疏勒王の妻にしていた。疏勒の勝兵は二千人であった。この国は祆神(ゾロアスター教)を祀っていた。 貞観九年(635)、疏勒王は使者を派遣して名馬を献上し、四年後(639)にもまた朱倶波・甘棠とともに方物を貢いだ。太宗は房玄齡らに言った。「むかし天下を統一して四方の夷狄にも打ち勝ったのは、ただ秦の始皇帝と漢の武帝だけである。朕は三尺の剣を手に四海を定めたので、遠方の狄はおおむね服属した。二君(始皇帝と武帝)に劣らない功績である。しかし二君の末路は自らを保つことができなかった。公らは、よろしく互いに補弼しあって、へつらいの言葉を進めて危機存亡の状態に置かないでくれ」と。儀鳳年間(676-678)に吐蕃が疏勒を打ち破った。開元十六年(728)、初めて大理正の喬夢松に鴻臚少卿を兼務させて疏勒に派遣し、疏勒の君主安定を冊立して疏勒王となした。天宝十二載(753)、首領の裴国良が来朝したので折衝都尉を授け、紫袍と金魚を下賜した。 朱倶波(カルガリク)は、またの名を朱倶槃といい、漢の時の子合国であった。西夜・蒲犂・依耐・得若の四つの種族を併合していた。于闐の西千里、パミールの北三百里、西は喝盤陀、北に九百里行くと疏勒、南に三千里進むと女国であった。勝兵の数は二千人であった。浮層の法(仏教)を尊び、文字は婆羅門と同じであった。 甘棠は、海の南にあり、崑崙人であった。 喝盤陀(タシュクルガン)は、漢陀とも渇館檀とも言い、また渇羅陀とも言った。疏勒の西南より剣末谷に入り、不忍領を六百里進めばその国に至る。瓜州を隔てること四千五百里であり、朱倶波の西に隣接し、南は懸度山で隔てられ、北は疏勒、西は護密(ワハン)、西北は判汗国(フェルガナ)と境を接していた。王の治所はパミール高原の山中に存在した。都城の背後には徒多河(ヤルカンド川)が流れていた。勝兵の数は千人であった。その国の王はもともと疏勒人であり、代々王位を継承して王となった。西南には頭痛山があった。パミールはこの国の人々によって極嶷山と呼ばれ、喝盤陀の周囲を取り囲んでいた。この国の人々は強くて荒々しく、容貌と言語は于闐と同じであった。喝盤陀の法律においては、殺人と盗みを犯した者は死刑であり、それ以外の犯罪者は罪を金銭で贖った。租税として必ず服飾を納めた。王は金の長椅子に座った。北魏の太武帝の太延年間(435-439)に初めて中国に通好した。貞観九年(635)、使者を派遣して来朝させた。開元中に唐は喝盤陀を打ち破り、その地に葱嶺守捉を設置した。これが安西都護府の最果ての辺境守備隊であった。 于闐(ホータン)は、瞿薩旦那とも言い、また渙那とも屈丹とも言った。于闐の事を北狄は于遁と呼び、諸胡(ソグド人)は豁旦と呼んだ。長安を隔てること九千七百里、瓜州から四千余里離れていた。漢の戎盧・杆彌・渠勒・皮山の五国の故地を併合していた。王の居城を西山城と言い、勝兵四千人であった。この国には玉河があり、国人は夜、月の光がひときわ明るく反射するところを見て、必ず美玉を探し当てることができた。王は絵の描かれた部屋に住んでいた。人々は習性として、策略に長け、大言壮語を好んだ。また祅神(ゾロアスター教)や仏法に喜んでつかえた。しかし態度は恭しく謹直で、面会する時はみな跪いた。この国では木で筆を作り、玉で印鑑を作った。国人は書簡を得るとまず首に戴き、それから書を開封した。漢の武帝の時以来の中国の詔書や符節は、于闐の王が代々伝授して受け継いでいた。人々は歌舞を喜び、紡績に巧みであった。西には砂漠があり、その砂漠に住む鼠の大きさは蝟(ハリネズミ)と同じで、色は黄金であった。鼠の群れの長が穴から出入りする時、鼠の群れが従った。初め于闐には桑や蚕がなかったので、隣国にこれを乞うたが、隣国は桑蚕を于闐に輸出してくれなかった。そこで于闐王は隣国に求婚した。隣国が結婚を許したので、于闐王は花嫁を迎える際、花嫁に告げて言った。「わが国には絹がないので、自国から蚕を持ってきて自ら衣服を作るように」と。花嫁はこれを聞くと、綿の帽子の中に蚕を入れて関所を越えたので、関所役人もあえてこれを調べなかった。これ以後、于闐は初めて蚕を有することになった。花嫁は石の上に「蚕を殺してはならない。蚕が蛾となり、飛び去って初めてを処理してよい」という約定を刻ませた。 于闐王の姓は尉遅氏で、名は屋密と言った。もともとは西突厥の臣下であったが、貞観六年(622)、使者を派遣して入献させた。その後三年たって(635)、王は息子を派遣して入侍させた。阿史那社尓が亀茲を平定したので、于闐王の伏闍信は唐を非常に恐れ、息子を派遣して駱駝三百頭を献上した。長史の薛万備は阿史那社尓に向かって「公が亀茲を破ったので西域諸国はみな震え恐れています。願わくば軽装騎兵をお借りして于闐王を拘束し、京師に献上いたしましょう」と言ったので、阿史那社尓はこれを許した。唐の軽騎兵が于闐に到来し、唐の威霊を連ねて天子のもとに入見するよう勧めると、王の伏闍信は使者に従って長安にやって来た。たまたま高宗が即位したので、伏闍信に右衛大将軍を授け、息子の葉護玷に右驍衛将軍を授けて、袍帯と布帛六千段を下賜し、邸宅一区もあわせて授けた。高宗は于闐王をこの邸宅に数ヶ月留まらせてから于聞に帰らせてやった。王は、子弟を留めて宿衛にしてくれるよう高宗に請願した。上元年間(674-676)の初め、于闐王は自ら子弟の酋長や領主七十人を率いて来朝した。伏闍信に吐蕃討伐の功績があったので、高宗は于闐の地に毘沙都督府を設置して十州に分割し、伏闍雄に都督を授けた。伏闍雄が死去すると、武后は、その息子の璥を王に立てた。開元の時、于闐は馬・駱駝・豹を献上した。璥が死ぬと、また尉遅伏師を立てて王となした。尉伏師が死ぬと伏闇達が後を継いだので、唐はその妻の執失を冊立して妃となした。伏闍達が亡くなると尉遅珪が王位を継承したので、妻の馬を妃とした。尉遅珪が死ぬと息子の勝が即位した。至徳年間(756-758)初めは軍を率いて国を救うために赴こうと考え、宿衛として留まりたいと請願した。乾元三年(760)、勝は弟の左監門衛率葉護の曜を大僕員外卿、同四鎮節度副使、権知本国事となした。詳細は、勝の伝に記されている。 于闐の東三百里の所に建徳力河があり、七百里の所に精絶国があった。建徳力河の東には汗弥があった。汗弥の王は、達徳力城(ダンダン・ウィリク)に住んでいた。達徳力城はまた拘弥城と言った。達徳力城というのは即ち寧弥の故城である。みな小国であった。 初め徳宗が即位した時、内給事の朱如玉を安西に派遣して于闐の玉を求めさせた。朱如玉は、圭一つ、珂佩五つ、枕一つ、帯胯三百、簪四十、奩三十、釧十、杵三、瑟瑟百斤、その他の珍宝などを得た。しかし朱如玉は帰国するに当たり、回紇人の領地を通過した時に回紇人に玉を奪われたと嘘を言った。久しくして事は露見し、市場で売られていた玉が得られたので、朱如玉は恩州に流刑となり、死んだ。 天竺(インド)国は漢の身毒国のことである。あるいは摩伽陀(マガダ)とも婆羅門ともいった。長安を去ること九千六百里で西域都護の治所からは二千八百里離れていた。パミールの南に位置し、その周囲は三万里であった。東・西・南・北・中の五つの天竺に分かれていた。各国は数百の城邑を有していた。南天竺は海(インド洋)にせまり、師子(ライオン)・豹(ヒョウ)・駱駝・犀・象・火斉・琅玕・氷砂糖・黒塩を産した。北天竺は雪山(ヒマラヤ山脈)によって隔てられており、山が壁のように取り巻いており、ただ南には出口があり、その谷あいを国の門戸となした。東天竺は海のほとりにあり、扶南・林邑に隣接していた。西天竺は罽賓(カピーシー)・波斯(ペルシア)と隣接していた。中天竺は四つの天竺国が会するところに位置した。都城は茶鎛和羅城(パータリプトラ)といい、迦毘黎(ガンジス)河の河岸にあった。都城以外の城が数百もあり、みな長を置いていた。また別の独立国が数十あり、そこには王を置いていた。舎衛(シュラーヴァスティー)といい、迦没路(カーマルーパ)といい、その国の戸口はみな東に向いていた。迦尸国(カーシー)というのはまた波羅奈ともいい、波羅那斯(ヴァーラーナシー)ともいった。中天竺の家畜に、稍割牛という動物がいた。黒色で角は細く、角の長は四尺あまりであった。十日に一度、角を切ってやらないと稍割牛は苦しんで死んでしまう。ある人は、この牛の血を飲むと五百歳まで寿命が延びると言っている。この牛の年も、これくらいであった。 中天竺王の姓は乞利咥(クシャトリヤ)氏で、または刹利ともいった。王は代々中天竺を支配し、簒奪や弑殺はなかった。中天竺の土地は湿気が多くて熱い。稲は一年に四度熟し、長いものは駱駝の体が没するくらいの高さであった。貝歯(子安貝)を貨幣とした。金剛石(ダイヤモンド)・栴檀・鬱金(サフラン)を産し、大秦(ローマ)・扶南・交趾と貿易した。人は裕福に暮らし、戸籍簿と地籍簿がなく、王の領地を耕作するものは税金を納めた。最高の礼としては足をねぶり踵をさすった。家ごとに奇楽を催す伎がいた。王や大臣はみな錦や毛織物を着用した。螺髻(もとどり)を頭のてっぺんで作り、あまった髪の毛は切って巻き髪にした。男性は耳を穿ってイヤリングをたらした。耳に黄金をかけるものもいた。耳たぶの垂れているものを上類とした。素足で過ごし、衣装は白を尊んだ。婦人は首に金・銀・真珠の首飾を飾った。死者は、その亡骸を焼き遺灰をとって卒塔婆を建てた。あるいは遺体は野原や河に遺棄し、鳥獣や魚・亀の餌にした。服喪の期間は定まっていない。謀反を起こしたものは幽閉して殺された。小さな犯罪を犯したものは金銭で罪を贖った。親不孝者は手足を斬り落とし、耳鼻を削ぎ、辺境地帯に移された。文字があり、歩暦(天文測算術)を善くし、「悉曇十二章」を学んだ。貝多羅に筆記して出来事をしるした。これをみだりに梵天法と言った。仏法を尊び、殺生や飲酒をしなかった。国中の所々を指し示して仏の古跡であると言っている。盟誓を信じ、禁呪を伝え、祈って龍を呼び起こすと雲がわき雨が降ると言っている。 隋の煬帝の時、裴矩を派遣して西域諸国と通好させたが、ただ天竺と払菻(ビザンツ)だけが来朝しなかったので煬帝はこれを恨みに思っていた。武徳年間(618-626)に天竺に大乱が起こった。王の尸羅逸多(シーラーディトヤ=ハルシャ・ヴァルダナ)が軍隊を統率して戦うと向かうところ敵なしの状態であった。戦象は鞍をはずさず兵士も甲冑を脱がず、四天竺を討ったので王達はみな北面して臣従した。たまたま唐の仏教僧の玄奘がその国を訪問した時、尸羅逸多はこれを召し謁見して言った。「なんじの国には聖人が出現し、秦王破陣楽という音楽を作ったというが、試みに私のために秦王(太宗)の人となりを話してくれ」と。そこで玄奘は太宗の神の如き武勇について大まかに説明し、太宗が世の乱れを平定し、四方の諸民族がして物を献上している状況を話して聞かせた。尸羅逸多は喜び、「私は東面して唐に朝貢しよう」と言った。貞観十五年(641)、尸羅逸多は自ら摩伽陀王を称して使節を派遣し、太宗に上書した。太宗は雲騎尉の梁懐璥に命じ節を持たせて派遣し、天竺を慰撫せしめた。尸羅逸多は驚き、国人に問うて言った。「いにしえより摩訶震旦(=中国)からの使いが、わが国に来た事があったか」と。みな、こたえて言った。「摩訶震旦からの使者が来た事はありません」と。夷狄は中国の事を摩訶震旦と呼んだのである。尸羅逸多は拝して太宗の詔書を受け、頭の上に勅書を戴いた。そこでまた尸羅逸多は中国使節の帰国に随行させて使者を答礼使として派遣し、唐に朝貢した。これに対し、太宗は衛尉丞の李義表を報使として天竺に遣わした。尸羅逸多は大臣を派遣して李義表を迎えさせ、都から隅まで李義表一行に自由に見学させて、道中で香を焚いて歓迎した。尸羅逸多は群臣を引き連れ、東に顔を向けて太宗からの勅書を受けた。尸羅逸多はまた使者を唐に遣わして、火珠・鬱金・菩提樹を献上した。 貞観二十二年(648)、太宗は右衛率府長史の王玄策を天竺に派遣し、蒋師仁を副使となした。しかし王玄策が天竺に到着する前に尸羅逸多は死去し、天竺国内は乱れて、大臣の帝那伏帝阿羅那順(ティラブクティ・アルジュナ)が自ら即位し、軍隊を発動して王玄策の入国を拒んだ。このとき王玄策に従う騎兵は僅かに数十だったため、唐軍は阿羅那順に勝つことができず、兵士はみな死没し、諸国からの貢物は阿羅那順に略奪されてしまった。王玄策は遁走し、吐蕃の西の辺境地帯に奔走した。王玄策は周辺諸国に檄を飛ばして兵を徴発した。吐蕃は一千の兵を率いて王玄策のもとに至り、泥婆羅(ネパール)は七千騎を率いてやってきた。王玄策は部隊を分けて進軍し、茶鎛和羅城で阿羅那順の軍勢と戦い、三日間の戦いの後に阿羅那順の軍を打ち破って三千の首級を斬った。この戦いでの溺死者は一万人であった。阿羅那順は国を棄てて逃走し、散兵を合わせて再び陣地を築こうとしたが、蒋師仁がこれを生け捕りにした。捕虜にしたもの斬首したものは一千を数えた。阿羅那順の余衆が、王の妻と息子を奉じて乾陀衛江(ガンダキ)で抵抗したが、蒋師仁がこれを撃ち大破した。蒋師仁は王妃・王子を捕らえ、男女一万二千人を捕虜とし、雑畜三万を獲得し、五百八十の城を降した。東天竺の王の尸鳩摩は牛馬三万、兵糧として唐軍に送り、弓・刀・宝の纓絡もともに贈った。また迦没路国は珍奇なものを献上し、地図も献上して、それから太宗に向かって老子の像と道徳経を賜りたいと願した。王は、阿羅那順を捕らえて長安城に連行し太宗に献上した。役人達は王玄策の宗廟に報告した。太宗は「いったい人というものは、耳と目が(音楽と女色)を愛で、口と鼻が匂いと味を愛でる事にばかり耽るようになるのは、敗徳の源である。もしバラモン(=阿羅那順)が、わが使節を略しなければ、捕虜になることがあろうか」と。と言った。太宗は王玄策を抜擢して朝散大夫にした。 王玄策は天竺において道士の那邏邇娑婆寐(ナーラーヤナスヴァーミン)を得た。那邏邇娑婆寐は自ら年齢が二百歳であると言い、不死の術を持っていると称していた。そこで太宗は改めて住まわせ錬金術を治めさせ、兵部尚書の崔教礼に命じてあつく保護監視させた。太宗はまた中国全土に使者を派遣して、もろもろの奇薬や異石を集めさせ、使節を婆羅門の諸国にも派遣して異を収集させた。いわゆる畔茶法水という薬は、石臼の中から生じる。石人の像があり、これを守っている。水には七種類の色があり、熱くなったり冷たくなったりして、金をよく溶かすことができる。人がそれを手にのせると、たちまち爛れてしまう。そこで駱駝の髑髏を使って瓢の中に注ぐ。咀賴羅という名樹があった。その葉に似ており、奥深い山の中に崖にはえていた。その樹の前には巨大な穴を蝮が守っているため、樹のそばに近づくことができない。しかし咀賴羅の業を採取したいものが四角い鏃の矢を放つと、枝はすぐに落ち、鳥の群れがこの枝を運び去ってくれる。枝を銜えたこの鳥を射落とすと、咀賴羅の枝を入手することができた。奇怪なさまは、このようであった。この後、那邏邇娑婆寐の術に効力がなかったため、太宗は詔を出して天竺への帰国を許したが、帰ることができずに長安で亡くなった。高宗の時代、盧伽逸多というものがいた。東天竺の烏茶(ウドラ)の人で、また方術をもって昇進し、懐化大将軍を拝した。 乾封三年(668)、五天竺の使節がすべて来朝した。開元の時、中天竺は使者を三度派遣した。南天竺は一度使節を派遣し、人の言葉をよく語る五色のオウムを献上した。南天竺の王はそれから玄宗に対し、軍隊の応援を求めて大食と吐蕃を討伐したいといい、その軍隊に名をつけて欲しいと請願した。そこで玄宗は詔して懐徳軍の名を賜った。南天竺の使者が「蕃夷はただと帯をもって寵愛のしるしとなします」と言ったので、玄宗は、錦の袍、金で装飾された革帯、魚袋、七事(佩刀・刀子・火石など軍に必須の七つのもの)を賜った。北天竺の使者は一度だけ来朝した。 摩掲它(マガダ)は摩伽陀ともいう。もともと中天竺に属する国であった。周囲は五千里で、その土地は肥沃で農業をよくし、異稲巨粒(異常なイネと巨大な米つぶ)を有した。これを供大人米(大臣にのみ供給する米)といった。王は拘闍掲羅布羅城に住んだ。あるいは倶蘇摩補羅(クスマプラ)といい、波吒釐子城(パタリプトラ)ともいった。その北には伽河(ガンジス)がせまっていた。貞観二十一年(647)、初めて唐に使節を派遣して自ら太宗に通好し、波羅樹(菩提樹)を献上した。この樹は白楊と似ていた。太宗は摩伽陀に使者を派遣し、その国の熬糖法を学ばせた。それから揚州に詔して諸蔗(もろもろのサトウキビ)を献上させ、汁を圧搾して剤のようにさせた。色と味は西域産の砂糖よりも数段まさった。高宗はまた王玄策を派遣して摩訶菩提祠(マハーボディ)に行かせ碑を立てさせた。その後、徳宗は自らの銘をしるして那爛陀祠(ナーランダ寺院)に賜った。 また、那掲(ナガラハーラ)という国があった。これは摩掲它の属国であった。貞観二十年(646)、那揭は使者を派遣して万物を献上した。 烏茶(ウディヤーナ)という国は、烏伏那とも烏萇ともいい、天竺のすぐ南(正しくは西北)にあった。土地の広さは五千里で、東は勃律を隔てること六百里、西は罽賓の四百里のところにあった。山谷が互いに連なり、金・鉄・葡萄・鬱金を産した。稲は毎年熟した。人は物腰が柔らかで媚びへつらい、禁架術(方士の呪術)を善くした。この国には死刑はなく、死罪に相当するものは奥深い山に放置した。疑いのあるものには薬を飲ませ、尿の清濁を見て罪の軽重を決定した。五つの城があり、王は術曹蘖利城に住んだ。この城は瞢掲釐城(ミンゴーラ)ともいい、その東北に達麗羅(ダレル)川があった。この川はかつて烏萇の土地であった。貞観十六年(642)、王の達摩因陀訶斯が使者を派遣して龍涎香を献上したので、太宗は璽書を下して優答した。大食がこの国の東の辺境地帯に接していた。開元中に、大食がしばしば誘ったが、烏萇王と骨咄・倶位の二王は大食の臣下になることを承知しなかった。玄宗は使者を派遣し、王を冊立した。 章求抜国は章掲抜ともいい、もともとは西羌の種族であった。悉立の西南の四山の山中に住み、後に山の西に移住して東天竺と隣接するようになった。その国の衣服は東天竺と似ており、東天竺に属するようになった。そのは八、九百里あまりで兵は二千人、城郭がなく、掠奪を好んだので商旅はこれに悩まされた。貞観二十年(646)、王の羅利多菩伽が悉立国によって使者を派遣して入朝した。王玄策が中天竺を討伐した時、章求抜国の王は援軍を派遣して王玄策を支援し、功績を立てた。それ以来、朝貢は絶えなかった。 悉立国は、ちょうど吐の西南に位置した。戸数は五万戸で、城邑の多くが渓流のそばにあった。男子は絹帯で頭髪を結び、氈褐(毛織物)を着用した。婦人は短いスカートを着た。婚姻に結納がなかった。穀物・豆をよく産した。死者に葬られ、盛り土をし、木を植えて墓をつくることがなかった。この国では人々は黒衣を着用し、丸一年が過ぎると服喪の期間が終わり、黒衣を脱いだ。刑罰には刖(あしきり)と劓(はなそぎ)があった。常に吐蕃に従属した。 罽賓(カピーシー)は、隋の漕国である。罽賓はパミールの南にあり、長安をへだてること一万二千里余であった。罽賓の南三千里のところに舎衛(シュラーヴァスティー)があった。王は修鮮城で統治し、常に大月氏に属していた。その地は暑くて湿気が多く、人々は象に乗り、仏法に従って支配していた。 武徳二年(619)、使者を派遣して朝貢し、宝石で象嵌された玉帯、金の鎖、水晶製の小さな杯、小さな棗のような形をしたガラスを献上した。貞観中には名馬を献上したので、太宗は大臣に詔して言った。「朕が初めて即位した時、あるものが天子というものは兵を輝かして四方の夷狄を屈服させるものであると申したが、ただ魏徴だけは朕に向かって、文徳を修めて中華を安んじるようにと勧めたものである。中華が安んじれば、遠方の異民族も威服するであろう、と。いま天下は大いに安んじ、四方の君主達はみな来献した。これは魏徴の力によるものだ」と。そこで太宗は、果毅の何処羅抜らを派遣して篤く罽賓国に賜わりものを下し、あわせて天竺も慰撫させた。何処羅抜が罽賓に到着すると、罽賓王は東に向き、頭を地につけて再拝した。また部下を遣わして唐の使節一行を天竺まで護衛して道案内させた。貞観十六年(642)、褥特鼠(マングース)を献上してきた。この鼠は鼻がとがっていて尻尾が赤く、ヘビを取って食べた。毒に刺されたものがいると、褥特鼠はこれを嗅いで尿をかけた。すると傷がたちまち治った。 国人はみな罽賓王の始祖は馨孽(ヒンギラ)といい、曷擷支に至るまで十二代にわたって王位が継承されてきたと伝えている。顕慶三年(658)、罽賓の地を修鮮都督府となした。龍朔の初め、罽賓王を修鮮城等十一州諸軍事および脩鮮都督に任命した。開元七年(719)、罽賓は使者を派遣して天文学の書と秘法の奇薬を献上したので、玄宗は罽賓王を葛邏達支特勒に冊立した。のち烏散特勒灑が年老いて息子の払菻婆に後を継がせたいと請願してきたので玄宗はこれを許可した。天宝四載(745)、玄宗は罽賓王の息子の勃匐準を冊立し、罽賓王と烏萇王を継承させた。乾元の初め(758)、罽賓の使者が朝貢してきた。
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鋸星耀平@ビギナーズ王国様からのご依頼品 のこほし初デート ~side Saw~ 「嫁入りしてもいいですか」 後になって考えると、あれほど取り消したい台詞も無い。 うちに帰ってから我に帰った。 枕は10個ボコボコにした。クッションは20個綿に返った。ベッドは真ん中から折れた。 恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうになった。 人間は恐怖によって死ぬことがあるというが、恥ずかしさによっても死ぬのだろう。 真剣にそう思った。 デートの約束はしたけど、したことすら後悔した。 あんなにすぐ話を進めてしまって、本当に良かったんだろうか? 相手にムリをさせていないだろうか? させてしまったらどうしようか? 思いは巡る。さりとて尽きぬ。 ああ、それでも、 それでも、自分はやっぱり彼のことが好きなんだと、 それしかないのだと、 港に着いてる時点で思うのである。 自分だめだなーと思いながらドアの前に立った。 あー、ど、どきどきする……まだ来てないよね…… 30分前だから、着いてるわけは無い。うん。多分。 先に入って座って、ゆっくり待とう。そうすればこの格好にも慣れるだろう。うん。 す、スカートなんか制服以外で久々に着たなぁ。 髪も久々に編んだし……20分もかかっちゃった。 化粧も、うん、そんなにきつくしてない。自然に出来てる。 弁当は……思い出したくない、けど、ちゃんと出来てる。うん。 レジャーシートも用意してる。うん。 って、違う違う。持ち物は心配要らないんだからやらなくていいんだ。 あー、@@(ぐるぐる)ってこういうことを言うんだ。 やっぱり実感しないと分からないもんだなぁ。 ああ、もうそんなことはどうでもいいんだって。 ドアの前でうだうだやっても仕方ない。 よし、入ろう。入って待とう。 この@@も座ってるうちになくなるだろうしね。うん。 そう結論付けると一人で勝手に悩むのをやめて、私はドアを開けた。 げ じゃない、……あ、あれ? 星青玉くんがいる? うわ、わ、いるとは思わなかった。ど、どうしよう。 ていうか、笑ってる?そ、そんなに変なのかなこの格好…… あ、な、何か言ってる。やっぱ変なんだ…… 何か言わないとー、えー、えーと、ご、ごめん! いや、時間とかじゃなくてね……うあ、星青玉くんが笑って近づいてきた。 い、いや、違うの。そうじゃなくてー…… へ、変な格好でごめん!服着替えてくる 逃げるようにそう言うと、私は開けた扉をすぐ閉めた。 い、今から家に帰って着替えを……いや、誰か呼び出して着替えを……よし、これでいこう。 早速手を叩いて部下の名前を呼ぼうと、って、え? 扉の向こうから星青玉くんの声が聞こえた。 ……に、似合ってるって。 ……ほ、本当に? いや、でも、こんな変な格好……私には似合わないよ。 そう言おうと思ってドアを少しだけ開け……て、うわ! び、ビックリしたー。か、顔が近いよ星青玉くん! 前の私なら思わず手が出てた距離だった。文字通り彼を星にするのは忍びない。 ついでに言えば、前の私なら、お祭りの前なら逃げていたかもしれない。 今もちょっと逃げたい。恥ずかしいから。 だから、お世辞、いらないから。 変にお世辞を言われたらどうしても調子に乗ってしまう。 そんなに可愛いわけじゃないからサポートにもなったんだし…… お世辞じゃないって言われたって……似合ってる?……かわいい? 言葉は疑えても、星青玉くんのこの笑顔を見ると、本当なのかなと思ってしまう。 あー、うー、やっぱり恥ずかしいよ。 でも、星青玉くんに褒められるなら……悪くないかな? あ、今日行くところ? ……決めてなかった。 わ、悪い?き、きめてないよ!女の子だもん。 うん、我ながらとっさに出たにしてはいい言葉だ。 デートコースを決めるのは男の子の役割だもんね。 う、うん。何があるでもないけど、うん、歩こう。 星青玉くんが歩き出したのにあわせて自分も歩き出した。 あ、あれ?同じ足と手が前に出る……し、しかも、直らない。 ほ、星青玉くんに見られたらどうしよう……って、隣にいるんだから見られて当然だ。 もっと考えろ自分。あ、顔も熱くなってきた。 え?あ、そ、そんなことないよ! 緊張と聞いて反射的に答えてしまった。 うう、私のことを言ったんじゃ無いじゃないだろうに。 まずい、判断能力も落ちている。ちょっと星青玉くんから離れよう。 まぁ、近づいてきますよねー。 え?手、握る? あ、思考停止してしまった。って、ててててて、手ですか? 顔から火が出てるんじゃないかと思うくらい、頬が熱くなったのを感じた。 は、恥ずかしいよ……で、でも、……星青玉くんとなら……。 うつむいたまま、そっと手を出した。 すぐに手のひらが熱くなった。 一気に心臓が跳ね上がったのを感じた。 こ、これが星青玉くんの温かさ……ほ、星青玉くんが私の手を、手を! ちらっと横目で確認して、それが現実だと認識すると、心拍数はどんどん上がっていった。 ああ……恥ずかしくて死にそう。 恥ずかし死にって心不全で死ぬのかなぁとか、全く関係ないことが出てくるくらい、心臓が痛かった。 は、早くどこかに着かないかなー /*/ 長いこと歩いて海岸に着いた。 まぁ、長いといっても時計を見ると20分くらいしか歩いてないんだけれども。 しかしこの手を繋いでいるという状況を考えると、ホントに長かった…… 何度恥ずかし死にしそうになったことか。 そして今も、別の意味で死にそう…… す、スカートなんか履いてくるんじゃなかったー! 風が強いからばたばたはためくはためく。 に、荷物もって星青玉くんを手を繋いでスカートも押さえる…… ギャングの幹部でも2つが限界なのに3つはムリー! あ、星青玉くんの方向にスカートが…… 見ないでー! ……見られた。絶対に見られた。 目頭がじわっと熱くなってきた。 見た?見た?星青玉くん? ……やっぱり見られた。 でも何でも言うことを聞くって? えっと、じゃあ……キス……はダメダ、恥ずかしスギル。 ぎゅー……も、ダメ。恥ずかしい、帰すより場合によっちゃ恥ずかしい。 うーんと悩んでいるうちに、温かい手を思い出した。 ……めったに会えないんだから、今くらいは、ずっと手を繋いでてもいいよね。 うん。 じゃあ、手を離さない……。 嬉しそうに星青玉くんが了解と言った。 顔が自然とほころぶのが自分でも分かった。 嬉しいのはこっちの方だよ!声に出せないくらい嬉しい! きゅーっと胸の辺りが締まってきた。でも、ぜんぜん辛くない。 これが幸せって言うのかな…… はっ! 息するの忘れてた……げほっげほ。 もう、星青玉くんったら。こういうときは嬉しそうな顔じゃなくて心配そうな顔をしてよー あ、話逸らしたー……まぁ、手は繋いだままだから許してあげよう。 逸らされた話の行方は海にいる人だった。 星青玉くんは寒そうだなーとその人たちを見ている。 でも、今日の気温だと海のほうが、暖かいって。 海から上がったとき?ちゃんと焚き火を用意してるよ。ほら。 星青玉くんに見えるように、そう遠くないところに置かれた一斗缶を指差した。 へぇと感心した様子の星青玉くん。 うわ、波高いなーと驚いてる星青玉くん。 ……なんか、こうして見てると、星青玉くんって表情豊かなんだなー。 んー、カッコイイとはちょっと違うけど、でも、見ていて安心する顔立ちだな。 あ、 急いで海のほうを見た。 あ、危ない。目が合うところだった。 何が危ないって?は、恥ずかしいじゃない! あ、は、話続けないと。 そうだ、焚き火消えないといいねー。 そうだねーと生返事が聞こえる。 話は逸らせたけど……なんか空しい。 見足りない。なんとなくそう思った。 だから、ちょっとだけ星青玉くんのほうを見た。 あ、み、見られてる! もう慣れたと思った顔の火が再点火したようだった。 か、顔を合わせるのがこんなに恥ずかしいなんて。 星青玉くんが心配そうな声をかけてきた。 ああ、うー、そんなに心配させるようなことさせたのかな?いや、しているじゃないか。 は、恥ずかしいから見れないなんて恥ずかしくて言えない。 でも、それ以上に、 やっぱり、星青玉くんの顔をもっとしっかり見たい。 意を決して、もう一度星青玉くんのほうへ向き直った。 う、いきなり目が合った…… やっぱり恥ずかしいよぅ…… 目を逸らしたい衝動と、ずっと見ていたい気持ちの板ばさみの中、顔はどんどん熱くなっていく。 あ、星青玉くんも赤いじゃないか。あー、やっぱり私の顔も赤いんだ。 うん、ごめん、顔見たかった……だって、しばらく会えないかもしれないし。 後ろの方は照れてて言葉にならなったけど。 星青玉くんも照れてたんだねー。おあいこだって。 ちょっとおかしいと思って笑ったけど、笑っちゃったことがまた恥ずかしくなってうつむいた。 あー、もう!どうしてこの恥ずかしさスパイラルはとまらないのかなー と、とにかく、そうだ、お、お昼時だし、お弁当! お弁当持ってきたの! 半分くらい自分で作った! ……い、言えたー。あ、なんか星青玉くんが言ってたみたいだけど、いいや。 え?半分は……半分なんて言わなければ良かった…… 半分はね、お、お母さん…… ……うう、お母さんに手伝ってもらったなんて星青玉くんの前で言うとは……恥ずかしい。 今度は一人で作れるようにって、自分でもそうするつもりだったのー! でもしょうがないもん。だって、初めてだったし…… あー!次は作ってくるって、それじゃ私が、失敗してるみたいじゃない! お、おいしくっても知らないんだから! 半分(以上)はお母さんだからおいしいのは間違いないんだけど…… あー、もう、笑うなー! まったく、ばかにしてー ……ふふっ。 こういう風に話す相手って初めてだ。 今までサポートしてきた人たちも、こんな気分だったのかな。 これは、病み付きになるのも頷ける話だ。 うん、ようやく人の気持ちが分かった気がする。 サポートはもうしないけど。 するとしたら、星青玉くんの人生のサポートだけ。 ……考えるだけでも恥ずかしいって、どんだけだ。 え?許可?あ、食べる準備ね。 うん。許す。 さて、お昼だ。あれは美味くできているかなー。 /*/ 失敗だ…… 欝だ死のうという文面が言葉ではなく心で理解できた。 あまりの衝撃に弁当を返しかけてしまった。 こっちは星青玉くんがどうにかしてくれたけど。 しかし、 お箸を忘れちゃったー! しかも持ってきたのはMy箸の方。 なんたる不覚!は、恥ずかしいったらありゃしない! うはー、どうしよう、どうしよう! こ、コンビニはー、ないか。しょうがない部下を呼びつけて…… 今度こそ手を叩きかけて、星青玉くんの言葉でそれを止めた。 い、いっこを二人で? ……しかもMy箸で? あ、また顔が熱くなってきた。えーと、えーと、それはとりもなおさずか、か、間接ちゅー…… わ、私は……い、いいけど。いやじゃない? 全然って……うあー、いいのか?あ、箸もってかれた。 迷ってるうちに星青玉くんは私に食べさせる気満々のようだ。 え、あ。ちょ 上手く言葉に出来ない私を尻目に星青玉くんはどれがいいかなーどれがいい?と聞いてくる。 ま、マヂですか? あーうーと下を向くと、弁当の中身が目に入った。 ……これの味見するのもいいかなー じゃあ、玉子焼き……お、おっきくてはいらないよ 私がそういうと、星青玉くんが箸で切ってくれた。 そしてあーんと箸を口に近づけてくる。 ……あ、あーん……や、やっぱり、ダメ! 思わず右手が星青玉くんの目に伸びてしまった。目隠ししたまま玉子焼きを食べる。 食べるところは見せられない。……恥ずかしいから。 目が見えないと抗議する星青玉くんをとりあえず、とりあえずね!無視して箸を受け取る。 こ、これでよし。うん……あ、そういえば、 星青玉くんは見てなくても誰かには…… う、うわ、え、あ、ちょ よせばいいのにその様子を思い出して、また顔が赤くなった。 顔が熱い熱い。今日24度っての絶対嘘だ。30度はあるに違いない。 あ、星青玉くんごめん!お、オススメ? え、えーと……た、玉子焼き、食べる? 今味を確認したし、お母さんのお墨付きももらえたやつだから味は確かだ。 あ、でも、これを食べさせたら……か、かかか、か……考えないようにしよう。 よし、覚悟は決まった。玉子焼きを1個挟んで持ち上げる。 あ、ダメだ。手がぷるぷる震える……左手で支えないと。 はい、はい星青玉くん。あ、ああん? う、上手く運べないー。 その様子を見てか、星青玉くんは口を大きく開けてくれた。 これならどうにか……あ、あああ! し、舌が、箸に……箸に、舌が……な、なんか間接キスにしてはな、生々しいというかなんというかー。 あ、星青玉くんも赤くなってる。か、かわいいな。 ん?おいしいって? ……ふふん!どれ見たことか! 大きく息を吸って胸を張る。 えへへ、よかったー。おいしいって言ってくれて。 ねぇ、星青玉くん!ちょー。おいしいでしょ!? /*/ のこほし初デート ~side Star~ 「嫁入りしてもいいですか」 後になって考えると、あれほどものすごい台詞も無い。 うちに帰ってから我に帰った。 自分あんな告白をよく受けたなって言うかその前も大概恥ずかしいセリフを大衆の面前で言えたものだ。 恥ずかしくて恥ずかしくて死にそうになった。 人間は恐怖によって死ぬことがあるというが、恥ずかしさによっても死ぬのだろう。 真剣にそう思った。 デートの約束はしたけど、したことすら後悔した。 あんなにすぐ話を進めてしまって、本当に良かったんだろうか? 相手にムリをさせていないだろうか? させてしまったらどうしようか? 思いは巡る。さりとて尽きぬ。 ああ、それでも、 それでも、自分はやっぱり彼女のことが好きなんだと、 それしかないのだと、 港に行ってる時点で思うのである。 しかも30分も前に。 そして今、彼女と一緒に弁当を食べているこの瞬間も、 確かにこう思うのである。 ああ、やべー俺超幸せ /*/ 「ど、どうしたの?星青玉くん」 「いや、幸せをかみしめていたんだよー。僕にはこんないい彼女がいて幸せだなーって」 その途端真っ赤になるのこさん。ああ、かわいいw さらに幸せとおにぎりをかみしめる。 いや、このおにぎりが最高なんだって。 一つ一つが小ぶりだったが、それがイイ! いや、のこさんが握ったんだなーということが感じられる大きさなのだ。 またちょっといびつなのがなんとも素晴らしい! まだ慣れてないだろうに、一つ一つ頑張ってにぎったんだなというのが感じられる。 ああ、僕のためにこんなことをしてくれるなんて……ああ!なんという幸せ! うんうん、一口食べるたびに涙が出そうになるくらい嬉しいなぁ。 おかげですぐ、満腹になった。 うむ、やはりのこさん(半分はお母さん)が作った弁当はなかなかの味だ。 いや、なかなかなのはのこさんのお母さんが作ったところであって、のこさんの作った分は絶品である。 が、それ以上に、か、かかか、か、間接キスが出来たと言う事実が何より嬉しい。 それはのこさんも同じだった見たいで、しょっちゅう……というか、ずっと顔を赤くしては嬉しそうに笑っていた。 ああもうかわいいったらありゃしない! こんなかわいい彼女ができてぼかぁ本当に幸せだなぁ。 っといかんいかん。食事が終わったらこれを言わないと。 「ご馳走様でした」 「おそまつさまでした」 手を合わせて礼をする自分に合わせてのこさんもお辞儀する。 ああ、やばい、かわいい! って、さっきからそればっかり考えてるなー自分。 いや、実際めちゃくちゃかわいいんだからしょうがない。うん。 「どうしたの?」 「ん?ああ、のこさんがかわいいなーって」 「え、あ、えー」 のこさんはまた真っ赤になった。 うあー、かわいすぎる。 この子が僕の彼女?本当に?夢じゃない? 何度もそう思ってしまう。 それだけ、今が信じられないくらい恵まれてるってことだろう。 ふふふ、ふふふふふ、あ、いかん。思わず笑ってしまった。 っと、おなかも膨れたし、海風がすこし冷たくなってきた。 そろそろ移動した方がいいかなー。 「よし、のこさん。次はどこに行こうか」 「え?わ、私がきめるの?」 「うん!」 ああ、慌てるのこさんもかわいい。 のこさんはどうしようどうしようと悩んで、あ、と手を叩く。 「こ、公園に行かない?」 「公園?」 「う、うん……丘の上にあって、海が見えるの」 「なるほどー、のこさんのオススメならいいところなんだろうねー」 「そ、そんなに大したことは、ないかも」 自信なさそうに縮こまるのこさん。 またかわいいーと笑いそうになるのをこらえる。 だらけた笑みと真面目な笑みは全くの別物ですからな! 「そんなことないと思うよ。それに、のこさんと一緒なら僕はどこでも楽しいよ」 「あ、ありがとう」 のこさんは照れてさらに縮こまった。 あー、もうかわいいって言ってもいいかな。 いやいや、これ以上ちぢこませたら手のひらサイズになってしまう。 ……それはそれでとてもイィ!けど、困ることもあるし、止めておこう。 それに、本当にその公園に行って見るのが楽しみになった。 どんな景色が見られるんだろうか。 純粋な好奇心が自分の中に湧き上がるのを感じた。 よし、思い立ったら即行動!人生超速攻だ! 「さ、のこさん。行こうか」 「……うん!」 僕が出した手を、のこさんが握った。 ひんやりとしたその手をしっかりと握って、僕は歩き出した。 のこさんと同じ速度で。 さて、のこさんの顔はあと何度赤くなるのかな? すっごい楽しみだ! 「まぁ、どんな景色ものこさんにはかなわないけどね」 「ほ、星青玉君くん?」 とりあえず、1回はもうカウントされた。 よーし、目指せ100回! まぁ、僕の顔も同じくらい赤くなるんだけどね。 /*/ 【おまけ】 のこほし初デート ~side ???~ 知恵者は絶望と言うものを久しく感じていた。 いや、今の格好はふりふりエプロンに……顔の描写は避けさせていただく。 とにかく、おかんスタイルであった。 つまり知恵子と呼ぶに相応しい格好である。 閑話休題。 知恵子は自分の娘に関して匙を投げると言うことは、あまりない。 だが、今日だけは、今日のこの日だけは、匙を投げると言うことをしたいと思った。 惨劇の現場と化したキッチンを前にして。 /*/ のこほし初デート ~side ???~ 改め のこほし初デート前夜 ~side 知恵子~ /*/ 惨劇の現場、その中心には二人の人間がいた。 いわずと知れた知恵子と、鋸山信児A、我らがのこさんである。 知恵子はのこさんに請われてM*を……じゃなくて、弁当の作り方を教えていた。 で、惨劇である。 え?間が抜けてるって? ……知恵子さん、いいですか? 「かまわぬ」 満身創痍のところ、ナレーションにも対応ありがとうございます。 話せば長くなるが、ここに至るまでかなりの旅があった。 のこさんが次の日デートだというので弁当を作りたいと請うてきた。 それで、まずメニューを決めるところから始まった。 が、これは難易度がそれほどではないものを知恵子が選択した。 メニューは次の通り。 おにぎり 玉子焼き ウィンナー 昆布巻き ブリの照り焼き エビフライ 上から順に、にぎればいい、焼けばいい、焼けばいい、煮ればいい、焼けばいい、揚げればいい、 と簡単なものが揃っている。 多少包丁を使うこともあるだろうが、限りなく少ないメニューだ。 また、特別技術が必要なのはせいぜい玉子焼きくらいなもので、後はサポートでどうにかなるという類でそろえてある。 明日用意するのはおにぎり玉子焼きとウィンナー。 他は今日用意しても問題ない。ただ玉子焼きだけは練習させる。 うむ、完璧だ。完璧な計画だと知恵子は考えた。 これなら要所要所を自分が押さえておけば失敗することは無い。 隣で手取り足取り教えれば信児の上達にも繋がる。 不安なのは玉子焼きだけだが、これは玉子焼き器の性能がよければ、ぶっちゃけ離れがよければ簡単だ。 よし、これなら信児も安心だ。 知恵子はそう確信した。 これまで立てた計画の中でも1,2を争う完璧さを誇っていたからだ。 そして、早速レッスンを開始した。 のこさんの腕前と言う不安要素を忘れたままで。 まずは時間がかかる、そして放置していても安心な昆布巻きからだった。 昆布を水で戻し、真ん中に巻く鮭を塩抜きして用意した。 鮭を切るときに猫の手にしないできろうとしたのこさんを注意した以外は特に問題ない。 昆布が戻ったら鮭を巻いて、かんぴょうで止める。 のこさんがかんぴょうをまこうとして蝶々結びにしようとしたのを止めた以外に問題はない。 このあたりで気付いておけばよかったと、知恵子は後々後悔することになる。 それは置いておいて、無事固結びにできた昆布を鍋に入れ、ダシでことこと煮込む。 ここまでくればあとは後は放置し、しばらくしてから調味料を入れればよい。 知恵子は安心して次のブリの照り焼きの準備に取り掛かろうとした。 その時である。 ぼわっ! 「うひゃあ?!」 「信児?どうした!」 何かが急激に燃えた音とのこさんの悲鳴。 ほんの少し目を放した隙に何をしたかは気になったが、それよりのこさんの無事が先決だった。 幸い、のこさんには怪我はなかった。 のこさんには。 「……な、鍋が」 昆布巻きを煮ている鍋の隣の鍋が黒焦げになっていた。 …………え?ナレーションしてても分からないんだけど。 ……あー、のこさんの手にみりんがある。 煮切りか。 つまりは、どこかで見た「みりんは煮切る」というのを忠実に実行しようとしたのだ。 そしてあまりの火の勢いにびっくりし、ばごんと燃やしてしまったのだろう。 それをひっくり返してしまい、焦げたと。 知恵子も同じ結論に達したようだ。 「信児……」 「は、はい。ママ」 「みりんは煮切らなくてはならないときと、そうでないときがあるのだ」 「……はい」 「今回は煮立てるから、煮切りの必要はなかったのだ。加熱しないときは煮切るがな」 「…………はい」 叱られてしょんぼりとするのこさん。 流石に言い過ぎたか?と知恵子も思った。 ……フォローの一つくらい、まぁ構わんか。 「……まぁ、煮切りを知っていたのはえらいぞ」 「……ほんと?」 のこさんの顔がぱぁっと明るくなった。 この娘の笑顔を見るとどうしても甘くなってしまうなと思う。 もっと自制せねばな。 さて、と、知恵子が気を取り直す。 ブリの照り焼きを教えなくてはならない。 「さぁ、信児。次の料理だ」 「うん!ママ」 元気よく返事をするのこさん。 それをみてにやりと笑う知恵子。 二人はブリの切り身の準備に取り掛かり始めた。 しかし、知恵子は娘を甘やかすあまり、重大なことに気付いていなかった。 いくらみりんの煮切りに失敗したところで、鍋は黒焦げにならないということを…… この見落としが、後の地獄の始まりだった…… 始まりは、ブリの照り焼きだった。 これは火が強すぎたためにフライパンの照り焼きと化した。 次にエビフライ。 エビの下準備をする段階ですでに20尾ものエビが実験台候補へと変化して行った。 無事生き延びたエビもいたが、完成までたどり着けたのは1尾もいなかった。 のこさんが鍋にエビを入れると、何故か、 『何故か』 爆発するのだった。 ありえない。 熊本弁で言うとありえんばい。 これはとようやく思った知恵子がウィンナーを試しに焼かせてみたところ、 大・爆・発。 ありえない 絶対にありえない。むしろありえん(笑) 行き過ぎてかえって笑えてくると言うミラクルが起きていた。 そして、冒頭に戻る。 疲れ果てた知恵子とおろおろするのこさんだけが動いているものの全てだった。 いや、何故かキシャーという書き文字がセリフみたいについてる謎の物体はいるのだが、まぁ割愛。 そう、知恵子は疲れ果てていた。 疲れ果てながらも、その頭脳は働いていた。 まさか、いやまさかとは思ったが。信児が、信児があの伝説の、 シオトサトウマチガエチャウ☆症候群にかかっていたとは! 注:シオトサトウマチガエチャウ☆症候群(本文ママ)とは、壊滅的に料理が下手な人間(女子限定)がかかっている一種のビョーキである。この症候群にかかったものは、塩と砂糖を間違え、水と油を間違え、包丁の刃と背を間違え、揚げ物をすれば燃え盛り、煮立てれば空焚きし、焼けばファイヤー!な状況と鳴ってしまう。 ちなみに、治る見込みは0の方が極一部の男性からの評価は高い。 そういえば調理実習はなんだかんだ風邪で休みっぱなしだったなとか、 うちで料理の手伝いさせたことなかったなとか、 料理自体初めてじゃないかとか、 今更色々思い当たる節が出てくる。 もっと早く思い当たっておくんだったと、かなり遅い後悔をする知恵子。 後悔先立たずとはよく言ったものだな。 「ま、まぁ、いい。昆布巻きは無事に完成……」 皆まで言うな。 もう結果は分かっているだろう。 知恵子はうなだれた。 自分の努力は一体なんだったのだろうかと。 というか一体どこだ。どこで被害を……エビフライか! こんなことならばカセットコンロで信児の手の届かぬところに置くのだった……! と、知恵子は思っているが、シオトサトウ~症候群患者に常識と常識人の浅知恵は通用しない。 結局は同じ結果になっていただろう。 さて、ここでのこさんにカメラを向けてみよう。 あー……やはり自分のしたことは理解できているようだ。 ガンガンに落ち込んでいる。 料理が壊滅的に(実際にキッチンは壊滅しているのだが)下手なことが悲しいのと、 星青玉に作る約束の弁当が作れないのが悲しいのだろう。 自分が少しでも手をかけたものを食べさせてあげたいのは、乙女として当然の心だ。 知恵子もそれは理解していた。 え?何故って。ヤダナァ知恵子サンハオ母サンジャナイデスカ。 まぁ、そんなことで、知恵子はかえって燃えていた。 ここまで絶望的な状況、残されたものはただ一つ。 初心者には難易度が高いと言われる玉子焼き! これを、無事に作らせて見ようではないか! 「信児、諦めてはいかんぞ」 「ママ……でも、こんな私じゃ玉子焼きなんか……」 「そう考えるから駄目なのだ。自分はできると信じるのだ」 「自分は……できる」 「そうだ。できると思わねばできることもできぬ」 「……う、うん……でも」 「星青玉に玉子焼きを食べさせるのだろう?」 星青玉の名前に、のこさんは反応した。 その目に、輝きが戻る。 恋する乙女の瞳だ。 「……うん!」 「うむ、それでよい。さぁ、これを手に取るのだ」 「これは……」 知恵子が渡したのは、銅製の玉子焼き器であった。 周辺はすすけているが中はピカピカである。かなり使い込まれたように見える一品であった。 「これは、我が愛用している玉子焼き器だ。これを越えるものは未だ出会ったことが無い」 「でも、ママ、こんな大事なもの使えないよ!」 「信児よ、玉子焼きで大事なのは、いかに上手く玉子をはがすことが出来るか、だ」 「う、うん」 「だが安物ではうまくゆかぬ。故に、それが必要なのだ」 「……うん」 知恵子の言葉を噛み締めるように聞くのこさん。 これは、知恵子から自分への最大限の支援なのだと、無意識のうちに感じ取っていたのかもしれない。 「さぁ、自信を持て。気兼ねなどするな。我が常に後ろにいる。それを忘れるな」 「……うん!」 知恵子に背中を押され、のこさんが五度コンロに向かった。 未だかつて無い、戦闘が始まった! 玉子を溶き、砂糖と塩で味をつける。味見をし、知恵子もみてGoサインが出る。 玉子焼き器に油をぬり、火をつけ、じわじわと銅が温められるのを待つ。 ここで焦ってはいけない。知恵子が横でタイミングを待てと指示をする。 一滴だけ卵液を落とした。しゅっと音がし、一瞬で全体が白くなる。 今だ。 知恵子のGoサインが出た。 卵液の3分の1が流し込まれた。 しゅわああという音がする。 のこさんがゆっくりと玉子をかき混ぜてゆく。 半熟状態になったところで知恵子がのこさんの肩を叩いた。 巻きに入るのだ。 ここからが一番難しいのだ。 そこで、知恵子がアドバイスをする。 玉子焼き器を向こう側に傾けるのだ。 こうすれば自然と向こう側へと玉子が寄り。巻いても後ろに漏れると言うことが無い。 後は、玉子焼き器の性能を信じて玉子をはがすだけ。 のこさんが、手前側の端に菜箸を潜らせた。 知恵子が息を呑む。 のこさんが気合を入れた。 くるん そんな擬音が合うように、玉子は3センチほど巻かれた。 成功だ。 嬉しそうな顔をして知恵子の方を向くのこさん。 知恵子もニヤリと笑った。よくやったなと激励しているようだった。 が、すぐに表情を戻す。 まだだ、まだ終わっていない。 返したその調子をそのままに、もう一度玉子を返す。 もう一度、もう一度。 そして遂に、玉子焼き器に入っていた玉子は一つの固まりになった。 ここまでくれば後はこっちのものである。 卵液を足して、ただただ巻いてゆくだけ。 のこさんが自分の力で巻くことが出来た、というのも力になったらしい。 その後は滞りなく玉子焼きを大きくすることができ、そして、 「……で、できたー!」 玉子焼き器の中には、立派な厚焼き玉子が誕生していた。 「どうだ?自分で初めて作った料理の味は」 「うん、おいしい!」 弁当の具作りを終えた二人は食卓を囲んでいた。 メインはもちろん玉子焼きである。 その周りにはかろうじて無事だった材料から作ったあり合わせの料理があった。 知恵子の料理スキル、恐るべし……と言ったところか。 結局、無事に出来たのは玉子焼きだけだった。 おにぎりもさっき練習はしたのだが……もう何も言わなくても分かると思う。 ま、まぁどうにか食べれるようにはなったのは確かだと言っておこう。 「でも……」 「どうした?」 「うん……作れそうなのが玉子焼きとおにぎりだけってのが寂しいなあって」 ちょっと沈んだ様子で言うのこさん。 そう、結局他の具は知恵子が全部用意することになったのだ。 まぁ、あの惨状からしたら当然の帰結ではある。 しかし、それでももうすこし手を加えたいとは思う。 そんなのこさんを見て、知恵子が笑った。 「なに、そんなに焦ることは無い」 「ママ……」 「今日は信児の弱点が分かったのだ。これからゆっくりそれを直してゆけばいい」 「……うん、そうだね……そうだね!」 「そうだ、その意気だ。我も出来る限り協力しよう」 「うん!ヨロシクね!ママ!」 のこさんが笑う。 知恵子も笑う。 この日の食卓は、笑顔と言う最高の調味料が満ちたものとなった。 そして、これからも、笑顔が絶えることは無いだろう。 「で、あのキシャーって言ってるのどうする?」 「…………飼うか?」 /*/ デートから数日後。 「…………はい、はい……分かりました」 のこさんが誰かと電話で話している。 その表情は暗く、重い。 ぎゅっと目を閉じて、頷き続ける様は、どこか悲しさを漂わせていた。 「はい。じゃあ、その日に……」 のこさんが静かに受話器を置いた。 そして、崩れ落ちる。 その全身で悲しみを表しているが、涙は流れない。 流す理由も、権利も無い。 今の自分には。 「そう、だよね……分かってたことだもんね……」 呟くのこさんの手には1枚のメモが握られていた。 そこには、こう書かれていた。 『12月7日 リセット』 To Be Continued? 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) 名前 コメント ご発注元:鋸星耀平@ビギナーズ王国様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one namber=293 type=284 space=15 no= 製作:里樹澪@ビギナーズ王国 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=946;id=UP_ita 引渡し日:2008/04/06 counter: - yesterday: -
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アーティファクト Artifacts 全てのアーティファクトが激しい魔法のたまものではあるが、神話クリーチャーの手にあるときのみ、その全ての栄光と潜在力に達することができるものもある。 下級アーティファクト 上級アーティファクト 下級アーティファクト Minor Artifacts 下級アーティファクトは唯一のアイテムであるとは限らない。それでも尚、それらは定命のものの意志に従って作られることはない。 イージス (Aegis/イージス) 装備部位 盾;術者レベル 15レベル;重量 15ポンド;オーラ 強力・変成術 この+4デタミネーション・鋼鉄製ヘヴィ・シールドには、中央に目が固く閉じられたメドゥサの頭が封じられている。この盾は着用者にセーヴィング・スローへの+4の抵抗ボーナスと、凝視攻撃に対する完全耐性を与える。着用者が防御的戦闘を行ったり《攻防一体》を使用した場合、この盾のAC及びセーヴィング・スローへのボーナスは+6に増加する。着用者が防御専念アクションを行った場合、これらのボーナスは+10に増加する。 標準アクションとして神話パワーを1回分消費することで、イージスの着用者はメドゥサの頭部を目覚めさせることができる。そうするとメドゥサの蛇の髪は身をよじり輝くとともに、赤い目が開かれる。これにより着用者の選択した方向に向けて、《呪文効果範囲拡大》された円錐形のフィアーが解き放たれる。頭部は着用者の階梯毎に1ラウンドの間覚醒し続ける。この間、着用者はメドゥサが持つものと同様の石化の凝視(永続的に石に変える、30フィート)を得る。ただしこの効果は着用者の視線ではなく、盾に埋め込まれた頭部の視線と合うことで発揮される。 フィアー及び石化効果のセーヴDCは、10+着用者の階梯+着用者の【魅力】修正値に等しい。メドゥサの頭部が覚醒している間、着用者は通常の凝視攻撃のルール(Bestiary 300)に従い、標準アクションとして敵を視界に収めようと試みることができる。 破壊方法 頭部が埋め込まれたメドゥサが蘇り、このメドゥサの凝視と目が合うと、イージスは破壊される。 ウィザーファング (Witherfang/枯らしの牙) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 2ポンド;オーラ 強力・死霊術および変成術 非神話クリーチャーの手にある間は、ウィザーファングは+3ククリとして機能する。しかし、時が過ぎると、この武器は着用者の精髄を消費し始める。着用者が非神話級の場合、毎週DC20の頑健セーヴに成功しない限り、1d4ポイントの【耐久力】吸収を受ける。この【耐久力】吸収は、着用者がこの武器を身につけるのを止めた後1週間が過ぎるまで治療することはできない。ウィザーファングはこの盗んだ精髄を神話パワーに変換する。ウィザーファングは最大で神話パワー20回分まで保持することができる。 神話キャラクターはウィザーファングが盗んだ神話パワーを使用して、自分の神話能力を使用することもできるし、以下の能力でこの武器を強化することもできる。ウーンディング、スピード、ダンシング、ベイン。それぞれの能力は24時間の間持続し、24時間毎にこの武器に適用できるのは1種類だけである。着用者が神話パワーを1回分消費するならば、ウィザーファングの強化ボーナスを増加させることができる。また、着用者が神話パワーを消費することでこの武器に特殊能力を与えることもできる。1回分消費するとベイン特殊能力を、2回分消費するとウーンディング特殊能力を、3回分消費するとスピード特殊能力を、4回分消費するとダンシング特殊能力を付与する。 破壊方法 もはや魂の宿っていない非神話級人型生物の心臓奥深くに差し込まれると、ウィザーファングはその魔法能力を永続的に失う。 エレメンタル・チェイン (Elemental Chain/元素の鎖) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 3ポンド;オーラ 強力・力術 このアイテムは2つの簡素な鋼鉄製の指輪に見える。しかし神話クリーチャーがこれらをつかみ、即行アクションとして神話パワーを1回分消費すると、これらは破裂して、10フィートの長さがあるスパイクト・チェインに姿を変える。このスパイクト・チェインは[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪]のいずれか着用者が望むもので作られている。着用者はこの効果をフリー・アクションで解除することができる。この鎖は+6スパイクト・チェインだが、一般的なスパイクト・チェインが与える通常のダメージの代わりに、4d6ポイントの選択した種別のダメージを与える。一度起動すると、この鎖は1時間が経過するか、着用者がこの武器を元に戻すか、いずれかが生じた時点で元の姿に戻る。 破壊方法 2つの鋼鉄の指輪をエレメンタル王が喰らうと、エレメンタル・チェインは破壊される。 グラブレズゥ・クロー (Glabrezu Claw/グラブレズゥの爪) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 5ポンド;オーラ 強力・さまざま[悪] このおぞましいアーティファクトはグラブレズゥの腕を空洞化させたミイラのように見える。この腕には囚われた寄生性のデーモンが収められており、このデーモンは神話パワーによってのみ欲求を満たすことができる。このアーティファクトを使用するには、使用者は自分の素手をこの腕の空洞にはめ込まねばならない。これによりその血肉とこのアイテムとの間に永続的なつながりが生まれる。非神話キャラクターの腕がはめ込まれた場合、このアイテムはその腕を貪り食う。これによりこのキャラクターは5d6ポイントのダメージを受けるとともに、その腕を切断される。 取り付けられると、グラブレズゥ・クローは使用者を力場で覆う。これにより使用者は自分の階梯に等しい反発ボーナスをACに得る。また、使用者は[雷撃]と毒に対する完全耐性を得る。加えて、使用者はグラブレズゥ・クローに自分の神話パワーをいくらか食わせることで、擬似呪文能力を起動することができる。これらの擬似呪文能力は全て、使用者の合計クラス・レベル+使用者の神話階梯に等しい術者レベルを持つ。 使用者は神話パワーを1回分消費することで、2時間の間、有効距離100フィートのテレパシー(Bestiary 300)を得るか、以下の呪文のいずれかを発動することができる。ケイオス・ハンマー、コンフュージョン、ディスペル・マジック、トゥルー・シーイング、ミラー・イメージ、リヴァース・グラヴィティ。 神話パワーを2回分消費することで、使用者はアンホーリィ・ブライト、ヴェイル(使用者のみ)、グレーター・テレポート(使用者に加え50ポンドまでの物体のみ)のいずれかを発動することができる。 神話パワーを3回分消費することで、使用者はパワー・ワード・スタンもしくは招来(レベル4、グラブレズゥ1体30%またはヴロック1d2体70%;Bestiary 300)のいずれかを発動することができる。 破壊方法 過去を悔い改め善の神格を奉じるように変わったかつての邪悪な高司祭の腕がはめ込まれると、グラブレズゥ・クローは塵となって砕け、内部のデーモンは破壊される。 スクリーミング・スピア・オヴ・ザ・サン (Screaming Spear of the Sun/太陽の叫び槍) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 4ポンド;オーラ 強力・占術および心術 この+4ウーンディング・スローイング・ロングスピアは2フィートの長さがある鋼鉄製の穂先を持ち、その穂先は残酷にも新鮮なひげ30本で覆われている。クリティカル・ヒットの際、これらのひげは犠牲者の肉体に留まり、切り裂いて刃を取り出すまで取り除くことはできない。ひっぱって刃を取り除くには全ラウンド・アクションを用いて行わねばならない。この際、クリティカル・ヒットを発生させた攻撃ロールの結果に等しいDCの【筋力】判定に成功する必要がある。そのようにすると、犠牲者は3d6ポイントのダメージを受ける。 神話クリーチャーの手に収まると、この槍はリターニング特殊能力を得る。また、投擲の際にまるで生きているように、宙にいる間意地悪く叫ぶ。クリーチャーに命中すると、命中したクリーチャーを中心にした60フィート爆発の範囲に(呪文と同様の)フィアーを放つ。 投擲の際に使用者が神話パワーを1回分消費するたびに、この槍の射程単位が100フィートずつ増加する。 破壊方法 スクリーミング・スピア・オヴ・ザ・サンは、太陽の燃え盛る中心部へ投げ込まれると分解する。 スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティ (Staff of Eldritch Sovereignty/魔力統治のスタッフ) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 5ポンド;オーラ 強力・さまざま スタッフ・オヴ・ザ・マギによく似たこの長い象牙でできたスタッフは、プラチナの印がちりばめられ、力が呼び起こされる際に魔法の炎で燃え上がる。通常のスタッフとは異なり、スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティには50チャージあり、通常は再チャージすることができない。その力のいくつかはチャージを消費するが、しないものもある。スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティはチャージを消費してもその力を失わない。以下の能力はチャージを消費しない。 アーケイン・ロック アーケイン・サイト タッチ・オヴ・イディオシー デイライト ノック メイジ・アーマー メイジ・ハンド 以下の能力は使用毎に1チャージを消費する。 グレーター・インヴィジビリティ コーン・オヴ・コールド(15d6ダメージ、反応・DC20・半減) サジェスチョン(意志・DC18・無効) グレーター・ディスペル・マジック グレーター・テレポート ファイアーボール(10d6ダメージ、反応・DC18・半減) ブラック・テンタクルズ メジャー・イメージ(意志・DC18・看破) ライトニング・アーク(15d6ダメージ、反応・DC20・半減) 以下の能力は使用毎に2チャージを消費する。 サモン・モンスターIX(招来されたクリーチャーは《招来クリーチャー強化》の特技の利益を受ける) プリズマティック・スフィアー(DC24) プリズマティック・スプレー(DC22) プレイン・シフト (意志・DC22・無効、指定した目的地から2~200マイル以内に到着する) 5チャージを消費すると、スタッフ・オヴ・アーケイン・ソヴランティ(訳注:おそらくスタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティの誤記)はゲートを作り出す。 スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティは通常のスタッフよりも高いDCを持つ。使用者はこのスタッフを上回るDCを実現できるなら、自身のセーヴDCを使用する。 使用者はスタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティで発動した呪文に、自分が修得している呪文修正特技を使用することができる。呪文レベルが1増加する毎に1チャージ(最低1チャージ)を消費すること。調整後の呪文レベルは9レベルを超えてはならない。例えば、《呪文高速化》を修得している使用者は5チャージを消費することで《呪文高速化》したコーン・オヴ・コールドをこのスタッフから発動することができる。しかし、《呪文高速化》したグレーター・テレポートを発動することはできない。 使用者は神話パワーを1回分消費することで、自分の神話階梯に等しいチャージ数ぶんの利益を得ることができる。超過したチャージ数は失われる。例えば、《呪文威力強化》を修得した第5階梯の使用者が神話パワーを1回分消費することで、スタッフのチャージを消費することなく《呪文威力強化》したファイアーボールを発動することができる。使用者がこのスタッフの呪文の神話呪文版を修得しているならば、神話パワーを1回分消費することでスタッフから神話呪文版を発動することができる。この神話パワーの消費は、チャージの代用をするために行う神話パワーの消費と組み合わせることができる。最後に、使用者は神話パワーを1回分消費することで、このスタッフに1チャージを加えることができる。既に完全にチャージされているスタッフであっても、爆発の危険は無い。 スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティは使用者に、23+使用者の階梯に等しい呪文抵抗を与える。しかしこの効果を使用しない代わりに、ロッド・オヴ・アブソープション同様に、使用者に直接向けられた秘術エネルギーを消費するためにスタッフを使用することができる。ロッド・オヴ・アブソープションとは異なり、このスタッフは呪文レベルを術者が使用できる呪文エネルギーとして保持するのではなく、チャージに変換する。スタッフが50チャージの上限を超えるだけのエネルギーを吸収すると、使用者が応報の打撃(破壊方法を参照)を行ったかのように爆発する。使用者は呪文レベルがいくつある呪文が自身に発動されたかは分からない――このスタッフはロッド・オヴ・アブソープションのようにこの知識を共有することはない。そのため、呪文の吸収は危険を伴う。 破壊方法 スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティは応報の打撃によって破壊することができる。この行いは、使用者が目的を持ち、宣言されなければならない。このスタッフの全てのチャージは半径30フィートの拡散に解き放たれる。使用者の階梯を4倍し、スタッフに残っているチャージの総数を加えること。スタッフの10フィート以内にいる全てのクリーチャーは、この数の10倍に等しいダメージを受ける。23+使用者の階梯に等しいDCの反応セーヴに成功すれば、このダメージを半減できる。 スタッフ・オヴ・ザ・マギとは異なり、スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティを破壊すると、使用者は必ず破壊される(セーヴィング・スローなし)。 ソード・オヴ・ザ・ミスツ (Sword of the Mists/霧の剣) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 12ポンド;オーラ 強力・召喚術および変成術 ソード・オヴ・ミスツは、強力なフェイが定命の英雄に向けた贈り物として始原の言葉から鍛え上げたものだ。この剣は輝く青い鋼鉄で作られた+6ディフェンディング・グレートソードであり、柄頭に牡鹿の頭部がしつらえてある。エッチング加工で奇妙な古代のルーンがつばの覆いを取り囲み、つばは茨の蔦の形に彩られている。この武器を手にしたものは夜目、自然の誘惑への抵抗力(ドルイドのクラス特徴と同様)、森語を会話し理解する能力を得る。 使用者は神話パワーを1回分消費することで、1分の間、この武器にあらゆる固体の硬度を無視しバターを切るかのように、いかなる固い物体をも切り裂く能力を与えることができる。 1週間に1回、使用者は神話パワーを1回分消費することで、物質界からフェイの原初の世界へ、あるいはその逆の方向へ移動することができる。 破壊方法 作成者のフェイの血に浸されると、不思議なことにソード・オヴ・ミスツは役に立たない鉛溜まりへと溶けてしまう。 トルク・オヴ・ザ・ヘヴンズ (Torc of the Heavens/天国のトルク) 装備部位 首周り;術者レベル 20レベル;重量 1ポンド;オーラ 強力・占術および変成術 この簡素な首輪には銀製のブレイズが添えられている。このブレイズには、狼の頭部に似た形に彫り込まれた象牙の縁止めが付いている。自分の神格に絶対的な奉仕を誓った神話級キャラクターだけが、このトルクを身につけることができる。そうでない場合、このトルクは使用者が死亡するまで外れることはない。使用者は【魅力】能力値に自分の階梯の半分(最低1)に等しい強化ボーナスを与える。1日1回、使用者はこのトルクを使用して、自分の神格と交信するためにコミューンを発動することができる。最後に、使用者は神話パワーを1回分消費することで、レジェンド・ローアを発動することができる。 使用者が神格の行動規範を犯した場合、このトルクは収縮し、使用者を窒息させ始める。これは使用者が死亡するかアトーンメント呪文を受けるまで持続する。 破壊方法 エインシャント・レッド・ドラゴンの沸騰する血で満たされた大釜で溶かすと、トルク・オヴ・ザ・ヘヴンズは破壊される。 ネクサス・クリスタル (Nexus Crystal/中核の水晶) 装備部位 なし;術者レベル 18レベル;重量 1ポンド;オーラ 強力・召喚術 異次元の混沌の領域が秩序寄りの領域の近くをすれ違った時に、この曇った白い水晶は――非常に稀なことだが――自然と形作られたのだと信じられている。非神話クリーチャーが手にしている場合、ネクサス・クリスタルはまるでその次元界に生まれ住んでいるかのように、次元界の有害な状況の中で生き抜く能力を使用者に与える。例えば、この水晶は火の次元界の火や、負のエネルギーの次元界における生命力を吸収する放射線に対して完全耐性を与える。この防護により与えられる適応能力はその次元界自身による障害に対してのみ働き、次元界にいるクリーチャーに対しては機能しない――火の次元界に住むクリーチャーによる[火炎]攻撃は、使用者にとって有害なままである。この水晶はその次元界の住人が通常経験しないような極端な状況、例えば物質界における宇宙空間の真空に対する防護も提供しない。 神話クリーチャーが手にすると、ネクサス・クリスタルは以下の追加の能力を持つ。 標準アクションとして神話パワーを1回分消費することで、使用者は水晶の次元界適応能力をこの水晶で接触したクリーチャーに与えることができる。同じ次元界にいる限り、この守護はいかなる距離にあろうとも標準アクションで無効化することができる。この神話パワーの使用回数は、次元界でこの守護が効果を及ぼしている限り回復することはできない。別のクリーチャーがこの水晶を手にしてこの能力を使用すると、以前の使用者によって与えられていた守護は直ちに終了する。 標準アクションとして、使用者は神話パワーを1回分消費することで、プレイン・シフトを使用して、自分と7体までの同意するクリーチャーを自分の親しんだ任意の次元界に移動することができる。既に訪れたことのある場所に移動する場合、この能力を使用するために神話パワーを2回消費することでプレイン・シフトの不正確性を軽減することができる。そうするならば、指定した場所から1d6-1マイル(最低0マイル)の場所に姿を現す。 標準アクションとして、使用者は他のクリーチャーにネクサス・クリスタルを接触させて神話パワーを3回分消費することで、プレイン・シフトを使用して無作為な次元界に目標を移動させることができる(反応DC27により無効化)。 標準アクションとして、使用者は神話パワーを2回分消費するとで空間上の1点ではなくこの水晶を中心とした、《呪文効果範囲拡大》したディメンジョナル・ロックを作り出すことができる。このディメンジョナル・ロックは24時間が経過するか解除されるまで持続する。 全ラウンド・アクションとして、使用者は神話パワーを4回分消費することで、他のクリーチャーを瞬間移動により引き戻すことができる。使用者がDC40の〈知識:次元界〉判定に成功すれば、使用者は自身の神話階梯毎に1体のクリーチャーまで召喚術(瞬間移動)効果により、前のラウンドにいた場所に引き戻すことができる。クリーチャーを引き戻すには、使用者はそのクリーチャーが元いた場所から15フィート以内にいなければならない。クリーチャーが抵抗する場合、意志セーヴ(DC25+使用者の階梯)を試みることができ、成功すれば引き戻されずに済む。使用者は複数いるクリーチャーのどのクリーチャーを引き戻すかを自由に選択することができる。また、それらのクリーチャーが異なる手段や異なる方向から移動してきた場合であっても、その出発地点が有効距離内にある限り引き戻すことができる。 破壊方法 使用者がゲートを通り抜けている間にこれのプレイン・シフト能力を使用しようとすると、ネクサス・クリスタルは破壊される。そのようにする場合、この水晶とゲートは破壊され、その結果生じた魔法の爆発がゲートのいずれかの側に半径2フィート爆発の範囲を生じさせ、その範囲内にいる全てのクリーチャーに18d10ポイントのダメージを与える(反応DC27に成功すれば半減ダメージ)。GMが望めば、次元界の間にある永続的な門はこの方法で破壊される可能性がある。 ハーメティック・フラスク (Hermetic Flask/ヘルメスの瓶) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 1ポンド;オーラ 強力・変成術 この慎ましやかな丸底の瓶は伝説的なフィロソファーズ・ストーンの一つを純化するために使用され、この用法の副作用として特別な性質を幾つか備えている。ハーメスティック・フラスクとこれにより作られたものは、錬金術クラス特徴(Pathfinder RPG Advanced Player s Guide26)とエキスを作成する能力を持つ使用者にのみ機能する。この瓶を通常通り使用するには錬金術実験道具もしくは錬金術キットが必要となる。間に合わせの道具でも使用できるが、そうする場合すべての判定に-5のペナルティを被る。 使用者が10分をかけ100GPを費やし、DC30の〈製作:錬金術〉判定に成功すれば、この瓶は錬金術の香油を1服分精製することができる。精製の過程で使用者が神話パワーを1回分消費するならば、代わりに10服分が作り出される。錬金術の香油はハーメスティック・フラスクの中に入っている限り、安定的に存在し続ける。標準アクションとして、アルケミストは4服分を注ぎ出し、100GP以下の価値を持つ錬金術アイテム1つか、1,000GP以下の価値を持つポーション1つに直ちに変換することができる。アルケミストは同じ標準アクションの一部として、それを投擲したり塗りつけたりすることができる。 錬金術師の火のような武器として機能する液体は壊れやすい球の形に凝固し、投擲するか何らかの理由で破壊されるまでそのままで安定し続ける。このような薬品は瓶から取り出して1分の間安定したままであり、その後害を与えること無く分解する。錬金術の香油の純度は、そこから生成された錬金術アイテムの有効性を向上させる。これらのアイテムに関するセーヴDCは2だけ増加し、与えるダメージや治療するダメージは50%だけ増加する(これには能力値ダメージも含まれる)。ハーメスティック・フラスクは最大で、一度に錬金術の香油を10服分まで収めることができる。 使用者は空のハーメスティック・フラスクに注ぐことで、見知らぬ錬金術物質もしくはポーションの性質を識別することができる。これには〈製作:錬金術〉判定が必要となる。ありふれたものならDC25であり、より珍しいものならDC30もしくは35となる。この識別には1分かかるが、その物質を破壊することはない。この瓶で識別された毒は判定の中で解毒剤に変化し、その過程で毒は失われる。この解毒剤はこの毒の影響を受けているクリーチャーの毒を自動的に治療する上、以後24時間、この特定の毒の影響に対して完全耐性を提供する。解毒剤はこの瓶の中にある間と、瓶から外に出て1分間だけ安定している。 〈製作〉判定の一部としてこの瓶を使用する際に神話パワーを1回分消費することで、使用者は錬金術アイテムや毒を作成する際に必要となる素材のコストを半分にすることができる。錬金術の香油を作成する際にこの効果を適用することはできない。 破壊方法 ハーメスティック・フラスクはフィロソファーズ・ストーンにより作られたものを識別する際に使用すると破壊される。この愚かな行為により瓶は強大な爆発とともに砕け、半径30フィート拡散の範囲に25d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。この実験を行っていた人物はセーヴィング・スローを行うことはできない。他の犠牲者はDC30の反応セーヴに成功すればダメージを半減することができる。 フォーチュンズ・アロー (Fortune s Arrow/運命の矢) 装備部位 なし;術者レベル 15レベル;重量 1/10ポンド;オーラ 強力・力術 この+3シーキング・アローを運搬している間、使用者はセーヴィング・スローと技能判定に+2の幸運ボーナスを得る。使用者は、この矢で攻撃したいかなる種別の得意な敵に対しても、得意な敵による攻撃ロールとダメージ・ロールに対するボーナスを倍にする。 全ラウンド・アクションを用いてこの矢を用いて1回の射撃を行う際、使用者はこの攻撃に因る全ての射程に因るペナルティを無視する。この攻撃において神話パワーを1回分消費すると、この攻撃が命中すると自動的にクリティカル・ヒットが確定し、目標が持つ全てのダメージ減少を無視する。 フォーチュンズ・アローは探すといつでも取り戻せる。失われても、以前の持ち主が生きている限り1d6日以内にその手元に戻ってくる。フォーチュンズ・アローは持ち主が死ぬか、他の人に自発的に渡されると戻ってこなくなる。 破壊方法 フォーチュンズ・アローは最も純粋な秩序の中心にある純粋な混沌の深奥の中に打ち込まれると破壊される。 ブラック・アイアン・アックス (Black Iron Axe/黒鉄の斧) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 12ポンド;オーラ 強力・変成術 神話クリーチャーがこの鈍い黒色の合金でできた+6キーン・ヴォーパル・グレートアックスを使って敵の首を落とす際、この斧の頭部で無数の奇妙なルーンが光る。ブラック・アイアン・アックスの使用者はこのアーティファクトで刎ねた首を所有でき、それらを神話パワーの貯蓄器として使用することができる。この斧の使用者は全ラウンド・アクションとして神話パワー1回分をその頭部に注ぐことで後にそれを使用できる。1d6日が経過すると、切断された頭部は腐り使い物にならなくなる。頭部に神話パワーを収めたクリーチャーだけが、その中に保持されたパワーを使用することができる。保持されたパワーを使用するには、使用者は物理的に頭部に接触しなければならない。頭部の重量は各10ポンド。 破壊方法 神話級の英雄が自分の頭部をはねるためにブラック・アイアン・アックスを使用すると、このアーティファクトは全ての魔法特性を失い、平凡な鋼鉄製の斧になる。ブラック・アイアン・アックスが破壊された後も、神話パワーの使用回数は効果を受けた頭部の中に残ったままである。 ブルロアラーズ・オヴ・アウトバースト (Bullroarers of Outburst/爆発のうなり板) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 5ポンド;オーラ 強力・心術 これら5枚の長方形をした木の板は5インチから約1フィートほどの長さがあり、それぞれ1ポンドの重さがある。指よりも分厚く削り出されているものはなく、それらの側面は薄くなっていき端は切れ味の悪い刃になっている。それぞれには原初の原典を思わせる複雑な線対称の意匠が細かく施されている。刃の頭部にある穴を通って板をつないでいる1本の長い紐のお陰で使用者はこの刃を弧を描くように回すことができる。そうするとこの板は奇妙な振動と共に低い唸るような音を立てる。この音は数マイル離れたところからでも聞くことができる。 神話クリーチャーの手にあるとき、回転しているこのうなり板は強力な音波を作り出し、その音は触れた者に奥底からの感情的な反応を引き起こさせる引き金となる。神話クリーチャーは一度に2枚までのうなり板を回転させることができる。それぞれを何物にも占められていない手で持っていなければならない。2枚を超えるうなり板を回転させると耳障りな音を立て、それぞれの効果を互いに打ち消してしまう。浸透する音波は聞かれなくとも効果を発揮するが、[精神作用]効果に完全耐性を持つクリーチャーには効果を発揮しない。 このうなり板は半径60フィート+使用者の持つ階梯毎に追加で10フィート内にいる神話クリーチャーと、その倍の範囲内にいる非神話クリーチャーに効果を及ぼす。この効果はこのアーティファクトの所有者がこのうなり板を回している限り、最大で所有者の神話階梯に等しいラウンドまで効果を及ぼし続ける。個々の刃とその能力は以下の通り。 恐怖の刃/Blade of Fear:効果範囲内にいて音を聞くことのできる全ての敵は、フィアー呪文の効果を受けたかのように恐れ状態になる。 激怒の刃/Blade of Rage:効果範囲内にいて音を聞くことのできる全ての敵は、レイジ呪文の効果を受けたかのように怒る。 絶望の刃/Blade of Despair:効果範囲内にいて音を聞くことのできる全ての敵は、クラッシング・ディスペア呪文の効果を受けたかのように悲しみに包まれる。 懲戒の刃/Blade of Castigation:範囲内にいる全ての敵は、キャスティゲイト呪文の効果を受けたかのように膝を折る。 勇気の刃/Blade of Courage:効果の範囲内にいる全ての仲間は、ブレッシング・オヴ・カレッジ・アンド・ライフ呪文の効果を受けたかのように扱う。 破壊方法 使用者が巨大な竜巻の目の中にいる間に5つ全てのうなり板を同時に回すと、このうなり板は一斉に砕け散る。 フレッシュフック・オヴ・ミシック・サステナンス (Fleshhook of Mythic Sustenance/神話級滋養の肉用釣り鉤) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 12ポンド;オーラ 強力・変成術 この肉用釣り鈎は古代の儀式用のアーティファクトで、料理用の鍋から神聖な宴用の肉を供するために高司祭が用いていた。この4フィートの長さがある木の棒に、白鳥の雛とカラスが精巧にエッチング加工された金属製の帯が3つ巻かれている――底部に1つ、中央に1つ、1つは頭部に巻かれており、4つの鋭いフォークの歯に別れる形になっている。古代の宴の儀式を再現する場合、それには10分が必要で、神話クリーチャーはこの肉用釣り鈎を使用して、自分の神話パワーをこのフォークで供した肉に注ぎ込まなければならない。出された肉の欠片それぞれによって、使用者は神話パワーを1回分ずつ、その肉を食べたクリーチャーに転送することができる。 神話クリーチャーが食べると、この肉は神話パワーの使用回数を1回分補充する。非神話クリーチャーが食べると、このクリーチャーは24時間の間神話パワーの使用回数を1回分得る。非神話クリーチャーが神話パワーの使用回数を保持している限り、呪文や効果においてこのクリーチャーは神話クリーチャーと見なされ、基本神話能力の殺し難きものと活性を得る。神話パワーの使用回数を消費すると、そのクリーチャーはこれらの能力を失い、神話クリーチャーとは見なされなくなる。 破壊方法 腐った神話クリーチャーの肉を強力な来訪者に供するために使用されると、フレッシュフック・オヴ・ミシック・サステナンスは折れて使い物にならなくなる。 リング・オヴ・イクリブリアム (Ring of Equilibrium/均衡の指輪) 装備部位 指輪;術者レベル 20レベル;重量 ―;オーラ 強力・召喚術 リング・オヴ・イクリブリアムは木製の指輪で、樫の木の中心部を丁寧に彫り込んだものだ。精緻なルーンで飾られており、完璧な円形かつ線対称で、なめらかになるように磨かれ仕上げがされている。指にはめると適切なサイズになる。 この指輪は自らの意思を持つと言われている。しかしそうだとしても、この指輪は明確な意志を示したりはしない。この指輪は強力な個性を持つ使用者――強い道徳観念を持つもの、善や誇りの例示となるもの、道徳観念が全くないもの、考えうる限り卑しく邪な魂を持つもの――を好む。この指輪はとりわけ神話クリーチャーを好み、強力な個性を持たないクリーチャーや非神話クリーチャーの指にはめられることをしばしば避ける。 この指輪は生きている限り特別な力を持たない。しかし使用者が死亡するか、指輪が価値があると判断した死んだクリーチャーの指に収まると、使用者の死体と装備はそのままだが、指輪は完全に消えてしまう。24時間以内に、可能な限り使用者が死んだ場所の近くで1本の木が成長する。次の日に木は中心で裂け、空洞が現れる。その中には着用者が傷ひとつ無い完全な姿で蘇生しており、その指にはこの指輪がはめられている。使用者が安全でない場所で死亡した場合、この木は使用者にとって比較的安全な場所で可能な限りその場所に近いところに姿を見せる。 この再誕には代償がある。使用者は、自分と同時に生まれた別の存在――使用者が善であるのと同程度に卑劣な(逆も同様)、対立属性の存在――が、この世界のどこかにいるという、ある自覚を得る。この対立存在は、使用者と大体同じレベルと同じ能力を持っている。使用者は他の要素は一切分からない。使用者が分かるのは存在しているという事実と、望むこと――犯罪あるいは善行の実践――を行うということだけだ。この対立存在は常に、可能な限り使用者から距離を置く。使用者が再び死んだときに対立存在が死んでいなければ、使用者は再び復活し、元々いたものとは別の対立存在が同時に現れる。この指輪が捨てられるかどこかに行ってしまうまで、この繰り返しはいつまでも続く。 破壊方法 対立存在がまだ健康で生きている内に使用者が身につけている状態で自殺すると、リング・オヴ・イクリブリアムは破壊される。 ロッド・オヴ・スペル・サンダリング (Rod of Spell Sundering/呪文破壊のロッド) 装備部位 なし;術者レベル 18レベル;重量 4ポンド;オーラ 強力・防御術 この3フィートの長さがあるアスペン材でできたロッドには、守護と防御術の秘文が刻まれている。両端にはなめらかな銅製の球が付けられている。このロッドを手にしている間、使用者は半径120フィート以内で発動された全ての呪文(および使用された擬似呪文能力)に、たとえその術者をそれ以外では認識できなくとも自動的に気付く。呪文完成型のアイテムや呪文解放型のアイテムによる呪文発動も、同様に自動的に気付く。使用者は直ちに発動された特定の呪文、魔法のアイテムによるものか否か、そのレベル、術者レベル、そして秘術呪文か信仰呪文かを知ることができる。 ロッド・オヴ・スペル・サンダリングの使用者が呪文を相殺する際、準備している呪文の中から、相殺呪文レベル以上の呪文1つを使用することで、相殺に適した呪文を発動したかのように相殺することができる。呪文を相殺した後に割り込みアクションとして、このロッドの使用者は神話パワーを1回分消費することで、術者にこの呪文を反射することができる。反射するためには、(その呪文が効果線を必要としない場合でも)このロッドの使用者と術者との間に効果線がなければならない。適切な形になるよう、術者をこの呪文の目標、中心、もしくは起点と見なす。この杖の使用者が術者としてこの呪文が発動されたと見なす。ロッド・オヴ・スペル・サンダリングのこの力は呪文を増強し、セーヴィング・スローのDCを2だけ増加させ、呪文の術者レベルを使用者の階梯だけ増加させる。 武器として使用すると、ロッド・オヴ・スペル・サンダリングは高品質のライト・メイスとして機能する。攻撃に成功すると、この武器は攻撃したクリーチャーを目標としてグレーター・ディスペル・マジックを使用する。この術者レベルは使用者のキャラクター・レベルと神話階梯を合計した値に等しい。ロッドを使用した近接接触攻撃に成功することでも、この効果を与えることができる。 破壊方法 1年と1日の間、全ての魔法が及ばない範囲の中に置かれると、ロッド・オヴ・スペル・サンダリングは破壊することが可能になる。この後に、アーティファクトにメイジズ・ディスジャンクションを使用することで自身の力を失った、かつて少なくとも5レベル呪文を発動する能力を持っていた呪文の使い手の膝によって破壊されなければならない。 上級アーティファクト Major Artifacts 全てのアーティファクト中でも最も素晴らしいものは唯一無二のアイテムである。最も強力な存在が求め、世界全ての行く末すら変えることができる。それぞれの上級アーティファクトは1つしか存在しない。それらの最も弱いものでさえ、全てのキャンペーンのバランスを変えることになるだろう。上級アーティファクトは簡単には破壊されない――それぞれが唯一の存在であり、破壊には特別な意味があり、それは説明文に記載されている。 アポカリプス・ボックス (Apocalypse Box/黙示録の箱) 装備部位 なし;術者レベル 25レベル;重量 2ポンド;オーラ 圧倒的・召喚術および死霊術 この黒い木製の箱は、小さく無味乾燥だ。この箱は多次元宇宙の中で不規則に現れ、偉大な英雄、強欲な支配者、自暴自棄の(そしてしばしば道徳的な大望のある)定命のものに惹きつけられる。時々、棚の上にあった埃まみれの古びた箱や、祖父の屋根裏に置かれた忘れられた家宝といった形で、アポカリプス・ボックスはさりげなくその姿を見せる。アポカリプス・ボックスを見たクリーチャーはほとんど欲望に圧倒されるような興奮に打ちのめされる。DC30の意志セーヴに成功しなければ、強制的にこの箱に触れてしまう。これは[精神作用](強制)効果である。アポカリプス・ボックスに触れたクリーチャーはもう一度DC30の意志セーヴを行わねばならず、失敗するとこの箱の呪いの支配下に入る。呪われたクリーチャーは、この箱が他人の手に渡ることがないように、いかなる手段でも――それは友や愛するものから逃げたり、殺したりといったことを含む――取るように強制される。この呪いは呪われたクリーチャーが死亡するか、この箱が破壊されるまで解除されない。加えて、箱から10フィート以上離れると、呪われたクリーチャーは直ちに1d4ポイントの【判断力】ダメージを受け、アポカリプス・ボックスの元に戻るまで、毎日1d4ポイントの【判断力】ダメージを受ける。 アポカリプス・ボックスの呪いに侵されているクリーチャーだけが、この箱を開けることができる。1日1回、呪われたクリーチャーはこの箱を開け、心から望むアイテム1つを取り出すことができる。このアイテムは魔法のアイテムであってはならず、50ポンド以上であってはならず、50,000GP以上の価値があってはならない。しかし、それ以外にはウィッシュ呪文の項に記載されている制限しか受けない。神話クリーチャーは神話パワーを2回分消費することで、1日に2個目のアイテムを取り出すことができる。 アポカリプス・ボックスが開かれるたびに、ウィッシュに記載されている効果が発動するのではなく、恐ろしいモンスターを何体か招来する可能性が50%の確率だけ存在する。これらのモンスターは視界に入ったものを誰であれ直ちに攻撃し、出身次元界に戻るまで1週間の間物質界に大惨事をもたらす。以下の表5-1をロールし、現れるモンスターを決定すること。 アポカリプス・ボックスは誰かの欲望に強く執着し、自分を開かせようとする。毎日、呪われたクリーチャーは意志セーヴに成功しなければこのアイテムを開かされてしまう。これは[精神作用](強制)効果である。セーヴDCは最初は20だが、このアイテムを開けない1日ごとに2ずつ増加する。この増加は呪われたクリーチャーが意志セーヴに失敗するまで続き、失敗した時点でセーヴDCは20に戻る。 破壊方法 この箱に呪われたクリーチャーがアポカリプス・ボックスによって喚び出されたモンスターを1日に3グループ倒した後、エインシャント・ゴールド・ドラゴンの爪の下に組み敷かれると、アポカリプス・ボックスは破壊される。箱を壊す行為によって即座にこのゴールド・ドラゴンは死亡し、神の介入を除いて蘇生することはできない。 アポカリプス・ボックスのモンスター 1d6 招来されるモンスター 1 ダイモンによる終末:1d4+1体のオレスロダイモン 2 デーモンの侵略:1体のバロールと2d6体のグラブレズゥ 3 地獄の強襲:1体のピット・フィーンドと2d6体のバーブド・デヴィル 4 オニの支配:1体のヴォイド・ヤイと2d6体のフィーンディッシュ・クラウド・ジャイアント 5 クリフォトの横行:1体のアイアタヴォスと2d6体のナイオゴス 6 言葉にすることもはばかられる訪問:1d4+3体のショゴス エンペラーズ・マンモス (Emperor s Mammoth/皇帝のマンモス) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 8米トン;オーラ 強力・変成術 この奇妙な人造の乗物は、人が乗るためのかごが背中に添え着けられた巨大な木製のマンモスに見える。エンペラーズ・マンモスは縄、金属、木、骨で飾られており、立っている時の肩までの高さは15フィート近く。長く曲がった木製の牙が4本、この巨大な頭部から生えており、皮と木で包まれた金属板20枚でその分厚い胴体が作られている。 このマンモスは黄金の冠によって自律し制御することができる。しかし、王冠の使用者がこの乗物を自律させ制御するためには、少なくとも神話パワーを1回分保持していなければならない。起動すると、このマンモスは金属製、締めつけ、蹂躙、つかみ能力を持つ超大型のアニメイテッド・オブジェクトのデータを持つ。 王冠の使用者がマンモスを起動している間に神話パワーを使い切ると、使用者はマンモスの制御を失い、マンモスは以降5d10ラウンドの間暴れ回る。暴れ回った後、マンモスは不活性な状態となり、再び起動されるまで移動することはなくなる。 破壊方法 王冠を価値のないゴブリンのごみ漁りの頭に置くと、エンペラーズ・マンモスは数多の欠片に砕け散ってしまう。 シャドウレイス・ハート (Shadowwraith Heart/シャドウレイスの心臓) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 3ポンド;オーラ 強力・死霊術 この奇妙な形をした真っ黒な岩には、深い紫の縞模様が筋状についている。実は遥か昔の神話級の英雄の心臓が石化したものだ。何百年の後、心臓は護符、スタッフの頭部、メイスの頭部として姿を現した。その形態にかかわらず、シャドウレイス・ハートの機能は同じである。心臓は最も近くの神話パワーの発生源――クリーチャーか場所かに関わらず――を探し当て、発生源がもたらされるとその力を貪り食う。神話クリーチャーが半径60フィート以内にやってくると、このアイテムはそのクリーチャーの神話パワーに寄生し始める。神話クリーチャーが効果範囲内にいるならば、毎ラウンドそのクリーチャーはDC25の頑健セーヴを行い、失敗すると神話パワーを1d4回分失う。心臓が神話クリーチャーが持つ神話パワーの1日の使用回数を全て吸い尽くしたら、そのクリーチャーは1神話階梯を失う。この階梯の喪失は半ば永続であり、このクリーチャーが試練1つを成功裏に完遂するまで続く。 破壊方法 シャドウレイス・ハートを瀕死状態の神話級の英雄に埋め込むとこの心臓は再度動き出す。この英雄はヒール呪文(術者レベル15)のように回復するが、この英雄は全ての神話階梯を失う。 シルヴァー・メイデン (Silver Maiden/銀の処女号) 装備部位 なし;術者レベル 30レベル;重量 500米トン;オーラ 圧倒的・防御術および変成術 きらきらと光を放つ銀灰色の帆を持ち、簡単に物質界を出入りする傾向のあるこの星間旅行用の船は、しばしば幽霊船と勘違いされる。非神話クリーチャーがこの船に旅行者として乗り込むこともできるが、シルヴァー・メイデンには船長となる神話クリーチャーが1人必要だ。船長がこの船にいない場合、神話キャラクターはこの船の操舵輪に触れ、船長になりたいと宣言して船長になることができる。その後、船長は死ぬか自発的に退役するまでその任を続ける。船長を引き受けるとこの船の力に全て気づく。以後船長は、地球型の惑星の外洋を渡ったり、深遠なる空間の広大なる闇を通り抜けたりして、この船に乗って他の力を借りること無く船を推進させることができる。 回数無制限で、船長は神話パワーを2回分消費することで、シルヴァー・メイデンを外宇宙へと出発させることができる。この宇宙に行くと、この船は信じられない速度で真空内を運航することができる。正確な旅行時間は一定ではないが、太陽系にある2惑星間を移動するには2d20日かかり、他の星系に移動するには2d20週(もしくはGMの判断によりより長く)かかる。船長は移動したい世界について(グレーター・テレポートを発動するかのように)知っていなければならない。船が目的地に到着すると、(フェザー・フォール呪文のように)ゆっくりと惑星表面(一般に大部分が水の場所)に着地する。一度着地すると、この船は通常の帆船のように移動する。惑星に水や同等の液体がない場合、この船は硬い地面に着陸し、船長がもう一度船を宇宙空間に戻すために起動するまで移動することはできない。 シルヴァー・メイデンは外方次元界を航行することもできる。回数無制限で、船長は神話パワーを3回分使用することで、まるでプレイン・シフト呪文のように他の次元界にこの船を転送することができる。この船が他次元界に到着すると、船長が意図した目的地から1~100マイル離れた場所にある水もしくは類似の液体で覆われた領域に姿を現す。(地の次元界のように)この次元界に水が一切ない場合、この船は固い地面の上に姿を現し、船長がこの船を他の次元界に転送するまで移動することはできない。風の次元界のように、この次元界に水も硬い面もない場合、船長がこの船を他の次元界に転送するまで、この船は(フェザー・フォール呪文のように)ゆっくりと落下し続ける。 シルヴァー・メイデンは乗客を深宇宙や外方次元界の環境による危険から守る上、星の表面にある溶解した面であっても航行することができる。この船は常に、現在の船長の出身世界における通常の重力と快適な温度を保つ。この守護はこの船から10フィート離れたところにまで及ぶ。 破壊方法 船長がこの船をブラック・ホールの中に航行すると、シルヴァー・メイデンは破壊される。 セプター・オヴ・ザ・シャイニング・ロード (Scepter of the Shining Lord/輝王の笏) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 4ポンド;オーラ 強力・防御術および心術 黒翡翠1つで作られたこの3フィートの長さの笏の取っ手はT字型で、角のついたワニの頭部に似た形に曲げられている。この笏のもう一方は鍵留めの形に曲がっていて、革紐がついている。この革紐には小さな銅製の鈴が4つ繋がれている。鈴はそれぞれ統治に関連した4つの概念である権力、追放、支配、幽閉を表している。 この笏を装備しようとするものは、このアーティファクトに神話パワーを1回分、永続的に捧げることで最初の絆を結ばねばならない。その後、使用者はこの絆を維持するために神話パワーを1回分消費したままにしておかなければならない。使用者が全ての神話パワーを消費すると、この絆は途切れ、再度所有者としての絆を結ぶまで、この人物はこの笏の力を使用することはできなくなる。 絆を結ぶと、この笏は+6ブリリアント・エナジー・ライト・メイスとして機能する。加えてこの笏は使用者の【魅力】能力値に+4の強化ボーナスを与える。さらに、使用者は神話パワーを1回分消費して笏の鈴を鳴らすことで、以下の効果を引き出すことができる。 使用者は権力の鈴を鳴らすことで、非神話クリーチャー全てを対象としたコマンドを発動することができる。 使用者は追放の鈴を鳴らすことで、ディスミサルを発動することができる。この効果は使用者の合計クラス・レベル+階梯より脅威度が3以上低い、非神話クリーチャー全てを対象とする。 使用者は支配の鈴を鳴らすことで、非神話クリーチャー全てを対象としたサンクチュアリを発動することができる。 使用者は幽閉の鈴を鳴らすことで、フォースケージを発動することができる。この効果は使用者の合計クラス・レベル+階梯より脅威度が3以上低い、非神話クリーチャー全てを対象とする。 これら4つの効果の術者レベルは、全て使用者の合計キャラクター・レベル+階梯に等しい。鈴を鳴らす際、使用者は神話パワーを追加で1回分消費することで、この擬似呪文能力のセーヴィング・スローのDCを10だけ増加させることができる。 最後に、使用者はこの笏を使用して、使用者の民を守り擁護するために、神話級の代理人を定めることができる。そのようにするなら、使用者は1d4回分の神話パワーを神話級の代理人としたクリーチャーに、神話級であれば1ヶ月間の間、非神話級であれば神話パワーを使い切るまで与えることができる。代理人が神話級の場合、これらのポイントは代理人の神話パワー使用回数の上限を1ヶ月間増加させる。代理人が非神話級の場合、少なくとも神話パワーを1回分保持している限り、代理人は基本神話能力の殺し難きものと活性を得る。 破壊方法 使用者が非神話級の女王、王、その他の支配者を代理人に指名すると、セプター・オヴ・ザ・シャイニング・ロードは爆発する。これによりこの笏の使用者は死亡し、この為政者は神話級となる。 ターンヘルム (Tarnhelm/ターンヘルム) 装備部位 頭部;術者レベル 20レベル;重量 2ポンド;オーラ 強力・召喚術、幻術、および変成術 このミスラル製の兜には目と鼻を守るための派手な覆いが付いている。この兜は狂った兄に脅されたドワーフの鍛治が、兄の野望を押し進めるために作られた。ターンヘルムは以下の能力を持つ。 使用者は(変身生物)の副種別を得る。 使用者は(ポリモーフ)効果に対する完全耐性を得る。ただし自分が効果を受けることを選択した場合は除く。 回数無制限で、使用者は擬似呪文能力としてグレーター・インヴィジビリティを使用できる。この効果は使用者が望む限り持続する。 回数無制限で、使用者はハット・オヴ・ディスガイズのように自身の外見を変えられるが、この幻術を看破するために必要な意志セーヴのDCは25である。変装用の姿を作り出すためにターンヘルムを使用している場合、使用者は〈変装〉判定に+25のボーナスを得る。 1日3回、使用者はグレーター・テレポートを使用することができる。この効果はちょうど、使用者が同名の呪文を発動したかのように機能する。使用者は神話パワーを1回分消費することで、この瞬間移動を追加で行うことができる。 1日3回、使用者はビースト・シェイプIVを発動しているかのように動物の姿を取ることができる。ただしこの効果は、終了させるか解呪されるまで持続する。使用者は神話パワーを1回分消費することで、この変身を追加で行うことができる。 神話パワーを2回分消費することで、使用者は超巨大サイズのクロマティック・ドラゴンもしくはメタリック・ドラゴンの姿を取ることができる。この効果は終了させるか解呪されるまで持続する。使用者は【筋力】に+14のサイズ・ボーナス、【耐久力】に+12のサイズ・ボーナス、+10の外皮ボーナス、飛行速度150フィート(貧弱)、非視覚的感知90フィート、暗視180フィート、ブレス攻撃、DR15/魔法、畏怖すべき存在(DC23)、噛みつき1回(4d6)、爪2回(2d8)、翼による叩きつけ2回(2d6)、尾によるひっぱたき1回(2d8)を得る。ブレス攻撃は全て16d8ポイントのダメージを与え、反応セーヴ(DCは10+使用者の階梯+使用者の【耐久力】修正値)に成功すればダメージを半減できる。それ以外の点については、この能力はフォーム・オヴ・ザ・ドラゴンIIIとして機能する。 破壊方法 ターンヘルムはアダマンティン製ハンマーを持ったドワーフの鍛冶師と、鋼鉄製ハンマーを持った人間の鍛冶師と、糸ガラス製ハンマーを持ったエルフの鍛冶師によって、ハンマーによる攻撃が成功すれば破壊される。攻撃を命中させるにはDC30の〈製作:防具〉判定に成功しなければならない。失敗するとハンマーは破壊され、ターンヘルムを破壊しようとする試みは阻害され、鍛冶師は12d6ポイントのダメージを受ける。 ダイアデム・オヴ・ノッド (Diadem of Nod/ノッドの髪飾り) 装備部位 額周り;術者レベル 20レベル;重量 ―;オーラ 強力・召喚術 ダイアデム・オヴ・ノッドは細いプラチナ製のヘッドバンドで、大きく申し分のないカットがなされたダイヤモンドが使用者の額に置かれるように飾られている。寝る際、使用者は小さな夢の次元を作り出し、そこへ移動することができる。ちょうどクリエイト・デミプレイン呪文のように、使用者は夢の次元の特性を選択することができる。夢の次元の中に入ると、使用者は覚醒しており、創造物を管理しているものと見なされる。この小さな次元界は7日間まで持続し、その後終了する。この髪飾りを再度使用するには、中でどれだけの時間をかけたかに関わらず、7日かけて再チャージしなければならない。 ダイアデム・オヴ・ノッドを使用する際、特別な危険が1つある。GMは使用者がこの髪飾りを使用するたびに、密かにDC20の意志セーヴをロールすること。失敗すると、使用者が作り出したものでなく使用者の制御下にもない不良変異がこの小さな夢の次元に加わったことを意味する。これはアニメイト・ドリーム(Bestiary 229)かもしれないし、エーテル界やアストラル界を出入りする任意の属性の他の来訪者かもしれない。不良変異は敵対的であったり非協力的である必要はない。 破壊方法 使用者が別の小さな夢の次元の中で夢を作り出すために使用すると、ダイアデム・オヴ・ノッドは破壊される。このアイテムが作り出した夢の中から破壊することはできない。 トゥルーフォージ (Trueforge/真の鍛造器具) 装備部位 なし;術者レベル 25レベル;重量 500ポンド;オーラ 圧倒的・変成術 この大きな金床はトゥルーフォージと呼ばれ、隕石から採れたアダマンティンで作られている。この金床は未知の気紛れ――もしかしたらより大きな力の気紛れ、もしかしたらこれ自身の気紛れ――に従って現れては消えていく。十分な力と知識を持つクリーチャーは、トゥルーフォージを特定の場所に固定化し、その力を用いて最高の利益を得ることができる。 トゥルーフォージを使って作業するには、卓越した技術と神話パワーの両方が必要となる。非神話クリーチャーはこの鍛治場を使用する間、フィーブルマインド呪文(DC30)の効果を受け、例えセーヴィング・スローに成功してもこの鍛造器具の利益を得ることはできない。 トゥルーフォージで労働する際、神話クリーチャーは神話階梯の二乗×2,000GPまでのコストの魔法の武器と防具を、魔法的でないコストを無視して作り出すことができる。例えば、第10階梯のキャラクターは+10強化ボーナス(200,000GPとその武器自身の費用)までの魔法の武器を作り出すことができる。錬成されるアイテムはブレストプレートやスピアなど、少なくとも一部は金属でなければならない。このようなアイテムを作り出す際、原材料は通常の半分の費用しか必要としない。しかし、(アダマンティンなどの)珍しい材質を含むアイテムを作り出すには、使用者はこういった原材料を通常の分量だけ使用しなければならない。 含まれる原材料に関わらず、魔法のアイテムでない軽い武器、片手武器、盾、軽装鎧一揃いを作り出すには、1日の労働が必要となる。2日間労働すると、中装鎧一揃いか両手武器を作り出すことができる。3日間労働すれば、重装鎧一揃いを作り出すことができる。魔法的特徴を持つアイテムの場合、決定された合計GP価格を1,000で割り、その値の平方根を算出する。その値が必要な労働日数となる。例えば、144,000GPの価値がある魔法の特徴を持つアイテムを完成する際、12日の労働が必要となる。作成者はこのアイテムのために継続して働かねばならない。この鍛治場の魔法のお陰で作業が終了するまで寝ることもなく、覚醒したままで活力に溢れている。この労働が一度1時間以上妨害されるか、1日に2時間以上妨害されると、このアイテムは破壊され、原材料の半分が無駄になってしまう。 通常の武器と鎧、魔法の武器と鎧を作ることに加え、トゥルーフォージは破損状態の魔法のアイテムを修理することもできる。通常、修理には作成する際に必要となる日数の半分の時間がかかる。アーティファクトを修理したり作り出すことさえできるが、適切な材質を集めるため準備に数ヶ月が必要で、このアイテムを用いて数週間の労働がその後必要となる。 一度に1人だけが鍛治場で労働することができる。働いている間、トゥルーフォージは作成者の神話パワーと生命エネルギーを喰らい、作成しているアイテムに注ぎ込む。魔法的でないアイテムを作成する際には危険は少ない。作成者は毎日の開始にDC25の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると永続的な負のレベル2を得る。魔法のアイテムを作成する際、セーヴDCは25+今後働く日数に等しくなる。労働する毎日の朝に、作成者は神話パワーの使用回数を、これまでの労働日数に1を加えた回数分だけ消費しなければならない。 作成者が自分のキャラクター・レベルに等しい負のレベルを得たり神話パワーが枯渇したりすると、作成者はその日の終わりに致命的な影響を受ける。通常、これにより進行中の仕事は無駄になってしまうが、仕事の最終日にこの出来事が発生すると、アイテムの作成を完了すると同時に作成者は死亡する。使用者の魂はこのアイテムの中に入り、作成者の個性を持つ知性あるアイテムが作り出される――GMが望むなら、作成者の能力のいくらかを持つこともある。 生来の能力や魔法的な防護によってレベル吸収に対する完全耐性を持つクリーチャーは、トゥルーフォージを使用することはできない。 破壊方法 トゥルーフォージは、まずこのアイテムによって作られた全てのアイテムを破壊し、それからこの鍛造器具をハンマー・オヴ・サンダーボルツによる一振りで粉々にする事で破壊できる。 ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルース (Nimbus of Radiant Truth/輝く真実の後光) 装備部位 額周り;術者レベル 20レベル;重量 ―;オーラ 強力・力術 善が偉大な英雄を必要とする時のみ、ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは姿を見せる。このような英雄だけが、気概と正義を試す危険な試練を達成することができる。ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは物体というわけではなく、使用者の頭部の周りにできた輝く天輪として顕現する。このアイテムは通常コンティニュアル・フレイムのように光を放つが、戦闘においてはデイライトのような目映い輝きにまでその明るさを強める。その輝きは他の光や闇の発生源の効果を決定する際、9レベル呪文によるものであるかのように扱われる。このアイテムの輝きは標準アクションで抑制したり再開したりすることができる。 ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは【判断力】と【魅力】に+6の強化ボーナスを与える。この効果はこのアイテムを身につけた直後の24時間の間は、一時的能力ボーナスとして扱われる。使用者は故意に嘘を吐くことはできないが、このアイテムは真実の範囲内で欺き、回答を避け、不完全な回答を行うことを止めることはない。使用者の全ての肉体武器と使用者が身につけた全ての武器は、それらが善属性であるかのようにダメージ減少を無視する。加えて、ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは以下の能力を持つ。 使用者は回数無制限で半径40フィートにゾーン・オヴ・トゥルース(DC20)を放つことができる。神話パワーを1回分消費すると、DCは30に増加する。 割り込みアクションとして、使用者は神話パワーを1回分消費することで、自由の呼び声(解放の領域の力)の利益か、後光(太陽の領域の力)の利益のいずれかを2分間得ることができる。この力において、使用者はキャラクター・レベルに等しいクレリック・レベルを持つものと見なされる。使用者はフリー・アクションとしてこの力を終了させることができるが、使用されなかった持続時間は全て失われる。 1日7回、使用者は自分のキャラクター・レベルに等しい術者レベルを持つクレリックとして、キュア・モデレット・ウーンズを使用できる。使用者は回復するヒット・ポイントの値に神話階梯を加える。 1日3回、使用者はホーリィ・オーラ(DC25)もしくはホーリィ・スマイト(DC22)を使用することができる。 1日1回、使用者は正義の力の爆発を解き放つことができる。これは使用者を中心としたサンバースト(DC27)として扱うが、善属性のクリーチャーには一切効果を与えず、悪属性のクリーチャーには2倍のダメージを与える点が異なる。この力が使用されると、このアイテムは1時間の間目に見える輝きがほとんど失われ、使用者はこのアイテムが与える強化ボーナスを全て使用できなくなる。依然として使用者は嘘を吐くことはできない。 週に1回、使用者は神話パワーを1回分消費することで、リザレクションを使用することができる。 ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースの使用者は物理的なアイテムであるかのように自分から取り除くことができ、別のクリーチャーの頭部や自律していない物体の上にこのアイテムを置くこともできる。自律していない物体の上に置かれると、ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは手に取れるようになる。生きているクリーチャーの上に置かれると、使用者が意識的に選ばない限り取り除くことはできなくなる。 悪属性のクリーチャーが身につけると、このアイテムはそのクリーチャーに20d6ポイントのダメージを与え、その後無作為な方向に1d10×10マイル先まで瞬間移動する。しかし、使用者が身につけた後に悪属性になると、ニンバスはその力を保持し、使用者にダメージを与えることもない。属性を隠す効果のある定命のものの試み(神話能力も含む)によって、このアイテムが惑わされることはない。 破壊方法 かつて完全に善で罪もなかったが、今では邪悪で腐敗した悪の深みにはまってしまった人物の頭部に置かれると、ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは破壊される。 ネザーワールド・コールドロン (Netherworld Cauldron/冥府の釜) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 1/2米トン;オーラ 強力・召喚術 この巨大な釜は黒い鉄で鋳造されている。この釜は次元間を渡る門であり、強力な存在が神話級の定命の者と物々交換したり、やりとりしたり、堕落させようとしたりする場所である神話の冥府に続いている。この釜を起動するには、神話クリーチャーは自らの血をこの黒い釜に垂らし、自身の神話パワーを捧げなければならない。この傷で少なくとも4ポイントのダメージを受けると、この釜はその人物の神話パワーを1回分吸収する。起動すると、この釜は1d20+10分の間持続する、奇妙な赤い霧で満たされる。この間、神話クリーチャーはこの釜に入り、交差点に瞬間移動することができる。非神話クリーチャーがこの釜に入ると、よじ登って外に出るか死亡するまでの間、毎ラウンド4d6ポイントのダメージを受ける。 冥府は小さく、全体で一辺0.5マイル四方の広さだ。極めて変化しやすく、冥府の外見はそこで現在待つ来訪者の意志に従い決定される。ある時間で来訪者1体だけが冥府に住むことができる。冥府に住む実体の詳細はその実体の望みと同様頻繁に変わり、つまりGMの裁定に委ねられる。 冥府の時間経過は物質界の時間と同期していないため、神話クリーチャーは望む限り冥府に居続けることができ、そのクリーチャーは釜に降りた後、ほんの数分で釜から再び姿を現す。冥府は交差点で、全ての次元界に接している。来訪者はどの次元界からでも入ってくることができるが、定命の存在は冥府から別の次元界へ移動することはできない。 破壊方法 ネザーワールド・コールドロンを用いて神話級の英雄を茹で殺しにしようとすると、このアイテムは破壊される。 プレイグブリンガー (Plaguebringer/疫病を撒くもの) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 ―;オーラ 強力・死霊術 プレイグブリンガーはアーティファクト、病気、悪意ある知性が捻じれてまじりあったものであり、発見されるというよりも感染するといった方が正しい。ひと度感染すると、プレイグブリンガーは罹患者にこれより下級の病気全てに対する完全耐性を与える。この完全耐性にもかかわらず、罹患者は病気を蔓延させることができる。事実、その肉体は定命の世界に存在する無数の病気の培養室になる。ある病気にさらされる時、持ち主は感染を避けるためのセーヴィング・スローに自動的に失敗するが、病気の効果の一切を受けない。罹患者は病気に感染することに関して、自覚はしていないが数限りない病気の感染者になる。 加えて、プレイグブリンガーは以下の能力を与える。 罹患者は攻撃ロール、術者レベル判定、セーヴィング・スローに+2の不浄ボーナスを得る。 罹患者は半径30フィートに不死のオーラを放つ。この範囲内にいる罹患者を除くすべての生きているクリーチャーは、毎ラウンド2d6ポイントの負のエネルギーによるダメージを受ける。アンデッド・クリーチャーは高速治癒5を得る。この高速治癒は既に彼らが持っているものに累積する。このオーラは標準アクションにより、抑制したり再度発生させたりすることができる。 神話パワーを消費する必要のある能力を使用する一部として、罹患者は30フィート以内にいる神話クリーチャー1体を目標とすることができる。そのクリーチャーがDC23の頑健セーヴに失敗すると、その目標は(コンテイジョンのように)無作為な病気1つに罹患し、神話パワー1回分が盗まれ罹患者に与えられる。神話パワーを盗むのに失敗すると、罹患者は通常使用する神話パワーの2倍を消費しなければならず、そうしない場合能力は使用できない。 罹患者は回数無制限で、コンテイジョンを8レベル呪文(DC23)に呪文レベル上昇して使用することができる。 罹患者は1日3回、《呪文威力強化》したヴァンピリック・タッチを使用することができる。 即行アクションとして、罹患者は神話パワーを1回分消費することで、スペル・レジスタンス、ディヴァイン・パワー、そしてデス・ウォードの利益を得ることができる。この効果は階梯毎に1ラウンド持続し、解呪されない。 1日1回、罹患者は神話パワーを2回分消費することで、1時間の間自分のために尽力するナイトウィングを招来することができる。このナイトウィングが死亡すると、1週間の間新しいナイトウィングを招来することはできない。 プレイグブリンガーには知性があり、【知力】15、【判断力】10、【魅力】20を持つ。その属性は中立にして悪で、共感により意志を通わせ、自我値は30である。このアイテムは病気を蔓延させ、苦しみの源泉となるためだけに存在する。罹患者が願えば、守護し援護する。感染している罹患者が目的の達成を拒むなら、その能力を抑制し罹患者を操ろうとする。プレイグブリンガーは罹患者のターンにおいて、接触する必要のない自分の能力を起動するために、1回の標準アクションもしくは1回の即行アクションを行うことができる。このアイテムは1日に神話パワーを5回まで消費することができる。罹患者を支配すると(Pathfinder RPG Core Rulebook 535)、このアイテムは罹患者が持つ神話パワーを使用することができる。 罹患者に感染すると、このアイテムは罹患者の感覚全てを扱うことができる。このアイテムは120フィートの有効距離がある暗視と非視覚的感知を備える。罹患者がいないとき、プレイグブリンガーは限定的にしか覚醒しておらず、聴覚と30フィートの有効距離まで届く非視覚的感知しか備えていない上、視覚を持たない。罹患者に感染していない場合、プレイグブリンガーは非常に小さなサイズであるため通常の感覚で識別することはできないが、ディテクト・イーヴルはその存在を明らかにする。このアイテムは30フィートの移動速度で飛行することができ、身体に入ることで新しい罹患者に感染することができる。目標がDC30の頑健セーヴに失敗すると、プレイグブリンガーは感染し、そのクリーチャーはこのアーティファクトの力を使用できるようになる。目標がセーヴに成功すると、プレイグブリンガーは同じ目標に対しては1ヶ月の間再度感染を試みることはできない。 プレイグブリンガーは支配しそこから離れることにした場合、罹患者から出ていくことができる。出ていくと直ちに、罹患者は複数のコンテイジョンの効果を受ける(DC30)。それぞれの病気はこの呪文に記載されている。 破壊方法 破壊するには、プレイグブリンガーはまずエンジェルの肉体に(強制にせよ騙されるにせよ)入らなければならない。その後、エンジェルは喜んで犠牲になり、星の中心部で死ななければならない。 フローズン・ハート・オヴ・コキタス (Frozen Heart of Cocytus/嘆きの川の凍れる心臓) 装備部位 なし;術者レベル 15レベル;重量 2ポンド;オーラ 強力・占術 一見すると、この物体は固く暗い色をした大まかに卵型をした岩である。さらに近づいて調べれば、実際は人型生物の心臓であることが明らかになる――凍ったように固く頑丈で、滑らかな氷に覆われている。掌で握ると脈打つように感じるが、この器官を見ても動いても形を変えてもいない。一説にはかつてゲルゴンの心臓であったとされ、昔は人間の心臓であったとも言われる。このアイテムを凝視するとその表面は暗い氷で糊塗され、監視者の目を泳がせる。持ち主がこのことを学ぶと、この心臓はテレパシーを備えたクリスタル・ボールとして機能する。 この心臓には、より邪悪な隠された能力がある。訓練により、神話クリーチャーはこの心臓を用いて単に個人についてだけではなく、居住地や都市全体を念視することができる。そうする場合、使用者の精神はその地域の情報で満たされる。まずこの知識には、人口規模、地域経済、農作物、指導者、この地で信仰されている人気のある神格に関する情報が含まれる。 使用者は見続けたいという強い欲望を抱く。もし飲食を除いて他の妨害を受けることなく見続けると、この情報は衰えることなく継続される。1d10日を超えて見続けると、心臓はさらに多くの情報を明かしてくれる。小さな組織、宗教、この居住区の経済的な影響力。指導者の強みと弱み。そしてありふれた人やこの地の権力を操り強請ろうとする邪悪な人々の多くの秘密の全て。この時点で、心臓は新しい使用者と意志を通わせ始める。その中で、心臓はより高い社会的地位、富、この地の権力を持ち主にもたらすであろう行動を示唆する。この心臓の助言はほとんどいつでも聞こえているが、いつも不幸で邪悪な結果が誰か――必ずしも使用者にとってというわけではない――にもたらされるものだ。使用者が助言に従うことを拒むと、最終的にこの心臓は姿を消し、もっと操りやすい人形を探す。 心臓の命令に決して疑問を抱かなかったり、知識の贈り物を断ることのないものは消えてしまうのだと、伝説は示唆している。この心臓の出身地である何よりも冷たい場所に至ってしまうのだと。 破壊方法 この心臓をエリュシオンの次元界に運び、アザータの居住区にある温水に丸一日浸しておかなければならない。一度溶けるとこの心臓は鼓動し始める。その後同意したブリジディーンが口づけすると、この心臓は爆発し塵に変ずる。 レジェンズベイン (Legendsbane/伝説殺し) 装備部位 なし;術者レベル 20レベル;重量 1ポンド;オーラ 強力・死霊術 この+6キーン・スピード・アダマンティン製ダガーは、神々と選ばれた定命の英雄の抵抗の中で作られた。すなわち、レジェンズベインは神話クリーチャーを殺すために作られたのだ。レジェンズベインは全ての種別のダメージ減少を無視し、神話クリーチャーとDR/エピックを持つ非神話クリーチャーに3d6ポイントのダメージを与える。この追加ダメージはクリティカル・ヒットの際に増加する。 非神話キャラクターはレジェンズベインを通常通り装備することができる。しかし神話キャラクターが初めてこのダガーを装備しようと試みるとDC25の頑健セーヴを行わねばならず、失敗するとディストラクション呪文の効果を受ける。生き延びると、神話キャラクターはこのダガーを通常通り装備できるようになる。 レジェンズベインは使用者が今まで狩った神話クリーチャーを追跡する能力を使用者に与える。回数無制限で、使用者は自分が知っている特定の神話クリーチャーを見つけるためにロケート・クリーチャーを発動することができる。 破壊方法 殺された第10ランクの神話クリーチャーの血によって清められ、ヴォーパル武器で3回攻撃されると、レジェンズベインは破壊される。この行動により、ヴォーパル武器もまた破壊される。
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英数字AOパーツ CFRP DB FRP GUP JCJC LC MCガッツ TMFL TT あ井桁(いげた) 今田ユウキ(いまだゆうき) ウェーブ ウェイト 押し出しスタート(おしだしすたーと) かカーブ キット コースアウト コーナー 公認競技会規則(こうにんきょうぎかいきそく) こした てつひろ さサイドガード 芝生(しばふ) シャーシ 社外品(しゃがいひん) 車検(しゃけん) ジャパンカップ 小径(しょうけい) スターターパック ステアリング ストレート スライドダンパー スラスト スロープ たターボエンド ターミナル 大径(だいけい) たからばこセッティング ダッシュ!四駆郎(だっしゅ!よんくろう) 武井 宏之(たけい ひろゆき) 中径(ちゅうけい) ちょい速(ちょいそく) テーブルトップ 抵抗抜き(ていこうぬき) デジタルカーブ デジタルコーナー 電池(でんち) 徳田ザウルス(とくだざうるす) ドラゴンバック な は爆走兄弟レッツ&ゴー(ばくそうきょうだいれっつえんどごー) 爆走兄弟レッツ&ゴーMAX(ばくそうきょうだいれっつえんどごーまっくす) 爆走兄弟レッツ&ゴーWGP(ばくそうきょうだいれっつえんどごーだぶるじーぴー) バッテリー 林 健太郎(はやし けんたろう) バンク バンクスルー バンパー バンパーレス 二ツ星駆動力学研究所(ふたつぼしくどうりきがくけんきゅうじょ) フライングスタート フラット ブレーキ フロント ベアリング ペラシャ 補強プレート(ほきょうぷれーと) ボディ ボディキャッチ ま前ちゃん(まえちゃん) マスダンパー ミニヨンキング ミニ四ファイター(みによんふぁいたー) ミニ四レーサー(みによんれーさー) モーター や らリタイヤ 立体(りったい) リヤ リヤステー レーンチェンジ ローラー わワンウェイホイール コメント欄 英数字 AOパーツ アフターサービスオリジナル(After Service Original)パーツの略。カスタマーサービスオリジナルパーツとも言う。 キット付属品やGUPの消耗品などを単体で購入できるもので、意外と便利なパーツも多い。なお、一部はRCモデルのパーツと共有されており、公式サイトなどで確認しないとミニ四駆で使用できるか分かりづらい場合もある。 CFRP 炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)の略。 ミニ四駆ではお馴染みのFRPをさらに強化した新素材であり、単に「カーボン」とも呼ばれる。 GFRPに比べて強度も軽さも優れているため可能な限りこちらを採用したいところだが、価格は高い。 その上限定品のカーボンにもなると入手も困難な場合もあり、ただでさえ高いプレートがオークションやフリマ等でその倍以上の価格で出回ることもある。 DB ドラゴンバック(Dragon Back)の略。 FRP 繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)の略。 基本的にミニ四駆ではガラス繊維を使用したGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic)をそう呼ぶ。 補強プレートの材料としてミニ四駆には欠かせないものとなっている。 現在ではさらに強度と軽さに優れたCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics。通称カーボン)も登場している。 GUP グレードアップパーツ(Grade Up Parts)の略。 キット付属品より性能の高いパーツや、そもそも通常キットに含まれないパーツなどが多く存在する。 その効果や目的、対応車種なども様々なので十分に確認して活用しよう。 JCJC ジャパンカップジュニアサーキット(Japan Cup Junior Circuit)の略。 LC レーンチェンジ(Lane Change)の略。 MCガッツ ダンガンレーサー時代に「ダンガンガッツ」として司会をしていた人物がそのまま現在のミニ四駆大会の司会をしている。 TMFL 二ツ星駆動力学研究所の公式の略称。 TT テーブルトップ(Table Top)の略。 あ 井桁(いげた) 一言で言えば「補強プレートを使ったオリジナルバンパー」。 強度や軽さ、セッティングの自由度を求めて、特にフラットレースで好んで使われる。 バンパー強度の低い昔のシャーシを高速走行に耐えられるようにするために生み出された。 今田ユウキ(いまだゆうき) 2021年連載開始の「ミニヨンキング」の作者。 今までの(オリジナルマシンが出てくる)ミニ四駆漫画作者と違って、マシンデザインは担当していない。 ウェーブ ストレートの一部が波打ったように左右に振られるセクション。 単体での難易度は低いが、合わせ技で難所となる場合もある。 ウェイト 元々は単純な「重り」であり、マシンの重量や重心を調整するパーツとして販売されていた。 そのためビスなどで固定して使うというのが基本だったが、後に上下に稼動させて着地時の跳ねを抑える「マスダンパー」が誕生した。ただ、可動式の場合はマスダンパーという呼び名があるため、あえてウェイトと言う場合には稼動しない重りを指すことの方が多い。 押し出しスタート(おしだしすたーと) レース開始時にマシンを押しながら手放す行為。 ダッシュ!四駆郎のアニメで度々見られた行為だが、現実では公認競技会規則で禁止されているので注意。 か カーブ 何の変哲もない普通の曲線コース。ジャパンカップなどのセクション名としては「カーブ」も「コーナー」もあるが、市販されるコースの商品名では「カーブ」で統一されているらしい。 通常のカーブでコースアウトする場合はローラーセッティングが間違っている場合が多い。特にスラストを確認するべし。 キット ミニ四駆1台分のパーツ(電池以外。一部モーターも無し)のセットのこと。 完成した状態で売られているものは含まない。 コースアウト 走るべき規定のコースから飛び出してしまうこと。 基本的に復帰は許されず、リタイアとなる。(飛び出た後にコースの別の場所に戻ってもリタイアとなる。) 店舗大会では全員がコースアウトになると再レースが行なわれることが多いが、公式大会では再レースはされない。 コーナー 何の変哲もない普通の曲線コース。ジャパンカップなどのセクション名としては「カーブ」も「コーナー」もあるが、市販されるコースの商品名では「カーブ」で統一されているらしい。 公認競技会規則(こうにんきょうぎかいきそく) タミヤが主催するミニ四駆レース用に設定したルール。 店舗大会でも基本的には同じルールを使用しているところが多いため、殆どのミニ四レーサーが遵守している。 他の競技ホビー(カードゲーム等)のように大会を席巻したというだけですぐさま規制されるようなことはあまりないが、コースを破損・汚損する事例が出た場合はその限りではない。 2020年代以降、社外品や個人で改造を施したパーツを可能な限り駆逐する目的でルールを強化している例もある。 こした てつひろ 2次ブームを牽引した漫画、「爆走兄弟レッツ&ゴー」、「爆走兄弟レッツ&ゴーMAX」の作者。 フルカウルミニ四駆やエアロミニ四駆のデザイナー。 さ サイドガード シャーシ中央の両横に突き出たバンパー状のもの。 ローラーやスタビポール、マスダンパー等を装着するのに使う。 ゼロ、スーパー1、スーパーⅡシャーシは着脱式になっている他、MSシャーシにはそもそも存在しない。 その他のシャーシではシャーシと一体型なので使用しないなら軽量化のために切断してしまえば良いように思えるが、シャーシの強度が大幅に落ちてしまう場合もあるため注意。 芝生(しばふ) 人工芝が地面に貼られた箇所であり、車高やタイヤによっては速度を大幅に落としたり、ジャンプの着地時に引っかかったりする。 シャーシ 様々なパーツを載せる基盤。 重量バランスやホイールベース、対応するパーツなどが異なるため、走行性能に大きく影響する。 社外品(しゃがいひん) タミヤ以外の他社が販売しているパーツ等の事。 黎明期には他社のミニ四駆のようなものや、2000年代前半にはバンダイの爆シード等も存在したが、それらは社外品という呼び方はしない。 高額になりがちなカーボンプレート等が安く入手出来るのもあって使いたくなるかもしれないが、公式レースで使用するのは論外。 店舗のフリー走行であってもタミヤレギュに厳しい人からよく思われない事も考えられるので、個人的な練習走行に留めるのが無難。 商業的な意味でミニ四駆の存続にも関わるので、可能な限り純正品を手に取るのが望ましい。 車検(しゃけん) レース前あるいはレース後に運営スタッフがルール通りの仕様になっているかをチェックすること。 原則としてここで指摘された部分を修正しなければレースに出場できない。 ジャパンカップ 30年以上の歴史を誇るミニ四駆最大の公式大会。 主な出来事 1988年 初開催ながら参加者1.5万人、動員数5万人を記録。ここからジャパンカップの歴史が始まる。会場には「ドミノアタック」や「ジェットスパイラル」といったコーナーも存在した。 1989年 応募が必要になる。 1990年 1991年 上位入賞者には航空券が贈呈され、香港大会に親善大使として招待された。 1992年 ミニFと同時開催。コースもミニF用と立体交差になっていた。 1993年 1994年 1995年 1996年 第二次ミニ四駆ブームの影響で参加応募6万通、動員数30万人を記録。 1997年 初心者向けのチャレンジ部門ができ、上級者向けのエキスパート部門と区別。 1998年 1999年 ミニ四駆人気の低迷により一旦ジャパンカップの歴史に幕を下ろす。 2012年 ミニ四駆人気再燃により既に公式大会は開催されるようになっていたが、ミニ四駆30周年を記念してジャパンカップが復活。従来通り中学生以下限定のジュニアクラスに加え、年齢制限無しのオープンクラスが登場。 2013年 2014年 ジュニアクラスとオープンクラスに加え、各大会優勝者(チャンピオンズ)によるチャンピオンズクラスや親子で参加できるファミリークラスが誕生。 2015年 2016年 スマホアプリ「タミヤパスポート」にて事前応募 抽選制になる。 2017年 2018年 2019年 初心者向けのトライアルクラスが登場。 ミニ四駆 ジャパンカップヒストリー ~History Of The Japan Cup~参照。 小径(しょうけい) タイヤやローラーの直径が小さいもの。 タイヤの場合は26mm以下、ローラーの場合はとくに定義されていないが、13mmを下回る物は小径と呼んで差し支えないだろう。 また現在は、26mmのローハイトタイヤではない(あちらは便宜上中経と呼ばれることがある)という意味で小径と言われることもある。 スターターパック 初心者がミニ四駆を改造する第一歩に必要となるようなパーツが最初からセットになったキット。 大体の内容としては、 ノーマルモーターよりワンランク上のチューン系モーター 補強プレート ローラーセッティングの幅を広げるローラーやビス ブレーキ マスダンパー 工具 が入っており、何から手を出して良いか分からないミニ四駆初心者でも改造の基本を学ぶ事が出来る。 ミニ四駆単品に比べ倍程度の価格ではあるが、パーツを個々に購入するよりも大幅に安く済む価格設定になっている。 また、本来限定品であるスーパーハードタイヤや黒いフロントアンダーガードが入っていることもあり、初心者でなくとも見所のあるキットとなっている。 ステアリング 本来まっすぐしか走れないミニ四駆のタイヤを、コーナーに合わせて角度の変更をさせるシステム。 かつては「ミニ四駆ステアリングシステム」というパーツが売られており、対応シャーシは限られていたが容易に実装はできた。 が、このパーツだけではタイヤを「曲げられる」だけであり、コーナーに合わせて操作できるようにする機能は自分で作る必要があり、 いずれにせよ効果は薄いとされ夢パーツの代表格だった。 ストレート 何の変哲もない直線コース。 マシンが最も安全かつ速く走れる場所だが、実際にはセクションの繋ぎ目に使われているだけで落ち着いて走れるわけではないことも多い。 スライドダンパー バンパーやリアステーに装着してフェンスにぶつかった時の衝撃を吸収する、いわば「対フェンス用の横向きサスペンション」。 出た当初から少し経った頃、フラット全盛になった時代は衝撃を吸収させるよりも軽さが重要だったのと、そもそものパーツの耐久性が低かった事もあって夢パーツ扱いされていた時期もあった。 ところが、立体レースが主流になって安定性を求められたのに加え、頑丈で品質の良い新型が出たことで一躍人気パーツの仲間入りを果たした。 マシンの速さやレイアウトによってスプリングとグリスの固さで効き具合を調整して使う。 裏技としてスプリングの中にスペーサーを入れることで可動域を制限し、コーナーでの減速を抑える効果も狙える。 余談だが、バンパーが左右に動くためコーナー入口でより長い距離を直進できると謳われていた事もある。実際にはコーナーで外側を走ってしまうため総合的な距離は長くなってしまうのだが。 スラスト ローラーを横から見た時の角度を指す。 フロント側が低くなっている場合は「ダウンスラスト」、フロント側が高い場合は「アッパースラスト」と呼び、その角度を「スラスト角(かく)」と呼ぶ。 ダウンスラストがあるとコーナリング中にローラーがマシンを押さえつけることで安定して走行できる。逆にアッパースラストにするとローラーが車体を持ち上げてしまうためコースアウトしやすくなる。 ただのコーナーでコースアウトしてしまう場合は大体アッパースラストになっているのが原因。 初期の一部のシャーシを除いて最初からフロントバンパーにダウンスラストが付けられており、コーナーで安定した走行ができるようになっている。 スロープ コースを一段高い位置へと繋ぐセクションであり、コースを交差させたり複数の階層を持ったりといった立体化を実現する。 それにより限られたスペースでも長く、そして迫力のあるレイアウトとなる。 た ターボエンド ボディキャッチの懐かしい呼び方。 第1次ブーム世代にはこちらの呼び方の方が馴染み深いかもしれない。 今でも確認できる出典としては、GUP「ウイング・ターボセット」(クラシックVol.2に付属)の商品説明文や説明書で、ターボエンドという名称が使われているのが見える。 ターミナル 電池とモーターを繋ぐ金具のこと。 最近の物は全て銅製であり(昔は真鍮製のもあった)適切にメンテナンスをすれば抵抗はかなり低くなるが、メンテナンスが面倒な人は金メッキを施したゴールドターミナルを使う場合も多い。 地味にMS、MAシャーシ用のターミナルは他の物より分厚く、効率よく電気を送れる。 大径(だいけい) タイヤやローラーの直径が大きいもの。 タイヤの場合は31mm以上、ローラーの場合はとくに定義されていないが、15mmを上回る物は大径と呼んで差し支えないだろう。 たからばこセッティング 「ホビーショップたからばこ」で誕生し確立されたとされるローラーセッティング。 フロントに2つ、リヤに4つのローラーを装着し、これらを規定幅いっぱいに広げ、さらにリヤローラーは高低差を大きくする。 マシンを横倒しにした時に3個のローラーで立つ状態が理想とされ、これができないと一定速度を超えるとコーナーでバランスを崩してコースアウトすることを意味するため、強いこだわりがある場合を除いてこのセッティングにしておく事が推奨される。 なお、後にローラー数の制限が廃止されたため、6個で済ませて軽くするのか、もっと増やして安定性を増すのか等の自由度が高まった。 ダッシュ!四駆郎(だっしゅ!よんくろう) ミニ四駆第1次ブームを牽引した漫画、アニメ。 四駆郎をリーダーとするダッシュ軍団(ウォリアーズ)が大会を勝ち進んでいく内容となっている。 武井 宏之(たけい ひろゆき) ダッシュ!四駆郎に登場する「シューティングスター」の原案を投稿した過去を持ち、「ハイパーダッシュ!四駆郎」を連載していた。 現代版ダッシュマシンのデザイナー。 2021年からは「ミニヨンキング」の原案、マシンデザインも担当している。 中径(ちゅうけい) 直径26mmのタイヤの俗称。あくまで俗称であって、正式に定義されているわけではない。 過去に開催されていた小径限定レース(26mm以下)のルールに照らし合わせれば、一応26mmも小径の分類にはなる。 ちょい速(ちょいそく) 3.7:1ハイスピードEXギアの通称。 3.5:1の超速に対して「ちょい速」。 テーブルトップ スロープ上りと下りの間にストレートを挟んだセクションのこと。 ドラゴンバックなどのようにスロープのみで構成されている場合と異なり、ストレートが加わったことによって速度によってはスロープ下りで着地しようとしてリヤブレーキなどの接触によりバランスを崩しやすくなってしまう。 比較的シンプルなのでよく見られるが、他のセクションとの兼ね合いによっては難所となる。 抵抗抜き(ていこうぬき) 駆動の抵抗を軽減するための様々な改造の総称。 特に駆動の完成度が高くない古いシャーシでは必須の改造とされる。 上手く行えば綺麗な駆動音を鳴らすマシンが完成するが、駆動音や空転時間ばかり気にして「トルク抜け」を起こさないように注意。 デジタルカーブ 普通のカーブは滑らかな曲線だが、こちらはストレートを複数使ったようなカクカクとしたカーブになっている。 一見すると普通のコーナーと変わらないが、マシンの安定性や速度を大幅に落としに来るため、 対策できていないとスピードが落ちすぎたり最悪コースアウトする。 デジタルコーナー デジタルカーブの事。正式名称ではないが、通常のカーブをコーナーと呼ぶ人が多いためデジタルについても同様に呼ばれることが多い。 電池(でんち) バッテリーともいう。 現在のミニ四駆では主にネオチャンプというニッケル水素電池が使われており、他にパワーチャンプというアルカリ電池も販売されている。また、かつてはニカド電池も販売されており、原則として公式大会ではこの3種類が使用できる。 上級者はネオチャンプの充電方法として様々な装置を利用するなどしているが、危険度も高いため注意。かつて公式大会の会場で爆発した事例があり、それ以降会場での充電は禁止されている。店舗で充電できる場合もあるが、同様の事故が発生すれば禁止されてしまう可能性もあるため注意。 徳田ザウルス(とくだざうるす) 「ダッシュ!四駆郎」「風のレーサー侠」「ダッシュボーイ天」などの作者で、2006年に他界された故人。 レーサーミニ四駆の一部、そしてスーパーミニ四駆のデザイナーだった。 ドラゴンバック ストレートの部分に小さな盛り上がりがあり、小ジャンプさせるセクション。コブとも呼ばれる。 元々は名前の通り龍の背中のように3連になっているものをドラゴンバックと呼んでいたが、最近は単独でもこう呼ばれる。 3レーン市販品でもスロープセクションを繋げてそれっぽく再現できる。この場合、本家のドラゴンバックよりも高低差が大きく、難易度が上がる。 な は 爆走兄弟レッツ&ゴー(ばくそうきょうだいれっつえんどごー) ミニ四駆第2次ブームを牽引した漫画、アニメ。こしたてつひろ作。 星馬兄弟(烈、豪)を主人公とし、多数のフルカウルミニ四駆の活躍を描いた。全13巻。 漫画では世界編もまとめて無印だが、アニメ版は世界編をWGPとして分けている。 「レッツ"アンド"ゴー」ではない。 爆走兄弟レッツ&ゴーMAX(ばくそうきょうだいれっつえんどごーまっくす) 世界チャンピオンになった星馬兄弟から主役を交代し、「一文字兄弟(豪樹、烈矢)」を軸にエアロミニ四駆の活躍を描いた作品。全7巻。 爆走兄弟レッツ&ゴーWGP(ばくそうきょうだいれっつえんどごーだぶるじーぴー) アニメ版において世界編をWGPとして分けられた名称。無印と主役は同じ。 バッテリー 電池のこと。タミヤでは、ミニ四駆用の商品名や公認競技会規則では電池で統一されている。 詳細は電池の項を参照。 林 健太郎(はやし けんたろう) 「二ツ星駆動力学研究所」の作者。 実在するミニ四駆チーム「TMFL」のメンバーであり、実際に公式大会に出場している。 バンク コーナーの外側を持ち上げて角度をつけたセクション。あるいはそのセクションの出入り口にあたる部分を指す。 バンクの途中にストレートを挟んだり角度を急にしたりと意外とバリエーションは多い。 パワーやグリップ力の無いマシン、もしくはブレーキセッティングを間違えたマシンはここで大幅な減速を余儀なくされ、最悪の場合登りきれずに止まってしまう。 スロープほど汎用性は高くないもののコースを交差させることができ、限られたスペースでも長く、そして迫力のあるレイアウトを作れる。 バンクスルー バンクでブレーキがかからないようにするセッティング。 これができていないとバンクで大幅な減速が起こり、最悪の場合登りきれずに止まってしまう。 バンパー シャーシのうち、前後に突き出してローラーなどを設置できる箇所を指す。 多くのミニ四駆はフロントバンパーだけだが、一部シャーシではリヤバンパーも存在する。 コーナリング中やコースアウト時などに力がかかりやすい部分であり、強度が求められる。 他のミニ四レーサーと同時に走る際には逆走により正面衝突などが起こることもあり、そういった意味でも特にフロントバンパーは補強しておくと安心。 バンパーレス ミニ四駆に元々あるバンパーを切り取るなどしてなくした状態。あるいはその後補強プレートを取り付けてバンパーの代わりを自作する改造。 軽量化やローラーセッティングの自由度を求めて多くのミニ四レーサーが行っているが、基本的にはシャーシの大胆な加工を伴うため比較的難易度は高い。 しかし、MSシャーシは別売りのバンパーレスユニットに交換することで無加工でバンパーレスを実現できるようになった。また、VZシャーシはフロントバンパーが分割式になっており、バンパーパーツを取り付けないことでバンパーレスに近い状態で使用できるようになっている。そのため現在では敷居は下がりつつある。 二ツ星駆動力学研究所(ふたつぼしくどうりきがくけんきゅうじょ) 実在するミニ四駆チーム「TMFL」を描いた漫画で、全3巻。 実在するミニ四レーサー達を描いているため実用性の高い改造が多く、センチネルポールシステムなどはこの漫画から広まっている。 各種雑誌で長らく掲載されていたが、2017年後期に完全に連載を終了した。 フライングスタート スタートの合図より早くマシンを接地させてしまうこと。 当然やり直しになったり失格になったりする。 フラット 殆どが平面で構成されるコースレイアウトの一つ。「立体」の対義語。 コースアウトの危険がレーンチェンジ以外に無く、完走するだけなら難易度は低い。 しかし、その分非常に高速度が求められ、現在ではフラット専門の上級者に席巻されている。 ブレーキ 減速を目的としたパーツ。あるいはそれによって減速させること。 ミニ四駆の場合はバンパーの下部などに装着した滑りにくい素材でできたブレーキを接地させて行う。 立体コースでは必須パーツと言っても過言ではない重要な要素。 フロント ミニ四駆の「前部」の部分のこと。「リヤ」の対義語。 特に前後に装着するタイヤやローラー、ブレーキなどに接頭語として用いられることが多い。 その他に、FM系シャーシに関してフロントモーターという表現もある。 ベアリング 「軸受け」のこと。 ボールベアリングを想像する人が多いが、それ自体は回転しないものも含まれる。 駆動の抵抗を軽減するための重要なパーツ。 ペラシャ プロペラシャフトの略。 補強プレート(ほきょうぷれーと) バンパーなどを補強するための別売りのプレートの総称。 素材としては主にアルミ、GFRP(繊維強化プラスチック。通称FRP)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック。通称カーボン)がある。他に限定販売のジュラルミンも存在する。 特にFRPまたはCFRPのものがよく使われており、種類も多い。シャーシごとに相性もあるため対応車種などを確認しよう。 最初のうちは必要性を感じないかもしれないが、強度不足が目に見えるレベルになった時には手遅れな場合もあるため、なるべく早いうちに使用し始めると安心。また、バンパーなどのローラー穴は傷みやすいため、シャーシごと買い換えることを考えると最初からプレート類を使用しておいた方が安上がり。 上級者はより強度が高く軽量なカーボンを好むが、強度の差以上に値段の差が大きいため、初心者は比較的安価なFRPを使用し、より高い強度を求めたくなったらカーボンにステップアップすると良い。 ボディ マシンの外観を形作るパーツ。バギー系、実車系、漫画原作などデザインも豊富。 多くのキットで採用されている所謂プラボディの他に、一部キットとGUPで使われているクリヤーボディ(ポリカーボネート製なのでポリカボディとも)がある。 クリヤーボディの方が軽量なため上級者の多くが使用しているが、ボディの種類は限られてくるため最初のうちは好きなデザインを選べば良い。 シールを貼るだけで終わらせたり、本気で塗装したり、果ては複数のボディを組み合わせてオリジナルを作り上げたりと、ある意味最も個性の現れやすい箇所でもある。 ボディキャッチ ボディとシャーシを固定するパーツ。「ターボエンド」とも。 ま 前ちゃん(まえちゃん) 本名、前田 靖幸(まえだ やすゆき)。ミニ四駆の第1次ブーム時代に特にメディア露出の多かったミニ四駆開発者の一人。 マスダンパー ウェイトの中でも可動式のものを指す。主に上下に稼働し、着地時にマシンの跳ねを抑える効果がある。 建物の制振装置としても利用されており、正しく使えば効果は絶大。 一方で、間違った取り付け方をすると最悪の場合バランスを失いやすくなってコースアウトの原因となる。 ミニヨンキング 2021年にコロコロコミックで連載されたミニ四駆漫画。原案:武井宏之、漫画:今田ユウキ。 主人公、工藤モー太とレーザーミニ四駆の活躍を描く。 メインキャラの多くがミニ四駆の部品から名前を取っているのも特徴。 2023年4月に(ほぼ打ち切りに近い形になるが)最終回を迎えた。 ミニ四ファイター(みによんふぁいたー) ミニ四駆を代表する司会としてタミヤが制定した社員。 実在の人物だが、漫画化もしている。また、爆走兄弟レッツ&ゴーシリーズではアニメにも登場している。 80年代後半~90年代前半まで活躍した初代ファイター、それ以降第2次ブーム末期まで活躍した2代目ファイターが存在した。 ミニ四レーサー(みによんれーさー) 特定の人物ではなく、我々ミニ四駆を走らせる全ての人間を指す言葉。 「F1レーサー(えふわんれーさー)」をもじった語呂のいい言葉でもある。 これは他の用語にも当てはまるが、「ミニヨン」でもなければ「ミニ四駆」でもなく、「ミニ四」である。 モーター バッテリーと同様にミニ四駆の性能を大きく左右するパワーソース。適切な慣らし運転などでマシンの走りが大きく変化する。 また、他のパーツ(特にギヤやタイヤ径)との組み合わせも重要。 や ら リタイヤ 走行を続けることが困難となり、完走できなくなること。 ミニ四駆公認競技会規則では以下の4つがリタイヤと定められている。 レース中に競技車がコースアウトおよび転倒した場合 競技車がコースフェンスを越え他のレーンに入ってしまった場合 レース中に競技車のボディが外れた場合 同じ車線内で他の車に追いつかれ、後続車の走行を妨げるおそれがあると競技役員が判断した場合 立体(りったい) 立体的なコースレイアウトのこと。「フラット」の対義語。 現代ではこちらが主流となっている。 フラットよりも難易度が高いが、コースによって最適なセッティングが変わりやすいため攻略の楽しさがある。 また、一見すると初心者に厳しいように見えるが、実際は上級者でもある程度速度を落とさざるをえず、その上コースアウトもしやすいため、レースでは意外な逆転劇が展開されることも多い。 リヤ ミニ四駆の「後部」のこと。 特に前後に装着するタイヤやローラー、ブレーキなどに接頭語として用いられることが多い。 その他に、リヤステーもある。 なお、タミヤ公式の表記は「リヤ」。ミニ四レーサーも「リヤ」の方が多数派ではあるが、ミニ四駆以外では「リア」と呼ばれている事も多いため、「リア」派も少なくない。現にこのサイト内でも編集した人によって表記が混在している箇所がある。 リヤステー リヤにローラーなどを取り付けられるようにするためのパーツ。 ミニ四駆は元々フロントにしかバンパーがなかったため、多くのシャーシはシャーシ単体ではリヤローラーなどが取り付けられず、リヤステーを装着するか補強プレートを使用する必要がある。 一方で、MSシャーシではリヤバンパーとして事実上のシャーシ一体型となっており、その後AR、MAシャーシでもシャーシ一体型になっており、リヤステーが不要になっている。 レーンチェンジ コース上のマシンが走行するレーンを入れ替えるセクション。 複数台が横並びで走行するミニ四駆サーキットではレーンによって走行距離に違いが出てしまうことがある。また、レイアウトによってはコースアウトしやすいレーンができる場合もある。そこで、レーンチェンジを使って走行するレーンを入れ替え、全てのマシンが全てのレーンを走ってスタートしたレーンに戻ってくることをゴールとして扱うことで公平なレースが行えるようにしている。 なお、一般的なレーンチェンジはスロープを使って他のレーンの上部を通過するようになっており、初心者にとってはコースアウトしないよう対策が求められる最初の難関と言える。 ローラー まっすぐにしか走れないミニ四駆がコーナーフェンスに当たった時にスムーズに走行できるようにする、ミニ四駆ならではのパーツ。 強度の高いアルミベアリングローラーが主流。コースによっては接地面が低摩擦プラスチックのものやゴムリングのものも使われる。 わ ワンウェイホイール 実車における「ディファレンシャル」をミニ四駆で簡易的に再現したホイール。 ホイールの中にあるギアがコーナー外周時に空転するようになっており、内側との回転差を吸収してスムーズなコーナリングを実現する。 実際には重量などのデメリットの方が大きいとして夢パーツ扱いされているが、一部の改造との相性は良いため場合によっては上級者も使用する。 コメント欄 ありそうでなかった用語集を作ってみました。用語の追加や折りたたみも実装予定です -- 名無しさん (2017-11-07 13 18 28) いくらか用語を追加しました。こんな風に作れば概ね問題ないはずなので、皆で充実したページに出来ればと思ってます -- 名無しさん (2017-11-07 14 09 00) 人物欄は本当にさわりだけ書いた感じなので、追記出来る方はじゃんじゃん追記しちゃってください -- 名無しさん (2017-11-07 16 50 48) 画面の端で改行されないのは何故だろう、恐ろしく読みにくい… -- 名無しさん (2017-11-07 17 52 52) こっちでは問題ないんだけど、ちょっとそっちの環境教えて欲しい。こっちは窓10のFirefox56.0.2 -- 名無しさん (2017-11-07 17 57 38) Edgeでも確認、問題なし -- 名無しさん (2017-11-07 17 59 13) iOS11、Safariです(小声) -- 名無しさん (2017-11-08 20 58 00) ケータイだから当たり前だって感じならpcから見るようにします -- 名無しさん (2017-11-08 20 58 32) こっちのスマホ環境でも確認してみましたが、モバイルサイトで折りたたみ入ってると改行がうまくいかない?感じでした。アンドロイド7の狐です -- 名無しさん (2017-11-08 23 18 39) スマホのブラウザはいじってて腹立ってくるのでこれ以上検証、改良する気はないです。他の方に丸投げします -- 名無しさん (2017-11-08 23 24 43) なるだけ手間がかからず、PC・モバイル共にそれなりに見易くとなると、一文毎に改行コードを入れるのが無難っちゃ無難かも。(Android7.0/Firefoxにて確認済) -- 名無しさん (2017-11-09 19 58 04) 確かにページ内で折りたたむ例は今まで無かったし、例外措置って言うことで改行を多用した方が良さそうですね。その辺整頓しながら追記していこうかと思います。他の方も色々追記頼みます -- 名無しさん (2017-11-09 20 51 15) ひとまず改行を入れてみました。これでもモバイル環境で横スクロールは出てしまいますが、PCでの閲覧も加味すると、20~30文字前後での改行が落としどころなのかな、という気がします。 -- 名無しさん (2017-11-10 14 00 31) いくらか追加。やっぱり改行を多用すると長く感じる記事もあるけど、「用語集」にどこまで詳しい説明を求めるのかは人によって違うので、妥協点が見つけづらいですね -- 名無しさん (2017-11-10 14 55 04) 色々ありがとうございます… -- Safariの人 (2017-11-10 18 30 53) 用語集ページ開設者だけど、根本的な質問。今は折りたたみ式にしてるけど、上にカテゴリ一覧を出してリンクでその位置に移動するタイプもあったなーって思ったんで、どっちがいいか悩んでます。 -- 名無しさん (2017-11-10 20 45 01) このやり方だとページ隠さずに済むし、改行の問題も解決しそうなので。 -- 名無しさん (2017-11-10 20 46 39) アクセス数、編集数見てもやっぱり用語集って需要あったんだなぁって改めて。そしてスターターパックの更新頻度ねw -- 名無しさん (2017-11-11 04 08 01) 名前 コメント
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▼● Orlando s Antiques 依頼者: オルランド(Orlando) / マウラ・古物商オルランド 依頼内容: ゴブリン達が埋めるガラクタを掘り当て、 同じガラクタを8個ずつ持っていくと 高く買い取ってくれるらしい。 マウラ / 古物商オルランド 通常時 +... Orlando ん? なんか用か? ワシは古物屋のオルランドだ。 ワシが用のあるのは、チョコボに乗れる奴だけだ。 他の連中に用などない、とっとと帰ってくれ。 Orlando おお、おヌシは チョコボに乗れるようだな。 ワシは古物屋のオルランドだ。おヌシに おりいって頼みたいことがあるのだ。 Orlando 知っておるかね? 町の外を徘徊しとるゴブリンどもの中には、 持ち物を地中に埋める奴らがおる。 Orlando 奴らが何か埋めた後を チョコボで掘ってみるといい。うまくいけば お宝を見つけられるかもしれんぞ。 Orlando まあ、大半はどうしようもない ガラクタばっかりなのだが、な。 そのガラクタを、ワシが引き取ってやろう。 Orlando まとめてワシのところに 持ってくるがいい。同じモノを8個単位で 買い取るぞ。値段はモノによりけりだ。 Orlando それじゃ、待っとるぞ。 他のモンスターに気をつけてな。 Orlando 口の悪い連中は、 ワシのことをガラクタオヤジとぬかしよる。 ヤツらにゃモノの価値がわからんからな。 (Orlandoに[特定のアイテム]を8個トレード) +... ゴブリンダイス ゴブリンの遊戯『ミスラの尻尾』用のサイコロ。 正確な多面体ではないため、目が偏るのがミソ。 歯の入った麻袋 ゴブリンの虫歯コレクションが入った汚い麻袋。 ゴブリンの伝承では、虫歯は悪運を強める。 爪の入った麻袋 ゴブリンの爪コレクションが入った不潔な麻袋。 ゴブリンの腐茶の材料とされる。 腐肉 腐敗した動物の肉。 鼻をつく悪臭がする。 魚の骨 身が食され、頭と骨だけになった魚。 ゴブリンは頭を好むので、喜んで手に入れる。 ゴブリンカップ ゴブリンが腐茶を淹れるのに用いる青銅製の容器。 がら 何かの鳥の骨。 スープの味付けに使われる。 獣人貨 ヤグードの鋳造した青銅の硬貨。 獣人社会で広く流通している。 獣人銀貨 ゴブリンの鋳造した銀の硬貨。 獣人社会で広く流通している。 獣人ミスリル貨 クゥダフの鋳造した霊銀の硬貨。 獣人社会で広く流通している。 獣人金貨 クゥダフの鋳造した金の硬貨。 獣人社会で広く流通している。 Orlando おお、持ってきよったか。 [特定のアイテム]か……[Number]ギルで買い取ろう。 また探してくるんだな。待っておるぞ。 Orlando おお、またきたか。 ガラクタは同じ物を8個単位で買い取るぞ。 値段はモノによりけりだ。待っておるぞ。 ▲ ■関連項目 マウラ , 傷ついたチョコボ Copyright (C) 2002-2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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ルー・ガルー戦記11 企画wiki 設定打ち合わせ用ページ 舞台は、戦乱の続く架空の古代欧州風世界、ルー・ガルー。 カーマルグ半島はその一地方です。 衣食住や動植物などはギリシャあたりのイメージでどうぞ。 火薬、魔法、幻想生物、電力などは存在しません。 プロローグ開始時点で、両陣営ともカーマルグ半島に到着し、野営拠点を設置し終わっています。 距離の目安として、カーマルグ半島の端から端まで、馬を走らせれば1日で到達可能です。 (物語的には、間に合うべきときは間に合うし、そうでなければ惜しくも届かないお約束) 大河を国境として隣り合う牧歌的なプラメージ王国と閉鎖的な軍事都市国家ゼファー。 プラメージ王国の南端にあるカーマルグ半島は、半島と呼ばれるものの干潟でつながっており、満潮時には島のようになります。 カーマルグ半島の南端にはトルーンという町があります。 プラメージ王国は広い土地をもつ牧歌的な古い王国で、芸術や学問も盛んです。(首都は地図外にあります) 今回、動員した兵士は9,000人+カーマルグ半島の義勇兵1,000人 プラメージ王国では、身分を問わず壮健な若い男子を選んで3年間の兵役を課しており、 今回の戦いに参加する兵たちも兵役中の民です。(兵役1年目・2年目・3年目が各3,000人) 軍でリーダーシップを発揮した者は、退役後に国政に携わる道も開けています。 装備は青銅製の軽くて良いものを揃えており、壊れても支給があります。 軍船は8隻まで運用可。 ゼファーは少数の市民(男子のみ)とその他大勢の従民(女子と奴隷)からなる都市国家です。 領地の広さはカーマルグ半島と同じくらいであり、土地は痩せていて生産性は高くありません。 そのため閉鎖的・禁欲的な政策をとっており、市民は幼少時から軍事教練に明け暮れています。(スパルタみたいなイメージです) ゼファー兵は統制もとれ、単独でも戦術行動がとれ、個人戦闘力も高いと恐れられています。 ゼファーの国家元首2名は毎年、市民の投票で市民の中から選ばれます。 今回、動員した兵士は4,000人(元首1名も参戦)。 装備は家伝の古いもので、重く頑丈な鉄製。実用一点張りです。 軍船は4隻まで運用可。 ※進行中の兵糧については現地で調達ができているものとします。 ※援軍や他勢力の介入はないものとします。 ※それぞれ、首都防衛のできる兵力は残してきているものとします。 ※青銅は鉄に比べて強度が劣りますが、青銅でもうまくすれば鉄板を貫けます。
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鉄(てつ) 万屋ポーレポールにて販売中。 鉄を材料として使うアイテムの作成時に、このアイテムを材料として使用できる。 分量 = 1キロとして扱う。 L:鉄 = { t:名称 = 鉄(アイテム) t:要点 = 光沢,各種形状,金属 t:周辺環境 = 工房 t:評価 = なし t:特殊 = { *鉄のアイテムカテゴリ = ,,,携帯型アイテム。 *鉄の位置づけ = ,,,{消費型アイテム,素材,ショップアイテム}。 *鉄の取り扱い = ,,,万屋ポーレポール。 *鉄の販売価格 = ,,,1マイル。 *鉄の分量 = ,,,1キロ。 *鉄の特殊能力 = ,,,鉄を材料として使うアイテムの作成時に、このアイテムを材料として使用できる。 } t:→次のアイドレス = なし } 解説 万屋ポーレポールで販売されているアイテム素材。 元素記号Feのいわゆるアイアン。 鉄を材料としたアイテム作成の際に資源の代わりに使用する事ができ、ルール何万トン単位でしか扱えない資源を使うのに比べて、必要量だけを用意できる分だけ効率がいい。 取り扱いはキログラム単位となっており、それぞれの価格は下記のようになっている。 1kg:1マイル 10kg:1マイル 50kg:2マイル 100kg:3マイル 500kg:12マイル 鉄は人類にとってもっとも身近な金属の一つであり、有史以前から隕鉄などを用いて使われ続けてきた。 製鉄技術が普及し始めたのは紀元前15世紀頃のヒッタイトとされており、それは無名世界観でも製鉄技術の発生がテックレベル0とテックレベル1の境目とされる程の大きな変化であった。 もっとも大きな変化と思われるのが鉄製武器の登場であり、古代の名剣の何本かは旧来の青銅製武器との性能差があまりに鮮烈だったため伝説化したものであると言われている。 また、一部の神話や伝承で見かけられる鉄を嫌う種族・神族などは、神話や伝承の原型となった部族間の争いで鉄製品を持った部族に敗北した事が鉄を嫌っている要因であると言う話もある。 こういう話をすると鉄で武器を作りたくなるところだが、もしも武器を作るなら同じく万屋ポーレポールで取り扱っている鋼鉄を使った方がいいものができると思われるので注意して欲しい。 鉄を使って何か作るならば、昔のアイルランドのハープや日本の馬の鐙や蔵などに鉄が使われていたので、それらに挑戦してみるのがいいかもしれない。 保有国一覧 藩国名 入手履歴 保有者 使用履歴 現在所持数 神聖巫連盟 09/11/05:100キロ購入 藻女 09/11/05:100キロボールズへ譲渡 0 参考資料 万屋ポーレポール アイドレスWiki:鉄 上へ 戻る 編集履歴:矢上麗華@天領 (2010/08/17) 解説:那限・ソーマ=キユウ・逢真@FEG (2009/10/18) イラスト製作:松井@FEG (2008/9/5)
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概要 【大きさ】最大級(30メートル前後) 【能力】熱死・強力なクリッター・ボイス 【弱点】全関節部の破壊 西亨の伝説に登場する青銅製の自動人形の姿をしたクリッター。 ひどく歪んだ人型であり、長大な両腕は引き摺って移動する。その際に周囲に破壊をもたらす。 《奇械》ザハークに対応する33体のクリッター。すべて同型であるが、それぞれに微妙な差異がある。 巨人の姿をしている。主に水源や貯水池で出現することが多いとされる。 背中にゼンマイ捻子がある。 インガノック歴5年に出現した際には上層兵の師団を壊滅させ、1万~10万の人々を殺した。その時の個体が最大のものという説が有力。 クラック・クロック・クロームによれば《三博士》さえ戦慄するらしい。 赫炎のインガノック5章にて、テンプレ死。 概要 能力熱死 強力なクリッター・ボイス 元ネタ 関連項目 登場作品 能力 熱死 あらゆる物理攻撃を蒸発させる。 吐息で空間を熱して蒸発させる。 強力なクリッター・ボイス クリッター・ウェンディゴ以上の強さの恐慌の声。ただし上層兵の通常装備である耐クリッター機関などで防げる。 元ネタ ユダヤ教の伝承に登場する自律する泥人形。名前の意味は「胎児」。 土をこねて人形を作り、呪文を唱え、「אמת」(emeth、真理)という文字を人形の額に書くか、書いた羊皮紙を貼り付けることで完成する。 ゴーレムを壊す時には、「אמת」(emeth)の「א」( e )の一文字を消し、「מת」(meth、死んだ)にすれば良いとされるが、クリッターであるストーンゴーレムはこの特徴を継いでいないらしい。 なおゴーレムには手当たり次第に火をつけたという逸話がある。 関連項目 《奇械》ザハーク 登場作品 赫炎のインガノック -What a beautiful people- ページ名ストーンゴーレムじゃないか? -- 名無しさん (2013-01-13 13 24 55) どうせなら33体全部で襲えば良かったのに、とか思っちゃう今日ごの頃。それでも先生なら瞬殺かもしれんが -- 名無しさん (2013-06-10 20 26 46) 33体も一か所に集まった時点でその階層が融け落ちるんじゃね? -- 名無しさん (2013-06-30 20 54 53) 《復活》の前は大小33個の玩具だったのだろうか。だとしたらザハークちゃんは… -- 名無しさん (2013-06-30 22 27 32) 三つ子 -- 名無しさん (2013-08-20 16 10 08) 33つ子ですね… -- 名無しさん (2013-08-20 16 10 29) そういや三博士が戦慄するって言ってるけど、魔術畑のヴァイスハウプト師が魔術の結晶と言えるゴーレムを見て戦慄するってことかね?・・・こんなとこでもヴァイスハウプト師はディスられてるってことなんだろうか?w -- 名無しさん (2013-10-08 22 49 29) 名前 コメント 合計: - 今日: - 昨日: -